『7つの習慣』で誤解してた!時間管理のマトリクス
『7つの習慣』の中で最も誤解されていると言っても、過言ではない部分があります。
それは、個性主義と人格主義の部分です。
個性ばかりが注目される社会(個性主義)に、コヴィ博士は警笛を鳴らします。
個性を否定しているわけではありません。
「個性も大事だが」と、断りを入れてます。
個性を「偉大さ」とも言っています。
「偉大さ」です。
ただし、第二の偉大さという表現をしているのです。
二番目の偉大さという意味です。
では、一番目の偉大さとは、なんでしょうか。
コヴィ博士が言う第一の偉大さとは、人格です。
「個性の土台に、人格がある」というイメージです。
土台がしっかりしていれば、その上につくられるものも安定し、素晴らしくなります。
土台がぐらぐらであれば、その上に創られるものは、安定さを欠き、もろいものになります。
人格という土台を磨いていけば、その上にある個性も、素晴らしいものになります。
個性ばかり注目し、個性ばかり強調し、伸ばそうとすると、不安定で脆く、すぐに崩れてしまう個性になります。
まずは、人格を磨くこと。
それを、人格主義と言います。
僕が以前から、『7つの習慣』で唯一と言ってもいいほど覚えて、活用していたのが、「時間管理のマトリクス」という概念です。
緊急性と重要性の2つの軸で、4つのマスをつくり、「緊急性が高く、重要性も高い」「緊急性が低いが、重要性は高い」「緊急性は高いが、重要性は低い」「緊急性は低いが、重要性も低い」という区分に、タスクを分けていたのです。
前の方から、「第一領域」「第二領域」「第三領域」「第四領域」と呼ばれます。
最も力を入れるべきなのは、「第二領域」(緊急性が低いが、重要性は高い)ということです。
この考え自体は、非常に有効なものです。
自分の内側に丁寧に耳を傾け、やっとこさ聞こえるか細い心の声が、「第二領域」です。
特別扱いすべきものであることは、間違いありません。
ただ、「時間管理のマトリクス」という概念自体は、とてもテクニカルなものです。
テクニカルなものは、うまくやっていくためのものであって、本質的なものではありません。
つまり、コヴィ博士の言う「個性」なのです。
「時間管理のマトリクス」ばかり注目するのは、個性主義なのです。
『7つの習慣』の一番最初に、「個性主義ばかりで嘆かわしい世の中になった!尊重すべきは人格主義だ!」と書いてあるのにも関わらず、すっかりその考え方は忘れて、テクニカルな時間管理メソッドにうつつを抜かしていたのが、僕です。
今一度、『7つの習慣』を読み直し、ちゃんと理解した上で、7つの習慣を生活に取り入れたいと思います。