テクニカルばかりのタスク管理ではダメだと、『7つの習慣』が言っている
スティーブン・R・コヴィは、『7つの習慣』のなかで、冒頭から嘆いています。
人類普遍の原則に沿った生き方である人格主義が蔑ろにされていること。
その代わりに、テクニカルでその場しのぎな生き方である個性主義がはびこっていること。
目先の利益や快楽をひたすら追いかけ続ける資本主義と、とても相性のいい生き方です。
コヴィは、そのような短期的で、短絡的で、表面的な快楽にふける生き方を、よしとしません。
パーソナルな属性(個性)にばかりフォーカスするような姿勢を、よしとしません。
そうではなく、長期的で、思慮深く、根本的な幸福を追究する生き方こそ、人生の"土台"とすべきだと主張します。
ここで、"土台"と表現したことは、ものすごく重要です。
なぜなら、人格主義は土台であり、個性主義は、その上に築かれるものだからです。
コヴィは、けして個性主義を否定はしていません。
その証拠に、コヴィはこのように表現します。
人格主義は、第一の偉大さ。
個性主義は、第二の偉大さ。
個性主義も、偉大なのです。偉大であることに違いはないのです。
ただし、第二の偉大さなのです。
その前に、まず重視すべきなのは、第一の偉大さである人格主義ということです。この順番です。
人類普遍の原則に基づく、優れた人格という土台の上ある個性だからこそ、ものすごい輝きを発します。
僕は職場において「職員が個性を発揮できる職場づくり」を目標にしています。それは、個性至上主義ではありません。
しっかりと原則に沿った人格主義を土台にした上での、個性を発揮してもらうことが前提になっています。
第一の偉大さを踏まえた上での、第二の偉大さを、輝かせてほしいのです。
仕事だけでなく、プライベートにおいても同じです。
子供達には、個性の輝く人生を送ってもらいたいと願っています。
ただそれは、「他人と違うことをすればいい」のではないし、もちろん、他人に迷惑をかけてでも、好きなことをやれというわけでもありません。
しっかりと、人類普遍の原則に沿った人格主義を育て続けた上での、個性主義です。
ビジネス書とか、自己啓発書とか、僕の好きな「タスク管理術系」とかでは、テクニカルで表面的な個性主義ばかり追い求めるようなものも、少なくないでしょう。
第二の偉大さであるそれらを、否定することはしません。勉強させてもらいます。
ただし、第一の偉大さである人格主義をベースにすることは、忘れないようにしたいです。