なりたい自分
計画することが好きである。
近場で開催予定の文具展、雑誌に載っていたおしゃれなカフェランチ、積まれているオフシーズンの衣類の片付け予定、ホコリを被っている自転車のメンテナンス……
ワクワクするイベント、気乗りしないけどやればスッキリすること。
タイプは違えど、それらを発見して手帳に書き込むときのワクワク感が好きだ。
一方で「やってみたいなぁ」「やれるといいんだろうなぁ」で立ち止まってしまうことも多い。
初めての挑戦、お金がかかる、緊張する、失敗したくない、取りかかるのにめんどくさい…
でも、それをやれば今より一歩前進できる。
何にせよ、こうして迷っている状況から抜け出せる時点でプラスだ。
そんな私の重い腰を一気に軽くしてくれた言葉がある。
「何事も経験だからね」
はじめての産後、思ったように母乳育児が進まず、助産師訪問を受けようか迷っていたときに夫から言われた言葉だ。
お金がかかるし、初対面の人に家にあがってもらうわけだし、そもそもそうまでしてやるべきことなのだろうか…と、ホームページと連絡先を何回も開いてはうんうん唸っていたところだった。
「失敗したくない」という気持ちが一気に軽くなった。
そう、結果はどうであれ、私の経験になるのだ。
その時点でもうプラスではないか。
経験値、上げていこうではないか。
やってみないことには始まらない。
ついあれこれ心配して取り越し苦労してしまう私にとって、失敗さえもプラスにできる魔法の言葉となった。
恐らく夫は堂々巡りはやめてやるなら早くやれ、くらいの気持ちだったと思うけれど……
後日、よく晴れたすがすがしい日に気合を入れて電話し、無事施術を受け、現在は経過観察中だ。
おっぱいマッサージを受けた人間って、あまり多くはないのではないだろうか。
私の経験値がひとつ、上がった。
これからも少しずつ経験を積み上げて、引き出しの多い人間になりたい。