今週のフラクタル14 (z^4/(z+0.1i)^2+c)
どうも、108Hassiumです。
今回は$${\frac{z^4}{(z+0.1i)^2}+c}$$に関するフラクタル図形をお届けします。
z^4/(z+0.1i)^2+c
全体的なシルエットは$${z^2+c}$$に似ているけど細部を見ると穴が開いてたり崩れたりしている、という特徴はこれまで幾度となく言及している$${\frac{z^3}{z+0.1i}+c}$$のマンデルブロ集合とよく似ています。
$${\frac{z^4}{(z+0.1i)^2}+c}$$の臨界点の1つ$${z=0}$$は3重臨界点なので、$${\frac{z^4}{(z+0.1i)^2}+c}$$のジュリア集合には$${z^4+d}$$のジュリア集合のような四角い収束領域が現れることがあります。
摂動ジュリア集合でよく見る感じの、奇抜な見た目のジュリア集合です。
※☟摂動ジュリア集合の説明がある記事
摂動ジュリア集合でよく見る感じの、白領域のあるジュリア集合です。
あまり見たことない感じの白領域の入り方をしたジュリア集合です。
以下の記事の$${\frac{\text{con}(z)^3}{\text{con}(z)+0.1i}+0.35+0.69i}$$と若干似ているものの、他では一切見たことが無いレアタイプっぽいです。
マンデルブロ集合上での穴の位置にある値に対応するジュリア集合です。
いつものやつです。
z^m/(z+a)^n+c
$${\frac{z^m}{z+a}+c}$$($${m}$$は自然数)という関数は、$${z^{m-1}+c}$$に対して摂動を加えたものになります。
※☟$${n=9}$$の例
$${\frac{z^m}{(z+a)^n}+c}$$($${m}$$と$${n}$$は自然数)はこれを一般化したもので、以下のような特徴を持ちます。
$${|a|}$$を小さくすると$${z^{m-n}+c}$$に近づいていく。
臨界点は$${z=0}$$と$${z=\frac{am}{n-m}}$$の2つのみ。
$${z=0}$$の多重度は$${m-1}$$。
これらの性質は、ジュリア集合と以下のように関係しています。
$${|a|}$$が小さいと$${z^{m-n}+c}$$のジュリア集合を崩壊させたような見た目になる。
収束領域は$${z_0=0}$$に対応するものと$${z_0=\frac{am}{n-m}}$$に対応するものの高々2種類。
$${z^m+d}$$のジュリア集合のような形の収束領域が現れる(ことがある)。
マンデルブロ集合は以下のようになります。
どうやら、摂動の影響の大きさ(=形の崩れ具合)と各パラメータには、以下のような関係があるようです。
$${|a|}$$を小さくすると摂動の影響は小さくなる。
$${m}$$を増やすと摂動の影響は小さくなる。
$${m-n}$$が一定になるように$${m}$$と$${n}$$を増やすと摂動の影響は大きくなる。