ナラティブ・アプローチって、ストリーテリングに似ているものですか?と聞かれたので答えてみた
複業トレーナー仲間から、「ナラティブ・アプローチって、ストリーテリングに似ているものですか?」と質問を受けたので答えてみました。せっかくなので、noteにしておこうかと。またまだ勉強中なので、不備もあるかとは思いますが一所懸命書いてみました!
前提としてナラティブ・アプローチに定義はない。というのが基本になるので、ここでは、「そうは言ってもねー」という時によく話されることを書きますw
ナラティブ・アプローチは分野によって少し違いますが、共通して社会構成主義の「世界は言葉でできている」に基づく、言葉やストーリーを使った心へのアプローチ手法です。
またナラティブ・アプローチの世界には、「人が問題ではない、問題が問題である」という格言があるように、性善説に基づいたアプローチになります。
特徴としては、世界は言葉やストーリーで構成されているので、その言葉やストーリーを再構成してしまえば「悩みが悩みでなくなる」という考え方が基本になります。その人ならではの言葉や表現に注目し、その言葉や表現を使う意図を探り、解決の糸口にしていきます。
なので、基本的にはカウンセラーは自分の言葉を使わないで、全てクライアントに教えてもらうというスタンスです。
それとは逆に、自分の話したことを、聞いてもらった人達がどう感じたのかを聞く、リフレクティングも同時におこなったりもします。
よって、ストーリーテリングとは似て異なる感じがします。
<セラピー分野>
日本ではまだメジャーになっていませんが、セラピストの中でジワジワきています。
ナラティブ・アプローチの有名人は北欧やニュージーランド、オーストラリアが多く、簡単にいうと、薬を使わない精神治療からはじまり、心のケアにまで使われている感じです。
日本だと「ナラティヴ実践協働研究センター(NPACC)」の国重浩一さんらが第一人者になるかな?と思います。
<キャリアコンサルティング分野>
アメリカのサビカス博士、コクラン博士が有名です。キャリコンの国家試験に出てきたのはこの二人です。
日本では、サビカス博士のキャリアカウンセリング理論くらいしか翻訳されていないので、日本のキャリアコンでナラティブ・アプローチをやっているといったら、これです。私は、サビカス博士の弟子で邦訳をほぼ手がけている水野修次郎先生の研究所で研修生をしています。
サビカス博士のナラティブ・アプローチでは、キャリア構成インタビュー(CCI)という5つの質問をベースにしたカウンセリングを行い、クライアントのライフポートレート(作文された自画像のようなもの)を作ったり、クライアントのライフテーマ(繰り返し出てくる克服すべき課題)を文字化したりします。
このCCIを私は、人生棚卸しの補助質問として使っています。