組織開発の目的に立ち返った話

先日、自身の担当部門のある組織に組織開発のワークショップを実施しました。この実践が内省の良い機会となったので、noteに残しておくからいつか見返してね、未来の自分!

(社内のことなので詳細は割愛!)新任課長・部長向けに組織マネジメントに関する課題特定とアクション検討を目的としたワークショップ(対話の機会)を実施しました。

早速内省の内容に入りますが、組織開発として捉える視野が狭まっていたことに気がつき、改めて組織開発の目的に立ち返ることができた、ということです。

ワークショップとしては、実施の目的、対象者の抱える課題、事前事後で対象者にどんな変化が起こると良いのか、本ワークショップの成果をどこに置くのかなど思案しながら設計し、無事に終えることができました。
そのため「組織開発の超ど真ん中案件を実践できて嬉しい〜」とうかれていたのですが、自分の中でワークショップの振り返りをしていた時に「ワークショップして対話することが組織開発だ」という認識に陥り、実践できたことに満足し手段に喜んでいたことに気がつきました。

つい数ヶ月前に組織開発ど真ん中の大学院を修了したばかりにもかかわらず恥ずかしい話ですが、こうしてきっと強くなっていくのだ、これが経験学習だと勝手にいい方向に解釈し、前向きに捉えています。

金井壽宏さんが人事に関して言及されるdoable(何ができるか(行動内容))ばかりに目がいき、deliverable(何をもたらすか(提供価値))の視点が疎かになっていたように思います。
ワークショップの設計では対象者へのdeliverableを意識していたつもりですが、もう少し取り組み全体を俯瞰した時に長期的にもたらしたい価値や、そもそも組織開発ってなんでするんだっけ?(目的)、どうしたら組織開発できたと言えるんだっけ?と見つめ直すいい機会となりました。

組織開発について改めて書籍や記事を読み直す中で、南山大学 中村先生の「入門 組織開発(2015)」の中でwarrick(2005)が定義している組織開発について以下のように紹介されていました(筆者訳)。

「組織開発とは、組織の健全さ(health)、効果性(effectiveness)、自己革新力(self-renewing capabilities)を高めるために、組織を理解し、発展させ、変革していく、計画的で協働的な過程である」
健全さとは、「仕事生活の質、お互いの関係性の質、権力の最適なバランス、モチベーションの高さなどの、極端に表現すると組織内の人々の幸せ度と関連」し、効果性とは、「組織の目標に到達する力、組織の構成員やチームの潜在能力を発揮できること、環境の変化に適応し対処できる」こと、そして自己革新力とは、「組織が絶えず学習し続け、自らが変革に取り組み続ける力を持つこと」である

中村和彦(2015)『入門 組織開発ー活き活きと働ける職場をつくる』

CULTIBASEの記事で東南裕美さんの連載も非常にわかりやすく読みやすかったです。

さらにカミングスとウォーリーの整理をもとに織開発で働きかける対象を以下のように整理されています。下図のヒューマンプロセスに配慮しながら取り組まれる手法が組織開発的なアプローチといえるとも紹介されています。

組織の健全さ、効果性、自己革新力を高めていくための過程が組織開発であり、その手段の1つが今回実施したワークショップのはずですが、実践前の自分はどこまで意識できたいたのでしょうか。
決して的外れな取り組みをしたつもりはないですが、狭義な手段で満足していてはいけないのと、ワークショップ後のアクションがなければ意味がないので、引き続き今回内省したことを心に留めながら第2回目の介入に取り組みたいと思います。

今回の実践と内省を通じて、自分の仕事の意義や面白さにも気がつくことができました。
担当人事という内部実践者だからこそ、組織に対してヒューマンプロセスの働きかけに留まらず、上図にあるような組織の戦略的・構造的な問題、人材マネジメントの問題に対して課題特定から実行まで携わることができるということです(つまり、組織やその先の事業への貢献領域が幅広く重要な役割を担う)。
また、理論が実践を通して血肉になる感覚があり、この感覚は大事にしていきたいです(もちろんまだまだですが)。

上記振り返りに加えて、担当する組織のパートナーとして認めてもらえるよう自身の在り方を見つめ直す、問い直す機会にもなりました。


定期的に読み返すように、未来の自分!

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