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小説 魔界綺談 安成慚愧〜百三
大内家は義隆の死をもって事実上消滅した。
そしてそれは陶隆房にとって誤算の連続を生むことになった。
当初、隆房は義隆の嫡子である義尊を当主に迎えるつもりであった。これは正当な大内の血を残すことにより、隆房の行動を大内家への忠誠として正義と為さんがためである。義隆は事前に義尊を大寧寺から脱出させていたため、隆房はその捕縛を命じた。
正当な大内家の血筋を残し、実権を握る。それは、隆房の父、興
魔界綺談 安成慚愧〜百二
「大内義隆。この世に未練があれば申すが良い。おまえの未練。この魔界少女拳参謀神楽坂十万喜が叶えてくれよう。」
男はそう言うと低く嗤った。
「め、面妖な…。」
義隆は脇差を構えた。
「げ、下郎が…この義隆のく、首をね、狙うてのことか!」
「おまえの首のう。」
男は首を傾げた。
「ま。最終的には必要であるが。」
義隆は奇声を上げ脇差を男めがけて振り下ろした。
一度。
二度。
脇差