今週のフラクタル24 (z^3+x^2+y^2+c)
どうも、108Hassiumです。
今週は$${z^3+x^2+y^2+c}$$($${x}$$と$${y}$$は$${z}$$の実部と虚部)に関するフラクタル図形をお届けします。
z^3+x^2+y^2+c
$${z^3+x^2+y^2+c}$$は解析関数ではないので「いい初期値」は存在しないのですが、$${z_0=0,-\frac{2}{3}}$$でマンデルブロ集合を描画してみるとジュリア集合に収束領域が存在するような$${c}$$を大体網羅できていそうな感じの見た目になりました。
ジュリア集合は、3回回転対称になるのが特徴的です。
ここ最近は非解析関数ばかり取り上げていましたが、既に見慣れてしまった非解析ジュリア集合も回転対称性が加わることによって新鮮に見えてくる気がします。
吸引的サイクルが2つあるジュリア集合です。
3種類の吸引的周期サイクルが存在するジュリア集合です。
周期的サイクルと非周期的サイクルが混在するジュリア集合です。
回転対称性
今回紹介したジュリア集合はどれも3回回転対称でしたが、ジュリア集合の回転対称性に関して以下のような性質を発見しました。
まず、$${R_k}$$と$${I_k}$$をそれぞれ$${(x_n+iy_n)^k}$$の実部と虚部とし、さらに$${S=x_n^2+y_n^2}$$とします。
このとき、3変数の多項式$${P(\alpha,\beta,\gamma)}$$と$${Q(\alpha,\beta,\gamma)}$$を用いて以下のように表される数列のジュリア集合は、$${m}$$回回転対称になるようです。
$${\begin{cases}x_{n+1}=R_jP(R_m,I_m,S)-I_jQ(R_m,I_m,S)\\y_{n+1}=R_jQ(R_m,I_m,S)+I_jP(R_m,I_m,S)\end{cases}}$$
複素関数では「$${c_1z^m+c_2z^n}$$のジュリア集合は$${m-n}$$回回転対称」(面倒なので今回は$${0< n< m}$$に限定します)という性質を何度か紹介していますが、これは実数列では
$${j=m-n}$$
$${P(\alpha,\beta,\gamma)=a_1\alpha+a_2}$$
$${Q(\alpha,\beta,\gamma)=b_1\beta+b_2}$$
※$${c_1=a_1+ib_1}$$、$${c_2=a_2+ib_2}$$
・・・というケースに相当します。
この性質が何故成り立つのか(というか本当に成り立つのか)は私にはよくわかりませんが、多分以下の記事の内容と関係しているのではないか思います。