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小説にしかできないこと
さて、現在までにキンドルの無料キャンペーンを五回ほどやりました。
毎回たくさんDLしていただき、(DL=読んでもらったとは言えませんが)ついに最初のレビューを書いていただきました。
いやー本当に嬉しいです。
そして、レビュー第一号作品は、意外なことに全然受けると思っていなかった『戸棚の中のビー玉』でした。
どちらかというと官能小説を期待しているであろう方々にフォローいただいてますので、官能シーンが地味、あるいはまったくない作品は受けないものと考えていたのですが……。
作品はこちら。
いただいたレビュー。
![](https://assets.st-note.com/img/1731207680-upDjOPEY5LkCVxUNaJzHZFSl.jpg?width=1200)
そして、私が「小説を書く」ということについて思っていることを、汲み取っていただけたということがとても嬉しかったのです。
なぜ書くのか、あるいはどういうふうに書くのか、ブログでもエッセイでもなく、なぜ小説なのか。
自分なりに考えていることを書いてみたいと思います。
さて、今年の前半に、Web小説のコンテストに作品を何度かエントリーしましたが全滅。
かすりもしませんでした。
Web小説のコンテストは、受賞すれば書籍化されますが、コミカライズ前提のコンテストが数多く存在します。
そして、どのような作品が求められているのか、noteの記事などにも明示されています。
で、その記事を探したのですが、見つかりませんでした。
要約すると、主人公に共感し、感情移入できる作品が求められている、というようなことは書かれてたと思います。
例として、『サレタガワのブルー』という漫画が挙げられておりました。
私も、読みましたが面白かったです。
コンセプトは明快で、不倫された側がいかに傷つくかということを丁寧に描いた漫画です。
読者の身の置き所が明確。
そういうものが求められているということですね。
そして、例えば群像劇で、誰がよくて誰が悪いとも言えないもの。そういう作品を否定はしないけど、求めてはいない、ということも明示されていました。
あ、それ私の作品傾向。
まあそういうわけで、こういうウケない作風で書き続けていいのか、もっとわかりやすいものを書くべきなのか(書けないけど)、それに、なんか小説って、漫画みたいになったよね。読者を気分良くさせる王道みたいなのが増えた。(これについてはそのうちまた書きます)
でもね、このレビューをいただいて、書いてもいいんだ今の路線で、まあウケないかもしれないけど、と思えたので、非常に嬉しかったです。
さてっと、ここからが本題。
危うく本題に辿り着かずに終わるとこだった。
小説にしかできないことってなんだろう。
あるいは、私はなぜ小説を書いているのか、ということを、常日頃から考えております。
10代の頃から、小説が書きたかったのですが、書いても書いても納得のいくものが書けずに、完成もせず放置していました。
私は書かない作家志望だったのです。
ですが、人生のある時点で書かないと死ぬ、と思った出来事(大したことじゃないので書きません)があり、書きはじめました。
いや、事実をそのまま書く、というのも考えたんですけどね。
置かれている状況が特殊なので、そのまま書いてもおそらくわかってもらえない。
だから、なんというか、心のなかで渦巻く鬱屈した感情を流し込む容器みたいなものを虚構として作ることにしたのですよ。
でもって、いや、それ楽しくて。
それから、それまで書きたくても書けなかった話を一気に完成(長編×2)させ、それからは、書き続けてました。
その後書けない時期が来るのですが、その間のことは割愛します。
ところで、いわゆる小説の書き方指南のような書籍、あるいはサイトなど、世の中には星の数ほど存在すると思うのですが、そういうものを目にしていると、どうしても納得できないことが書かれています。
あなたが作品を通して、読者に伝えたいことは何ですか? それが小説を書く上で一番大切なことです。
え?
それが言語化できるんなら、わざわざ虚構を組み上げて小説を書く必要はないのでは?
と思うのですが、まあ小説の書き方ってひとつじゃないから、否定はしません。
そうでないと、どこに(誰に)感情移入して、ちゃんと決められた立ち位置に立って、読者全員が同じメッセージを正しく受け取るタイプの小説は書けないんだろうと思います。
まあそういうわけで、かなり王道から外れてますが、私が小説を書く上でのスタンス的なことを書いてみました。
この文章を読んでいらっしゃる方には、おそらく小説を書いている方が多いのではないかと推察しますが、結局のところは、こういうふうに書かなければいけない、なんてことはないので好きに書く、というのが正解かと。
あ、タイトル疑問形なのに、答え書くの忘れてた。
言語化し難いものを、虚構という容器に流し込んで、そのまま読者さまにお渡しすることです。
ところで、今週末も無料キャンペーンやってます(終了しましたが、いつでもアンリミで読めます)ので、こいつ、どーゆー小説書いてんのかよ、と思われた方は、取りあえず読んでみてくださいね。
わたくしが主宰する耽溺Novelsの全作品はこちらから。
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