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オタクおじさんとモバマスの思い出

 モバマスが今日(2023年3月30日)でサービス終了になりましたね。

 いやぁ、俺も一応はプレイしていたゲームなんですよ。
 して「いた」で過去形であり最後まで駆け抜けた現役プレイヤーではなく、それほど長期間プレイしていた訳でもないからお世辞でも良いプロデューサーではなかったと思うんですけど今回はその時の思い出をぽつぽつしていこうと思います。

 モバマスをプレイした当時、俺はまだガラケーユーザーだったのでPCでプレイしてました。一部のソーシャルゲームをPCでプレイできるソフトがありまして、その中にモバマスもあった訳ですね。

 オタクおじさんはインターネット古代人なので「アイドルマスター」というコンテンツは既知ではあったんですが、シンデレラガールズについてはまだ詳しく知らなかったんですよ。
 でもTwitterでフォローしているインターネットフレンズがRTするイラストのなかに「お、この子めちゃくちゃ可愛いやん!」ってキャラが結構おりまして、それがシンデレラガールズの子だったので「あ~、これがインターネットフレンズのRTしていた子が出るゲームか~、じゃ触ってみよう」って感覚で触れたのがきっかけだったんですよね。

 当時の俺は……いや、今の俺もそうなんですが、基本的にPCを立ち上げている時は何かしら趣味の書き物をしている事が多いんですよね。
 ブログのネタだったり、創作だったり、同人誌の原稿だったり、このnoteとかもそうですね。

 で、趣味でも書き物をしていると息抜きしたくなりますので……というか、意思が弱いので常に息抜きしたい状態なので、作業の合間にちょこちょこ出来るゲームで遊ぶパターンが多いワケです。
 だから比較的にゆっくり、まったり遊べるタイプのゲームを……ザックリ言ってしまえば片手間で出来るタイプのゲームや作業用のメモ帳やWordなんかを立ち上げてもさして重くならないゲームで遊んでたりしてたんですよね。

 モバマスは今でいうポチポチゲーで、規定の行動回数で出来る事が終わったら後は放置する……といった案配の良く言えば分かりやすい、悪く言えばゲーム性が少ない作品でしたが、1日にできる事がある程度決まっているのと本気(ガチ)で命(タマ)ぁとりに行くとかそういう気概じゃない限りはゆる~く遊んでも大丈夫という点は結構気に入っていて、作業の合間によくポチポチしてました。

 ちなみに、推しのアイドルは「白坂小梅」「輿水幸子」「塩見周子」「鷺沢文香」です。
 よろしくおねがいします。

 とまぁ、無理なく遊べる所が俺のライフスタイルにあっていてPCに入れていた当時は結構遊んでいたんですね。

 ンでも終わりってのは突然くるもんです。
 ある時、いつものようにゲームを立ち上げたら、突然のお知らせがあったワケなんですよ。  

 詳しい事は忘れちまったんですが、要約すると、「おまえの使っているアカウントではモバマスは遊べなくなるよ」って状態になってしまったんです。
 ガラケーのゲームをPCで遊ぶためのツールがモバマスを対応しなくなった……みたいな感じだったかなァ。

 えー何でだよ理不尽だなーとは思ったものの、向こうの都合でゲームが終了するならデータ移行くらいは出来るだろうと気楽に考えていたんですがその時は俺の使っていたアカウントでのサービスが撤退するような状態だったので、何やかんや色々と頑張ってみたんですがデータ移行も出来なかったんです。

 今考えてみると俺がインターネットにいるのが古いだけの妖怪で知識とかがないから出来なかっただけで頑張っていれば出来たのかもしれませんが、それはもう俺が完全にアホだから仕方ないでしょう。

 ですが、幸いにもその頃はPC版のモバマスも出ており、ツール的なものを使わなくともモバマスを遊べる環境が整っていたので「別のアカウントをとって最初からやり直そう」と、そう考えた訳ですよ。

 強くてニューゲーム状態とはいきませんが、二周目の俺ですから全く遊び方を知らない頃と比べればゲームのコツも覚えプレイ効率も格段に良くなっていましたから、やり直しプレイしても以前のアカウントと同じくらいの領域までは比較的に早くたどり着けると思っていたんですよね。

 でも、それがダメだったんですよ。

 なぜって、新しいアカウントで出会うアイドルたちとはみんな「初対面」になってるから。
 やりなおし2周目の世界はまさに、俺だけ記憶をもって時間だけがまき戻っているタイムリープの世界みたいな気分ですよ。
 俺はみんなの事知ってるけど、みんなは俺の事を知らない世界なんです。

 あぁ、小梅ちゃんと過ごしたあのイベントもこのイベントも今の小梅ちゃんは知らないんだな……とか、鷺沢さんをシンデレラにするために頑張ったレッスンも今の鷺沢さんは覚えてないんだよな……なんて思ったらもう耐えられないくらい悲しくなっちゃったんですよ。
 ホント、気分はもう「ボクの名前はエンポリオ」なんですよ。
 やり直しの世界でアイドルたちは普通に生活していても、俺のことを何も知らない世界のアイドルたちなんです。

 それがもう無理すぎて。
 やり直して新しい思い出を作るより、世界が終わるまで一緒に思い出をつくる彼女たちと過ごしていたい……みたいな気持ちが勝ってしまったんです。
 まさに地球最後の日になっても普通に好きな相手と一緒に食事をして眠るのを選んでしまったエンドに向かう登場人物の気持ちですよ。

 とはいえ、このまま引退してしまったら俺の手元で育てたアイドルたち。
それもいわゆる「SR」の珍しく強く育てたアイドルたちがひっそりと終わってしまう、それはそれで寂しいし彼女たちもまだステージがあるならそこで歌わせたい……なんて感情を抱いた俺は、モバマスにある「カードトレード機能」を使って育てたアイドルたちを他のプロデューサーに託す事にしたワケです。

「自分の使っていたアカウントが使えなくなるから、P廃業するので」
 みたいな理由をかいて。

 したらば、他のPたちからコメントが来るわけですよ。

「P業おつかれさまでした」 とか。
「アイドルはこちらで育てます」 とか。
「あなたの子を大切にします」 とか……。

 何かもううれしいやら何やらで感極まってしまいましてね、もう、号泣ですよ。号泣。
 俺の育てた子たちが他のPのところで本当に活躍してくれたのかはわからないんですが、そういったデータの存在でも尊重してくれてることがうれしくてね。

 もうその子たちを育ててやれない俺の立場から言うのもなんだけど、本当によろしくおねがいします……! って気持ちで見送ってましたよね。

 みんな、良いプロデューサーのところに行くんだよ……。

 そのモバマスも本日で終了ということで、俺が手放した子たちがどうなったにせよ「モバマス」という世界からはいなくなってしまうんだなぁ……と思うわけですが、俺があの時につくったアイドルたちの思い出や彼女たちを手放す時に迎え入れてくれたPたちへの感謝、そういった感情はなくならないのだと思うと、ポチポチゲーでも何でも俺の中では「いい経験をしたゲームだったな……」なんて、そんな感慨にひたる訳であります。

 人間、どんな部分に心動かされるかというのは自分でもわからないもんですな。

 モバマスが終了してもきっと俺の中にあるこういった感情は暫く残り、ふと誰かがモバマスの話をしたときはこの気持ちを思い出すんだろうな。
 そう思うと、結構それは幸せなことなんだろうな、などとおもいつつ、今回のサービス終了を見送っていこうと思います。

 オタクでよかったね!

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