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第8回20代104会議「20代の、20代による、20代のための、投資を促す⽅法 / もしも全てが投資なら、こんな新サービスがあり得る①」
第8回となる20代104会議も、いよいよ最終回。「20代の、20代による、20代のための、投資を促す⽅法 」「もしも全てが投資なら、こんな新サービスがあり得る」というテーマで、20名の20代に発表してもらった。
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今回も主催は「投資で未来を変えていく」ために活動を続ける異業種連合、104(トーシ)コンソーシアム。20代向けに『104(トーシ)会議』というイベントを毎月開催している。
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各回で通底しているテーマは『投資思考』だ。国際社会経済研究所の理事長、藤沢久美さんは「世の中『投資、投資』と言われているけれど、対象となるのはお金だけじゃない。ビジネスも キャリアも『全てのものにリターンがある』と考えることができる。それが究極の投資思考」と語る。
今回、20名の20代の方たちがプレゼンを行い、大人が選ぶ1位~3位、20代が選ぶ1位~3位、そしてForbes賞が 参加者の投票によって決められた。どのプレゼンもとても魅力的だったが、ランキングに入った20代によるアイデアをピックアップしてご紹介していく。
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・大人3位「トヨタ・コニック・アルファ / クルマに関する、新しい投資の形」
発表者は、自動車メーカーの葛藤に注目。「自動車が売れなくなっているこの時代だからこそ、車を愛している人の心をつかめるようなものを作る必要が出てきた」と問題を提起する。
じゃあどんな車を作れば良いのか?どうすればファンを増やせるのだろうか?スポーツカーをすぐに思い浮かべる人もいるかもしれない。しかし発表者は語る。「スポーツカーに乗るのは一部の人たちだけ。なのであまり解決策としては適切ではない」と。
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そこで 発表者が考えたのは、クルマファンの「情熱」「熱量」を投資して、新しいクルマを生み出す仕組みだ。ファンは情熱や時間やお金を投資して、メーカーからリターンを受け取る。値上がり益・配当金だけではない。普段は極秘である開発プロセスに参画をしてもらったり、通常は納品まで半年から一年を要する新車をすぐに買える権利などで、クルマを愛する人にとっては金銭以上に嬉しいリターンを得ることができる。
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・大人2位「パーソル ホールディングス / 株ギフト」
20代が投資をしない理由として、基礎知識がない、めんどくさい、などが挙げられる。発表者も29歳となった最近、初めて投資を始めたが「やらなきゃな と思って、5年くらい経ったりしてしまった」のだと言う。もっと早くやればよかった、とも。
必要なのは、早い時期から投資に慣れること。身近にあればもっと早くしていたのかもしれない。そこで発表者が考えたのは『株ギフト』だ。子供に株を送るサービスで、少額から送ることができる。
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例えば親が子供に投資の機会を与えることに使える。お金出すのは親だが、銘柄を選ぶことができるのは子供。「どこの株が伸びるか?」は子供が判断する。また、バレンタインデーにチョコを贈り合う文化を、投資の日(10月4日)に制定しても良い。10代のうちから投資が当たり前になっていくだろう。
懸念点として、リスクがある。大きな運用益が出ると子供の扶養が外れ、親の税金が増える点がある。また、株をもらいすぎると贈与税がかかるかもしれない。
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・大人1位「電通 / 贈る投資」
老後の不安、トップを占める要因は『お金』だ。最近では投資をうたった詐欺、「よくよく考えてみると ちょっと違うな」と思うような金融商品を購入してしまうトラブルも発生している。実際に60代以降の多くの高齢者が、お金をきっかけに、トラブルの被害を受けたことがあるという事実もある。
しかし 60代というのは、実はそんなに年寄りではない。実際に野球で言えば6回、これから面白くなる年代だと発表者は考える。そこで考え出したのが、還暦祝いに老後の資産形成を考える『贈る投資』だ。
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「お金の不安、還暦、親孝行、リテラシー、人生100年時代」というキーワードをうまくまぶした、まさに投資思考を体現したような提案だ。なかなか大人になってから親孝行をするのは難しいが、人生100年時代まだまだ先がある親にプレゼントをするというのは、社会全体を幸せにできるサービスでもある。
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リターンも分かりやすい。60代から新しく投資を始めるというのはハードルが高いが、子供からのプレゼントなら受け取ればいいだけ。金融機関としても親に商品を選ぶために、20代~30代の顧客から相談を受けたりとまさに三方よし。 投票により1位を獲得した。
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いかがだっただろうか? 20代のフレッシュな頭で出て来た発想は、どれもイノベーティブなものばかり。次の記事では20代が選ぶベスト3、Forbesの記事にもなったForbes賞の発表を記載していく。
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