『メスとたましいのブログ』第20ターン;研究費の要らない研究
こんにちは。獣心力の『メスとたましいのブログ』です。
あまりの暑さで、、、人は現実逃避したくなるものかもしれません。
先日、朝の出勤の時に駅に向かって歩いていますと、向こうから全身アロハの大阪マダムが歩いて来られました。上だけならわかりますが、下もアロハ調。さすが大阪です。
そのご婦人が通りすがりに放った独り言が秀逸でした。
「はぁ、、、南極行きたい。。。」
南極地域観測隊には見えない私に向かって言ったとは考えにくいので、おそらく独り言だと思います。北極と南極のどちらが寒いのかなんてこの際ナンセンス。この発想、センスはぶっ飛んでます。最高です。しかもアロハを身に纏いながらですからね。なおさら面白い。
最近読んでいる『幸福論』(河合隼雄・PHP文庫)の中にこんな一節がありました。
「全ての人は人生の研究者。」
素敵な言葉です。
自分の考えを確かめつつ、唯一の人生を生きているという意味で一人一人が研究者であり、人生全体がその壮大な実験の場である、と。こんな発想ができるなんて、河合先生のセンスもやっぱりぶっ飛んでます。
アロハのマダムも、それまでの自分の人生で実験したこと、研究したことで導き出した答えだったんでしょうね。この暑さを乗り切るための知恵(妄想?)が南極に自分の意識を飛ばすことだった。。。
仮に研究者として新しい自分の可能性をみつける、『らんまん』で言えば【自分の中の新種を発見する】ためにどうすれば良いかと考えてみた時、徹底して本を読むことも大事だけれども、やはりフィールドに出て未知なるものに接触を試みていかなければならないと思います。自分の中の新しい可能性を見出すにはどうしても外部との接触が必要だからです。
とはいえ普通に歩いていて未知なるものに出会えるかと言うと、それはなかなか難しい。あんな抜群のセンスを持ったマダムに、しかもいつも通い慣れた道で会えるなんて僥倖中の僥倖です。いつもの道にはいつもの看板、いつもの通行人、いつもの風景のほうが圧倒的に多いですから。お宝かカスかは分からないですが、自分の可能性を発掘するもの、いわば“不確実性”をこちらで準備してやる必要がありそうです。
ではその確率を高めるにはどうしたら良いか。逆説的ですが、不確実性の確率を上げるにはどうしたら良いか。
私の思うのが、これまで会ったことのない人、見たことのない物、行ったことのない場所を生活の中に散りばめるということです。
手前味噌ですが私の例で言うならば、近いところでは、、、
来週、ディズニー以外ではほとんど行ったことがない千葉で、初めてお会いする獣医師の先生とのアポを入れました。
島田紳助さんが残したほぼ唯一無二と言って良い、芸人論についてのレクチャーを見ることにしました。
明日は行ったことのない銭湯で夜勤明けの整いをしようかな、と思っています。
などなど。
最後のはちょっと確率は低いかもしれませんが、もしかしたらこうしてブログのネタを一本生んでくれるようなおじさまとの出会いがあるかもしれませんしね(笑)
ということで、「南極行きたい!」から話は相当膨らんでしまいましたが、みなそれぞれ生きているだけで研究、実験なんだとするならば、やっぱり新しいモノを自分の中に発見していく方が楽しそうですよね。
私もそのうち、あのアロハマダムのように研究の結果として、通りすがりの人をアッと言わせることのできる圧巻の一言が紡ぎ出せるようになるかもしれませんので。。。
それでは今日も、人生の研究生活を楽しみましょう。