マンデルブロ集合の周期をひたすら調べまくった
どうも、108Hassiumです。
以前の記事で、こんな画像を使いました。
※☟この画像を使った記事
この画像は、$${c(z+\frac{1}{z})}$$のマンデルブロ集合に対して各領域に対応する周期を書き込んだものです。
記事の本題とは関係ないのでサラッと流していますが、実は周期の配置があんな風になっているというのは記事を書き始めてから初めて気づいたことで、発見した際は結構な衝撃を受けました。
というわけで、いろいろな関数のマンデルブロ集合の周期の分布を調べ、$${c(z+\frac{1}{z})}$$のような変な配置になるかどうか調べてみました。
z^2+c
そもそも$${c(z+\frac{1}{z})}$$のマンデルブロ集合の周期配置に驚かされたのは、$${z^2+c}$$の周期配置がめちゃくちゃ規則的だからです。
1周期の中心カージオイドの周りに2、3、4、5・・・周期の円状領域が並び、$${m}$$周期と$${n}$$周期の領域の間には$${m+n}$$周期の領域があり、$${n}$$周期の領域の周りには$${2n}$$、$${3n}$$、$${4n}$$・・・周期の領域が接し、といったような法則性があり、他のマンデルブロ集合でも大体同じだろうと思ってたのでした。
ちなみに、$${z^2+c}$$以外のマルチブロ集合($${z^n+c}$$のマンデルブロ集合)をいくつか調べてみたのですが、どうやら全部$${n=2}$$のときと同様の規則性を持っているっぽいです。
c(z^3/3-z)
$${c(\frac{z^3}{3}-z)}$$は、以下の記事で既に「周期に関して変な特徴がある関数」として紹介しています。
というわけで、もしかしたら$${c(z+\frac{1}{z})}$$と似たような性質を持っているんじゃないかと思って調べてみたところ、こうなりました。
見辛くて申し訳ないのですが、2周期の領域に2周期の領域が接していたり4周期と3周期の間に10周期の領域があったりと、予想通りの不規則さとなりました。
ところで、よく見るとこのマンデルブロ集合は形自体が$${c(z+\frac{1}{z})}$$のものと似ています。
中央に単位円があり、その両側に半分のサイズの円が1個ずつ接していて、その周りに円状領域が接しているというのは$${c(z+\frac{1}{z})}$$のマンデルブロ集合と同じ特徴です。
というわけで、$${c(\frac{z^3}{3}-z)}$$(左右反転)と$${c(z+\frac{1}{z})}$$のマンデルブロ集合を重ね合わせ、両方の周期分布を書き入れてみました。
中央の大きな円(単位円)の外側に$${c(\frac{z^3}{3}-z)}$$、内側に$${c(z+\frac{1}{z})}$$のマンデルブロ集合の収束領域が描画されています。
単位円状の周期分布は円周を境にして同じ値が並び、小さい円の周りの値もしっかり鏡写しになりました。
この結果を見て私は「もしや」とピンと来たので、別のパターンを試してみました。
$${c(z+\frac{1}{z})}$$のマンデルブロ集合と$${c(\frac{z^3}{3}-z)}$$のマンデルブロ集合の周期分布が似ているのと同様に、$${c(z+\frac{1}{2z^2})}$$と$${c(\frac{z^4}{4}-z)}$$の周期分布もソックリになりました。
どうやら、$${c(z+\frac{1}{nz^n})}$$のマンデルブロ集合と$${c(\frac{z^{n+2}}{n+2}-z)}$$のマンデルブロ集合の周期分布は同様の不規則性を持つようです。
なお、
$${n=0}$$では全然面白い感じになりませんでした。
他
余った画像を置いておきます。
※右端のへこみは描画の不具合