紙飛行機に世界一周!お金だけではない“人生の投資”<後編>
20代の“投資思考”を育む「104(トーシ)コンソーシアム」。「20代104会議」の第3回が行われました。
今回は後半パートをレポートします。
104コンソーシアム運営メンバーによる投資的分析
Creative Project Base 倉成さんと、フリーアナウンサーの榎戸教子さんの講義を踏まえて、104コンソーシアム運営メンバーが投資的分析を行いました。
国際社会経済研究所 藤沢さん
「投資ってリスクがあると言われ、そのリスクがイヤだとみなさん言われますよね。お金の世界だとリスクを小さくするために、分散投資とか長期投資とかという話になりますが、お二人の話には「リスク」も「損をした」という言葉もありませんでした。また、リターンについても、自分にとってのリターンだけではなく、榎戸さんのように娘さんへのリターンといったリターンもありました。投資は目的から考えがちですが、投資した後に見えるリターンもあるんですね。つまり、投資から、知恵の力、思考の力で多様なリターンの福利効果を生み出せます」
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野さん
「お二人に共通しているのは、面白いこと、やりたいことをやってみようという発想。いわば“投資をやることが目的”なんですよね。榎戸さんは今まさに世界一周という投資をしていますし、倉成さんは若いころに紙飛行機に投資した。それ自体が目的だからリスクも出てこないのかなと思います。人生いくつになっても、やりたいことをやるという“投資”は大切です」
藤沢さんはさらに、「日ごろから知らないうちにリスクを小さくする行為をしているんですよね。人の話を聞いてどんなリスク管理をしているかを考えると、より自然に投資を考えていくことができると思います」とコメント。
リスクを小さくするためにやったこととして、倉成さんは「なくなっても痛くないお金を投じたことですかね。やらないほうがリスクだと思いました。20代だったので、エネルギーも時間も投じていました」と回答。
榎戸さんは「娘が5歳のタイミングがいいと思いました。小学校に上がったら実現しないかもしれませんし、いまだったらベッドも1つでいいなど、かかる費用も抑えられます。自分の好奇心に素直でいたいし、後悔しないように生きるにはどうしたらいいかを考えました。20代のころは何をやりたいか見えていなかったですね。そのときは貯蓄しかしていませんでしたが、何かやりたいときのためにお金をつくろうという意識でした。だから1年間の劇団生活もできたんだと思います」と話しました。
これらを踏まえて、藤沢さんから20代メンバーにアドバイス。
「人生の投資は『自分で決めること』がリスク管理につながります。自分の考え方でできる範囲でやるのは、お金の投資にも共通します。お金の投資に置き換えて、どのようにリスク管理をし、リターンの最大化に置き換えられるかを考えてみてください。人生の話からリスク管理の話に置き換えれば、仕事のヒントにもなり、“投資思考”は完ぺきになります」
20代メンバーによる「僕の私の非金銭投資経験をシェア」
続いて、20代メンバーによる「僕の私の非金銭投資経験をシェア」。
★学生時代の旅行。有名でない観光地に行くことを友達とのルールにしていました。他の人があまり行かないところに行くことが投資だと思いました。
★睡眠に投資しています。マットレスと枕は良いものを使う。睡眠のクオリティーが上がったことで結果として仕事のパフォーマンスも上がりました。
★高校時代をすべて部活に投資しました。3年間すべてをささげたので、思い描いていたキラキラした高校生活は送れなかったけれど、つらいこともこういうふうに変えられるという考え方ができるようになりました。
などたくさんの“非金銭”投資の体験が挙がりました。
今回も学びの連続だった2時間の講義を経て、ゲストの2人から感想も。
榎戸さん
「人生は何が役立つかわかりません。すべてが投資だと思います。大事なのは自分事にしていくこと。仕事がイヤだと思うことはあると思います。最初から息を合わせて仕事をするには、自分事で考えなければパワーは出ません! イヤイヤやるのはもったいない。どうやったら能動的になれるか、自分のスイッチが入るかを考えていくと、それがいずれ自分の財産、リターンになってくれると思います。生活の中に“好き”を取り入れて、すべての選択を自分事にしていってくださいね」
倉成さん
「このプロジェクトに参加して3年目ですが、とても面白いです。有形の投資も無形の投資も面白いということが意識的になりました。投資の概念って定義があいまい。無形の投資にポテンシャルを感じています」と語り、「人生はすべて投資である」と締めくくりました。
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