Soliloquy2
今日という日が始まってしまったからには、今日を過ごさなければいけない。
迷い道に迷いこんだようなこの日常をぼんやりと見つめながら、取り戻したい何かに手を伸ばしている。
灰色の街に飲まれていく僕たちは、いつの間にか影を隠していた。
せわしない人混みの中で、無口になっていく僕らを、何度も邪魔そうによけていく人たちがいた。それは仕方ないことだった。何故なら、僕らには行き場所がなかったのだから。
そして今日も。
いつもどおり、僕たちは街の雑踏に飲まれながら、行くあてもなく歩く。
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