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今週のフラクタル7 (z^2/2+1/(8z)+c)

どうも、最近フラクタル関連の記事のウケが悪くて悩んでいる108Hassiumです。

今週は$${\frac{z^2}{2}+\frac{1}{8z}+c}$$という関数に関するフラクタル図形をお届けします。

※直近の記事で「マンデルブロ集合」と「ジュリア集合」の定義として少々変則的なものを用いましたが、この記事からは普段通りのものに戻します。

z^2/2+1/(8z)+c

☝z^2/2+1/(8z)+cのマンデルブロ集合(z_0=1/2,x=-5~3,y=-4~4)
☝z^2/2+1/(8z)+cのマンデルブロ集合(z_0=(-1+√3i)/4,x=-5~3,y=-4~4)
☝z^2/2+1/(8z)+cのマンデルブロ集合(z_0=(-1-√3i)/4,x=-5~3,y=-4~4)
☝z^2/2+1/(8z)+cのマンデルブロ集合

$${\frac{z^2}{2}+\frac{1}{8z}+c}$$の臨界点は$${\frac{1}{2},\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{4}}$$の3つですが、今回は$${z=\frac{-1+\sqrt{3}i}{4}}$$のものをメインとして扱います。

☝z^2/2+1/(8z)-1.07-0.3iのジュリア集合
☝z^2/2+1/(8z)+0.51+0.15iのジュリア集合
☝z^2/2+1/(8z)+0.49+0.1iのジュリア集合

$${z^2+c}$$のジュリア集合を崩壊させたような見た目のジュリア集合です。

以前の記事で$${\frac{z^3}{z+0.1i}+c}$$のジュリア集合について似たような説明をしていましたが、それと比べるとシルエットの歪み方が激しかったり内部に空いた穴が大きかったりといった違いがあります。

※☟$${\frac{z^3}{z+0.1i}+c}$$についての説明がある記事

☝z^2/2+1/(8z)-1.7+0.06iのジュリア集合
☝z^2/2+1/(8z)+0.12+0.07iのジュリア集合
☝z^2/2+1/(8z)-0.16+0.24iのジュリア集合
☝z^2/2+1/(8z)+0.56+0.34iのジュリア集合
☝z^2/2+1/(8z)-0.98+0.12iのジュリア集合
☝z^2/2+1/(8z)-1-0.18iのジュリア集合

2種類(以上)の吸引的サイクルを持つジュリア集合です。

☝z^2/2+1/(8z)+0.54+0.72iのジュリア集合(121周期)
☝z^2/2+1/(8z)-1.66+0.24iのジュリア集合(128周期)
☝z^2/2+1/(8z)+0.12+0.59iのジュリア集合(220周期)
☝z^2/2+1/(8z)+0.56+0.83iのジュリア集合(385周期)
☝z^2/2+1/(8z)-1.71+0.13iのジュリア集合(385周期)

摂動の強さ

以前の記事で、摂動という概念を紹介したことがあります。

今回取り上げた$${\frac{z^2}{2}+\frac{1}{8z}+c}$$という関数も、$${\frac{z^2}{2}+c}$$に対して$${\frac{1}{8z}}$$という摂動項を加えたものと考えることができます。

☝x^2/2+1/(8x)+cとx^2/2+cのグラフ

先程の記事では、「面白いジュリア集合を生成したい場合、摂動の影響は小さすぎても大きすぎても良くない」という説明がありました。

$${\frac{z^3}{z+0.1i}+c}$$や$${\frac{z^3}{z^2+5iz+0.68}+c}$$を基準として、影響が大きすぎて面白くない例として$${\frac{z^3}{z+i}+c}$$を、小さすぎる例として$${\frac{z^3}{z^2+4iz+0.27}+c}$$を挙げていますが、どうやら今回の$${\frac{z^2}{2}+\frac{1}{8z}+c}$$という関数は$${\frac{z^3}{z+0.1i}+c}$$と$${\frac{z^3}{z+i}+c}$$の中間のような性質を持つようです。

形の崩れ方は$${\frac{z^3}{z+0.1i}+c}$$よりも大胆ですが、$${\frac{z^3}{z+i}+c}$$のように崩れすぎてもいません。

$${\frac{z^3}{z+0.1i}+c}$$や$${\frac{z^3}{z^2+5iz+0.68}+c}$$における特徴的な形は見られませんが、これはこれで特有の面白さがあると思いました。

☝z^3/(z+0.1i)+cやz^3/(z^2+5iz+0.68)+cでよく見られた面白い形