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三者三様の講義に気づきの連続!第2回「投資思考~日本一短くて熱い投資の凄い授業×3」レポート<前編>

20代の“投資思考”を育む「104(トーシ)コンソーシアム」。「20代104会議」の第2回が行われました。

今回は前半の「投資思考~日本一短くて熱い投資の凄い授業×3」をレポートします。

3人の講師が15分ずつ、投資の授業をするというこの企画。3人は内容をすり合わせていないため、かぶる内容も出るかもしれないというワクワク感でいざスタート。

登壇したのは、三菱UFJ信託銀行の増田さん、三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野さん、Forbs JAPANの藤吉さんです。


★三菱UFJ信託銀行 増田さんの講義★

藤沢久美さんが作成された資料を基に、バランスシートを用いながら解説していきます。

「投資とは、××のために資〇を投じること」
〇に入る文字の参加者の予想は、資本、資源、資産、資金などが挙がりました。

「資本」は元手や原資になるもので、「資産」は価値を生む財産のことです。
元になる「資本」を投じて「資産」を生み出していく、これが投資ということになります。

例えば、「資本」を種として考えてみると、種は持っているだけでは花も咲かず、何も起きません。土に投じることで初めて、樹木が育ち、果実が実り、さらに果実からは種が取れて、その種が資本に戻っていく、といった循環が起きるのです。

つまり、投資とは、「ある対象に原資(資本)を提供して価値を生み出す財産(資産)に変換する」ことです。

××=自分、とすると、
「資本」が命、時間、お金ということになります。
例えば、時間を仕事に投じたら、お給料や知識、人間関係を生み出す資産になっているかもしれません。
自分の「資本」と自分が生み出す「資産」の関係を考えてみると、人生は「投資」と考えることができます。

続いて「投資にはリスクがある」という考え方について。
「リスク(risk)=危険」と捉えがちですが、危険と聞くと「 デンジャー(danger)」を一番に思い浮かべると思います。では、なぜ投資の世界では「リスク」という言葉が使われるのか。

二つの言葉には大きな違いがあります。
リスクは、人間が意思を持って行動したときに起きる、大きさがだいたいわかる危険。
デンジャーは、人間の意思や行動に関係なく起こる想定外の危険。

つまり、投資のリスクとは、投資をして初めて起きるものであり、危険の大きさがある程度事前にわかるものなのです。
リスクという危険は避けられないけれど、小さくすることはできます。
これをリスク管理といいます。

人生が投資だとしたら、リスク=生老病死。
この生老病死に対して日々行っているのが、健康のリスク管理です。

健康のリスク管理とお金の投資のリスク管理を重ねると、バランスの良い食事は「分散投資」、毎日の運動は「積立投資」、継続的な健康管理は「長期投資」と置き換えることができます。これは、日ごろからやっていることですよね。
私たち自然にリスク管理やっているので、お金の投資の時だけ特別にリスク管理って構える必要はないんです。

最後に「投資にはリターンがある」ことについて考えてみましょう。

自己投資のリターンは、自己成長、社会への貢献などが挙げられます。株式投資で考えると、会社に資本(お金)を投資して資産にして、お金、社員や取引先の成長、社会への貢献などのリターンが得られます。
このように、リターンというのは一つだけではなく、様々な種類があるということです。

投資には有形無形の無限のリターンが存在します。何がリターンか、どんなリターンを得たか自覚するかしないかでリターンの大きさ、成果は変わってくると思います。

知恵・信用・時間・関係・お金といった資本を、どんな資産に変えて、どんなリターンを生み出していくのか、皆さんも考えてみましょう!

★三井住友トラスト・アセットマネジメント 上野さんの講義★

投資とは、将来のリターンを得る目的で金銭などを投下することです。
消費とは、今必要なもの・サービスに金銭などを投下することです。ちなみに必要ないものに金銭などを投下するのは投機といいます。

投資とは、投資先と一緒に利益を享受するもの。投機は自分だけが儲かるものです。
投機は持続的ではないことが多くハイリスクになりやすいです。

日本人は世界で比べても圧倒的に投資をしてきませんでした。

それはなぜか。損失回避性といって、利益を得るよりも損失による苦痛のほうが大きく感じるからです。

なぜ日本人が損失回避の傾向が強いかというと、日経平均株価の推移をみるとわかります。1989年のバブル期の影響が大きい。バブル崩壊を経験し、リスク資産に対する回避度が極端に高まりました。デフレ下ではそれでもよかったが、今後インフレ経済になったとき、安全資産は安全ではなくなります。つまり、インフレ下では、お金の価値は目減りするのです。

日本経済はいま、インフレに近づいています。それが正常な形です。

★Forbs JAPAN 藤吉さんの講義★

人間には3タイプあります。

1. 貯蓄さん…不安を解消するために貯め込む。さらに危機が起きると貯めに走る。不安のループ。

2.投機さん…一か八かの運任せ。思考の時間軸は短い。

3.投資さん…投資でもっとも重要なことは自身が納得していること。時間軸が長期。つまり人生。長期の時間軸に成功も失敗もない。成功への学びと思えば失敗も失敗ではない。目標の山頂にのぼったら想定外の景色が広がっている可能性も認識している。俯瞰的な視点を持っている。

幸福感や楽しさを実感できる人たちとして、Forbs JAPANで取材した3人の事例を紹介します。

■朝倉祐介さん(起業家)
お金の本質は自分の価値や体験の価値を上げるための道具。
ファイナンスと人生は同じ論理で回る。日本人はゼロリスク信仰が強い。リスクは悪いものではなく期待値の揺れ幅。大きければリターンも大きくなる。リスクをゼロに抑えてしまうとリターンもゼロ。

■笑い飯・哲夫さん(漫才師)
学生時代にギャンブルで借金。困ったときに貸してくれた人がいた。二度と借金をしたくないので自分の時間があればできるだけ稼ぐことに使う。ある程度たまったらたまった分を使う。後輩芸人にも無利子でどんどん貸す。お金には固執しない。お金はツールにすぎないから。
お金はサービスも超えた理念とか考え方の仲立ちもしてくれる。

■井村俊哉さん(元漫才師)
2023年に資産50億円に到達。お金に関心がなくアルファを見つけることが最大の喜び。ほしいものはなく酒も家族旅行もしない。自分のためだけに運用していたが社会の公器としての運用に。利益を社会全体で共有することが目標に。

3人の話から、「投資は生き方であり、人生そのもの。生き方が現れるものである」と考えることができますね。

由佐美加子さんの書籍「お金の不安と恐れから自由になる!」から。
――人生は不安とともにある。受け取り、与え、求める循環を繰り返すことで不安の小ささに気づく。お金は体験の機会を与えてくれるものだ。時間に振り回されず、長い時間軸で旅するように考える。日々のすべての消費を投資だと思うことが投資思考。

と締めくくりました。

これらの講義を受けた後半の「あついQ&Aタイム」のレポートは次回!

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