『魅力』を身にまとう方法

この記事は2024年5月22日に更新されました。


「魅力ある人物で在りたい」


心が、魂がそう叫んでいる。

私の中に、『魅力』という要素を内包する大きな価値観『美しさ』が存在するためだ。

これまで、美しく在るため、魅力ある人になるための努力はしてきたつもりだ。だが、魅力ある人になったと自信を持って言える自覚はない。

魅力は『人をひきつける力』、すなわち『引力』の意味を持つ言葉だ。
そのため、魅力がある人のまわりには多くの人がひっきりなしに集まってくるはずだ。が、私のまわりにはそう多くの人はいない。


「これは由々しき事態である」

心の中で警告灯が点滅している。
だが、調べても調べても魅力のまとい方がわからなかった。歯がゆかった。


そんな日々を送っていたとき、ふと目にとまった本がある。サイエンスライターの鈴木祐氏によって書かれた『最強のコミュ力のつくりかた』という本だ。

タイトルで心が揺れた。
すぐに購入した。そして、読んでみて思った。

「これがワイの求めていた本や…」

この本はコミュ力に重点を置いているが、コミュ力の本質は『魅力』にあると説いている。
痛いほど刺さる本だった。だからこそ、自分の中で必ず消化すると誓った。


この記事では、『最強のコミュ力のつくりかた』から魅力に関する重要な内容と、私がこれまで学んできた内容を踏まえ、『魅力と身にまとう方法』をまとめることにする。

この記事が、魅力を高めたい人の一助となれば幸いだ。




魅力は査定結果


人類は生存競争を勝ち抜くため、相手の能力を正確に査定するシステムを築いてきた。生き残る能力が高い人を仲間にすることで、自身の生き残りの確率を高めることができたからだ。

例えば、石器づくりに長けたマッチョAと有用なスキルを持たないヒョロ男Bがいたとしよう。Aを仲間にすれば石器に困ることはなくなり、獲物を捕獲する時などにそのパワーが役に立つ。しかし、Bを仲間にしても、生き残りの可能性を高めてくれる要素は何一つないだろう。

査定システムによる『自身の生き残りに有益かどうか』の査定は、雑談をとおして行われることがわかっている。その時間は5分という非常に短い時間ではあるものの、この短時間で社交性や共感力、知性、健康状態、信頼の可否などを正確に見極めるという。
人間にはすさまじい洞察力が備わっているのだ。

近年の研究において、このときの査定結果が『魅力』として扱われることがわかってきた。つまり、魅力を高めたいのであれば、この査定システムから良い評価をしてもらえるよう努めればいいということだ。



魅力を形づくる3つの要素


査定の際に見られるポイントは多い。が、過去の研究により、その中でも特に重点をおかれている要素が『真正性』と『人格性』、そして『有能性』ということがわかってきた。

そのため、この章ではこれらの3つの要素に絞り、それぞれの詳細について以下で解説していく。


①真正性


真正性とは『偽りのなさ』である。

ここでの『偽り』とは、嘘の多さや一貫性の無さだけでなく、内面で感じたとおりに外面を振る舞えないという本当の自分に対する偽りまでの幅広い『偽り』のことを指す。

偽りが多いと、偽りを正当化するにあたって脳のリソースが無駄に食われてしまうため、気が散って集中できなくなる。また、それに伴い、気乗りしない状態で会話を続けることになるだろう。査定システムは、このときに発生するネガティブな要素を敏感に察知する。


②人格性


人格性とは『心の美しさ』である。

ここでの『美しさ』とは、心の余裕やメンタルの強靭さ、優しさ、共感力といった人間らしさにおける『美しさ』を指す。

前述してきたとおり、査定システムは生存競争を勝ち抜くために構築されてきた。そのため、査定システムは自分の背中を任せられるような、そんな信頼のおける人間を見抜く必要があったのだ。

感情の制御が苦手な人ほど相手を思いやった発言ができず、問題を解決できない傾向がある。そのため、感情のコントロールに難のある、感情が幼く性格の悪い人は、査定システムの評価は低くなる。


③有能性


有能性とは『能力の有益さ』である。

その本質は『問題解決能力の高さ』にあり、現代においては地頭の良さや業務遂行能力、金儲けのうまさなどが主な具体例として挙げられる。

査定システムは、現代を要領よく生きるために有益な、これらのスキルを身に着けている人を高く評価する。ただし、査定システムは有能性よりも先に人格性を評価するため、人格性が伴っていないと有能性による魅力が正確に評価されない。つまり、有能なクソ野郎は魅力がないと判断される。この点には注意が必要だ。



魅力を高めるテクニック


先に触れたとおり、魅力を高めるためには、査定システムから良い評価をしてもらえばいい。それはすなわち、上記した3つの重要な要素『真正性』、『人格性』、『有能性』をそれぞれ高めればいいということだ。

この章では、これらの要素を高めるために最も有効なテクニックをそれぞれ紹介していく。


①真正性を高める


素の自分でいるように努め、自然体でいられる環境をつくるまたは移動することが肝要だ。

偽りが多い場合に最も有用なテクニックがメタトークである。メタトークとは『ある出来事を俯瞰的に見て、どのように感じたか、どう考えたか、どうしてほしいかといった自分の思いを言語化すること』である。

会議での意見をバカにされたとき、以下のように答えてみるのもいいだろう。

「不愉快になる発言をありがとう。私は公の場で人をバカにするような発言をする人と一緒に仕事をするつもりはない。今後、私には一切かかわらないでもらいたい。今までお世話になりました。」


②人格性を高める


自らの人格を磨き、人としての良い部分を強化していくことが肝要だ。

人格性が低い場合に有用なテクニックの一つが不快プランニングである。不快プランニングとは『嫌なことを計画的に行うエクササイズ』である。定期的に少しずつ、苦手な人なコトに対処することで徐々に心を慣れさせ、苦手を克服していくというエクササイズだ。人格を磨くにあたり、どうしても必要な『苦手』と向き合わなければならないときに活用したい。

なお、人格性の低い人には以下の特徴がある。不快プランニングと併せ、これらの特徴がある人は今すぐやめる努力をすべきだろう。

  • 話を聞かない

  • 強い言葉を使う

  • 話の途中に割って入る

  • 批判されたら攻撃的になる

  • 相手の言葉をすぐに否定する

  • 求められていないアドバイスをする

  • 自分の自慢はするが相手の自慢は許さない


③有能性を高める


常に己の能力を高め、一流で居続ける努力をすることが肝要だ。

問題解決のために特に重要なスキルとしては『戦略的思考力』が挙げられる。詳細は以下の記事に任せるが、設定した目的地まで進むための最適な道のりを選びとるスキルだ。このスキルがなくては、『問題が解決された未来』という目的地に到達することが難しく、ひどい場合は目的地までたどり着けずに、迷子になってしまう可能性があるのだ。

また、戦略的思考力の思考力の部分を底上げするために『賢さ』を身につけることも有効だ。

賢さとは『具体と抽象の往復運動』であり、その往復の距離、速度、回数が多ければ多いほど賢いとされている。たとえ話が得意な人を頭がいいとみなす傾向から、抽象的なものと具体的なものを紐づけて考えられる人は賢い人だと理解できるはずだ。

賢さを鍛えるためには、日ごろの出来事を抽象化して考え、それが他の具体的なものと紐づいていないか考えることが有効だ。これにより具体と抽象の往復運動が行われ、賢さが鍛えられる。まさに筋トレと同じだ。

日常の習慣として考えるクセを持つことが魅力を身にまとうためには有用だといえる。



さらに上を目指す人へ


『真正性』、『人格性』、『有能性』の3つの要素を高めることができ、それでも物足りないという魅力中毒の方には後述する3つのテクニックの使用をおすすめする。

以下で紹介する3つのテクニックの効果は科学的にも証明されているため、その効果は折り紙付きだ。ただし、これまで説明してきた3要素を満たさずに以下のテクニックを用いてしまうと、魅力のマイナス要因となりえる可能性があることがわかっている。

そのため、これらのテクニックを使う前に、自身が『真正性』、『人格性』、『有能性』を満たしている魅力的な人間であるかどうか、改めてチェックしてみてほしい。


①ディープトーク


ディープトークとは『深みのあるテーマについて語る会話』であり、その目的は『相手の価値観や信念、欲求などのその人の根幹をなすものを知ること』である。

魅力的な人ほど、ディープトークの量が多く、初対面の相手でも関係なくディープトークを行う傾向があることがわかっている。ディープトークが効果的な理由は、人の脳がより深い会話を交わした相手に信頼を置くように進化してきたためだ。

ディープトークとして使いやすい質問(話題のきっかけ)を以下に示す。日頃のコミュニケーションで取り入れてみてほしい。

  • ロールモデルは誰か?

  • 似ているキャラクターはいるか?

  • これから学びたいこと、または上達したいことは何か? 


②ストーリーテリング


ストーリーテリングとは『ストーリーを利用してメッセージを伝える手法』である。

ストーリーが持つ絶大な力の解説は以下の記事に任せるが、ストーリーとは『時間芸術』であり、『絶対的な因果論理』であり、言葉ではなく出来事を組み立てて生み出される『人生とはこんなものだ』を語る隠喩である。

人は、共感というスキルによってストーリーを追体験できる生き物だ。そのため、ストーリーに魅了され、その影響を色濃く受ける。ストーリーをみることで、心に変化が生じ、その変化が行動となって現れるのだ。誰しも一度はストーリーの影響を受けたことがあるはずだ。

  • ドラマにハマり過ぎてそのドラマのロケ地に行った

  • アニメのキャラが好きすぎてその生きざまを真似している

ストーリーをみた人きいた人に行動を起こさせる。魅力のある人は、人に絶大な影響を与えるストーリーの力を使っている。


③カリスマ話法


心理学や組織行動学の世界において、「人としての魅力をどう高めるか?」といったリサーチ分野のことを『カリスマ研究』と呼ぶ。そのため、魅力の高さはカリスマ性の高さだとも捉えることができる。

カリスマ性の高い人とは、『他者に対して大きな影響をもたらし、親切であらゆる人を良い気分にすることができ、そしてネガティブな感情を使って人を操作しようとはしない人』のことを指す。

そのようなカリスマと呼ばれる人物は、以下のような話法を使うことが多い。そんな話法を真似することで、自身の魅力をより高めることができるだろう。

  • 相手の感情を言語化する

  • 相手に選択の自由を与える

  • 質問形式でメッセージを伝える

  • メッセージが道徳的に正しいことを強調する

  • 目標を掲げて自分の情熱をアピールすると同時にロードマップを提示する



さいごに


「言葉が伝わらないのは、人としての魅力が欠けているからである」


これは『最強のコミュ力のつくりかた』の冒頭に出てくる言葉だ。

まさにその通りだと思う。魅力を身にまとい、相手の好感度を高めることができなければ、人はメッセージを真摯に受け止めないのだ。


  • 愚痴ばかりこぼす友人との会話

  • クソほど面白くない話をする上司との会話

どちらもまともに取り合わず、右から左へ聞き流している人は多いはずだ。

自身がそんな友人や上司とならないよう、そして、人として尊敬され、話を聞いてもらえるような人間となれるよう努力すべきだろう。


私事ではあるが、もう半年もすれば第二子が生まれる。

多くの人から尊敬されるような偉大な親までいかなくとも、親として子どもに相応しい、子どもから誇ってもらえるような親となれるよう精進していこうと、より強く思うようになった。

だから私は『真正性』、『有能性』、『人格性』という3つの要素を全身全霊で高めていく。魅力という最強のオーラを身にまとえるよう、鋭意努力していくつもりだ。


魅力を身にまといたい同士たちよ。

その道をともに歩んでいこう。



参考文献


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