Pretendersの1stアルバム
1979.12.27発売
米オハイオ州からロンドンへ。
ジミヘンやジャニジョプは27で夭折したが、クリッシー・ハインドは雌伏の時を経て、27で世に出た。
Don’t Get Me Wrongは数ある名曲の1つにすぎないね。(“Get Close”も名盤だよね)
ジェームズ・ハニーマン・スコットも、ピート・ファーンドンもまだ健在だったファースト。
1, Precious
テンポの速さではない。パンクは態度。意外と構成力のあるアレンジ。制限速度内なのにかっ飛ばしてる。Fワード吐き捨て、さらに燃える。
2, The Phone Call
セッション的なインスト半分歌半分といったナンバー。別に達者というわけではないが、リズムのヨレも含めて楽しい。でもファーストの2曲目というより、サードの6曲目くらいに入ってそうではある。誰が曲順決めたんだろ。
3, Up the Neck
ミドルテンポが続くのでちょっと印象が弱い。個人的には。カッティングリフから流れるようなアルペジオ、ハニーマンのバッキングの流麗さ。マーティン・チェンバースはタムを絡めたドラムパターンが好きみたいね。
4, Tattooed Love Boys
7拍子のパンクなんて初めて聴いた。
2023年グラストンベリーでジョニー・マーとデイヴ・グロールが飛び入りしてはしゃいでたのも記憶に新しい。クリッシーのリズムギターのタイトさ、ロックンロールから地続きのパーティ感もあり。
5, Space Invader
もっと攻めたインストのテイクもあったんじゃなかろうか?バッキング的なリフ主体の演奏を聴くにつけ、クリッシーが歌載せてそのまま仕上げる方向にもいけそうに感じる。だが、そちらには行かなかった。作曲者にクレジットされているのはファーンドンとハニーマン・スコット。彼らにも思うところがあったのだろう。
6, The Wait
演奏のキレとボーカルの説得力。4と同じくライブ映えしそうな佳曲。
7, Stop Your Sobbing
キンクスの名カバー。ネオアコの嚆矢では?ライブでのハニーマンはイケイケで歪みまくりだが、このテイクはエコー感とアルペジオの重なりがとても美しい。スタジオワークのなせる技?ベースライン、ドラムパターン含めアレンジの方向性はKidのプロトタイプ的な趣も。この曲のみニック・ロウのプロデュース。なんでもニック・ロウのファンだったハニーマンが脱退しそうだったので、それを防ぐためにクリッシーがニックに頼んでプロデュースしてもらったとのこと。
8, Kid
クリッシーは単純なコード、例えばC-Am-F-Gでバシバシ名曲を書く。イントロからアウトロまで至福の3分間ポップス。
個人的な思い入れとしては、ギターフレーズ、ソロ、ベースライン、ドラムパターン、誰と合わせるわけでもなく繰り返しコピーしたし、今でもたまに弾く。
このギターソロのポジショニングについての話を書こう書こうと思ったまま幾星霜。そういえばジョニー・マーはこのソロをウォームアップに弾くそうな。過去にサポートもやってた、要はクリッシーのファンのようだけど。
デラックスエディションのライブ版後半、表裏が一瞬おかしくなる瞬間も妙にかっこいいので必聴だし。PVのクリッシーを真似してcover your faceのとこで顔を覆いたくなるし。
9, Private Life
クリッシーはグレイス・ジョーンズのカバー版を理想的なバージョンと思ってるようだけど、このホワイトレゲエ感が好きな人もいるわけで。こうして聴いてると結構コーラスワークも凝ったグループなのだと。
10, Brass in Pocket
ギターの鳴り。クリーントーン、リッケンバッカー、AC30、みたいな。実際にはシングルコイルかな?こういうウキウキする感じが、大ヒット‘Don’t Get Me Wrong’への道筋になったのか。
11, Lovers of Today
アルペジオからゆっくり展開していくバラード。ボーカリストとしてのクリッシー。すっごいあっさり書いてるけど、好きな曲なんだけど。
12, Mystery Achievement
スタジオテイクでもライブを想像しながら楽しくなっちゃう。延々とジャムってられるんじゃないか。煽るベースライン。弾きまくりのハニーマン・スコット。ストイックにパターンを刻みつつマーティンのドラムスも盛り上がる。最高なクロージングナンバー。
昔から後半ばかり聴きがちだけど。
とにかく大好きな名盤。