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今週のフラクタル20 ((-c^4+c^3+c-1)/(z^3-1)+c)

どうも、108Hassiumです。

今週は$${\frac{-c^4+c^3+c-1}{z^3-1}+c}$$に関するフラクタル図形をお届けします。

(-c^4+c^3+c-1)/(z^3-1)+c

☝(-c^4+c^3+c-1)/(z^3-1)+cのマンデルブロ集合(z_0=0)

$${\frac{-c^4+c^3+c-1}{z^3-1}+c}$$という関数は、1→∞→c→1というサイクルを持つ3周期発散関数です。

$${\frac{-c^{n+1}+c^n+c-1}{z^n-1}+c}$$は「臨界点は$${z=0}$$のみで、多重度は$${n-1}$$」「ジュリア集合は$${n}$$回回転対称」という性質を持ち、3周期発散関数におけるマルチブロのような存在です。

☝c=0.75+0.65iのジュリア集合
☝c=1.3+0.31iのジュリア集合
☝c=0.05+iのジュリア集合
☝c=0.21+0.85iのジュリア集合
☝c=0.89+0.87iのジュリア集合
☝c=1.13+0.03iのジュリア集合

三つ葉型の穴があるジュリア集合です。

☝c=-0.64+0.89iのジュリア集合
☝c=-0.14+0.67iのジュリア集合
☝c=-0.15+1.07iのジュリア集合
☝c=-0.67+1.02iのジュリア集合
☝c=-0.1+0.94iのジュリア集合

三つ葉穴がないジュリア集合です。

☝c=-0.51+0.88iのジュリア集合(x=-16~16,y=-16~16)
☝c=-0.5+0.87iのジュリア集合(x=-32~32,y=-32~32)

$${c}$$の値が$${\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}}$$(≒-0.5±0.87i)に近ければ近いほど、$${\frac{-c^4+c^3+c-1}{z^3-1}+c}$$のジュリア集合はサイズがデカくなっていくようです。

多分$${c=\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}}$$のとき$${-c^4+c^3+c-1=0}$$になるのと関係があって、理屈としては$${c(\frac{z^2}{2}+\frac{1}{z})}$$のジュリア集合で起きる現象と同じだと思うのですが、同じく$${-c^4+c^3+c-1=0}$$の解である$${c=1}$$の場合は何故か同じ現象は起きません。

※☟$${c(\frac{z^2}{2}+\frac{1}{z})}$$のジュリア集合の大きさについて言及している記事

☝c=0.53+0.88iのジュリア集合(184周期)
☝c=0.47+0.62iのジュリア集合(198周期)
☝c=-0.63+0.89iのジュリア集合(343周期)
☝c=0.04+0.69iのジュリア集合(405周期)
☝c=0.47+0.49iのジュリア集合(432周期)

いつものやつです。

(-c^4+c^3+c-1)/(con(z)^3-1)+c

$${\text{con}(x+iy)=x-iy}$$

☝(-c^4+c^3+c-1)/(con(z)^3-1)+cのマンデルブロ集合(z_0=0)

複素共役を混ぜると三つ葉穴どころか発散領域自体が消え(中央の穴とそこから6方向にのびる領域は誤判定によるものです)、全く違う見た目になりました。

☝c=1.2+0.54iのジュリア集合
☝c=1.7+0.1iのジュリア集合
☝c=0.4+0.2iのジュリア集合

ジュリア集合にも、やはり3周期発散の特徴は現れません。

☝c=-0.8のジュリア集合
☝c=-0.6のジュリア集合
☝c=0.9のジュリア集合

例外として、$${c}$$が実数のとき($${c^6}$$が実数のとき?)は3周期発散になるようです。

☝c=1.23+0.54iのジュリア集合
☝c=0.49+0.8iのジュリア集合

3周期発散にならない場合、2種類の吸引的サイクルが存在する場合があるようです。

☝c=0.7+0.4iのジュリア集合
☝c=0.8+0.2iのジュリア集合

不安定領域と安定領域が混在することもあるようです。

(-c^4+c^3+c-1)/(B(z)^3-1)+c

※$${B(x+iy)=|x|+i|y|}$$

☝(-c^4+c^3+c-1)/(B(z)^3-1)+cのマンデルブロ集合(z_0=0)

右下の領域($${c}$$の実部も虚部も正)にだけ発散領域が現れました。

☝c=1+0.8iのジュリア集合
☝c=1.2+0.53iのジュリア集合
☝c=1.2+0.67iのジュリア集合
☝c=1.24+0.1iのジュリア集合

$${c}$$が右下にある場合でも、3周期発散っぽい見た目になるときとならないときがあるようです。

☝c=-0.2+0.6iのジュリア集合
☝c=-0.7+0.4iのジュリア集合
☝c=-0.6+0.3iのジュリア集合

$${c}$$が左下にない場合はやはり収束領域自体が現れず、また$${\frac{-c^4+c^3+c-1}{\text{con}(z)^3-1}+c}$$と同様に2種類の安定領域が混在することもあるようです。

☝c=1.3+0.6iのジュリア集合

安定領域と不安定領域と発散領域が混在するジュリア集合です。