このまま世界が終わればいいのに【3】
やや速度を上げて走っている僕に、文月が声をかけた。
「ねえ、ここどこ?どの辺?」
「千代田区。」
「千代田区ってローソンしかないの?」
急におかしなことを言う文月に僕は目線を寄越して、
「そんなことないだろ。」
というと、文月は流れる外の景色に目をやったまま、
「本当によ。ほら、あれもローソン。さっきからローソンしか見ないんだよ。何かそういう縛りでもあるの?千代田区って。」
と不思議そうな顔をして窓の外を見ている。
そういわれて僕も注意して外の様子を見ていると、確かにローソン