そもそも投資って何・・?
2021年5月、104コンソーシアムが立ち上がりました。
「104」は”とうし=投資”で、コンソーシアムは”異業種連合”。
そして、この主要メンバーは、様々な企業に所属する20代(一部30代も)。過去の常識に囚われずに、みんなで「投資」の定義をアップデートしようと活動を始めました。
今後、このnoteでは、コンソーシアムでの取り組みをエキサイティングにお伝えしていく予定ですが、今日は、note開設にあたり、設立企画から関わってきた私、藤沢久美がちょっと思っていることを書いてみたいと思います。
私が子供の頃からずっと思ってきたのは、「未来を知りたい」ということ。人間にとって死が不可避であるのなら、できることなら、自分が死んでしまった後の未来のことも、生きているうちに知りたい・・と、子供の頃は占星術の勉強をしたり、未来予測の数式を勉強したり・・そんなふうに過ごしてきました。そして、就職の際にも、未来を予測できる証券アナリストを目指して、投資信託の運用会社に就職しました。
ところが、28歳の時に、日本初の投資信託評価会社を起業をして、ふと感じたことがありました。それは、「未来ってもしかして、自分たちで創れるのかも?」ということ。そんな折に出会った言葉が、コンピュータの生みの親と呼ばれるアラン・ケイ氏の言葉。
“The best way to predict the future is to invent it”
未来を予測する最良の方法は、それを発明すること”
もうこれは天からの贈り物としか思えない言葉でした。ずっと未来はどうなるんだろうかと思い悩んできたけれど、未来って、私たちの一挙手一投足で変わっていく、いや、私たちが創ることができるということなのだと、実感したのです。inventという単語は、「発明」ではあるのですが、私としては、「創造」という言葉を使うほうがしっくりくるので、私の中では、「未来を予測する最良の方法は、未来を創造すること」と勝手に意訳しています。
この言葉と出会ってから過去を振り返ってみると、これまたいろんな発見がありました。例えば、起業するまでに、3社も転職し、毎回職場に対する不満を持っていたけれど、振り返ってみれば、その職場の課題も自分が動けば解決したかもしれないとか、投資信託を評価する会社は日本になかったけど、自分たちが起業することで、存在しないものが生まれたし、そのことは誰も予測なんかできなかったはずとか・・。動けば未来って変わるかも・・と思うようになりました。
そして、自分自身が立ち上げた会社の仕事として、社会に投資信託を普及させるという課題に取り組み始めた時、「そもそもなぜ、投資しなきゃいけないの?」という大きな疑問に突き当たりました。さらには、「そもそも、投資ってなんなの?」という疑問までもが頭の中を渦巻くようになりました。
インターネットがなかった当時、いろんな辞書で”投資”を意味する ”invest” という単語を調べてみたら、語源として、「ベストの中に、温めた石を入れて寒さから体を守ること」と書かれていました。もしかして、投資って未来に命をつなぐことなのかもと勝手な解釈をし、一人ひとりの人生、企業活動、社会の動きなどを観察していくと、いたる所に「投資」と呼べるものがあることを発見しました。
そして、いたる所にある「投資」の共通点は、ちょっとだけ違うことをすることから始まるようでした。現代風に言えば、いつもSNSに使っている時間を10分だけ英単語を覚える時間にしたり、いつもは言えなかった”ありがとう”を今日から必ず一度だけ言ってみることだったり、そんなことから未来は変わります。会社でも、予算の一部を新しいことに使ってみたり、兼業OKにしてみたり。
何もしなければ未来は変わらないけれど、何かすると未来は変わる。その何かが投資なんだろうと私は思うのです。私たちは誰一人、何もしないで今を迎えていません。必ず何かをして、今日まで人生を歩んできています。それら全部を投資という目線で見直してみたら、ものすごい学びとありがたい成長をいただいてきたことに気づきます。その学びと成長を確認せずに歩んでいくより、省みて感謝して、今度はちょっと意識して一歩進んでみたりしたら、未来は今よりもっと良くなるんじゃないかと思うのです。
だから、この104コンソーシアムで、私が20代の頃に出会った「投資」という言葉の解釈を、21世紀を生きる20代はどんなふうに解釈し、そして、アップデートしてくれるのか、私はとっても楽しみなのです。
*コンソーシアム運営メンバーたちの立ち上げの熱い思いや活動概要は、公式ウェブサイトやFacebookに記載されていますので、ぜひご覧ください。
Written by 藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク 代表)
http://kumifujisawa.jp/