104コンソーシアム初のオープンイベントが「マジか!?」の連発だった
誰もが人生のヒントを求めている。情報が溢れている昨今では、色んな価値観に触れて「これいいな」と思い、「やっぱり違ったな」と感じる。これの繰り返しではないだろうか。
そんな中で目につくのが「投資」という言葉。確かにお金はあった方が、人生は豊かになりそうだ。とはいえ投資と聞くと、どうしても危ない印象を受ける。そもそも、どの銘柄を買えば良いか分からない人も多いだろう。
しかし実はこの投資こそ、毎日をワクワクして過ごせる秘訣なのだ。
2022年11月25日に東京証券取引所で、あるイベントが行われた。主催は「投資で未来を変えていく」というビジョンを持つ、104コンソーシアム。「投資の本質についての理解無しに、投資教育を進めるこの国はやばい」と思った金融機関ほか大手企業が集まって、未来を担う20代と投資思考を学ぶ異業種連合だ。
イベントのタイトルは『マジか !? 自分が知ってる投資と違う』。これがタイトルに負けず劣らず 、本当に投資に持ってるイメージや知識をガラリと変えてくれると好評なイベントだったのである。
生きるヒントが盛り沢山のイベントの内容を、3回にわたって共有したいと思う 。
藤沢久美さんが教えてくれた「マジか!?」
イベントの一部は、日本一短くて熱い投資の授業。ゲストは国際社会経済研究所の理事長、藤沢久美さん。かつて彼女が104コンソーシアムで授業をした際、「15分なのに投資がすごく分かって面白い」と大好評だった伝説の授業を再現したものだ。
申し込み数はなんと760名。年代は20代が多いものの、もちろん他の年代も。投資に対する興味の高さがうかがえる。
藤沢さんの唱える「投資思考」では、投資とはお金を儲ける[5] ことだけを定義するわけではない。時間や命など、人生における全ての投資も意味するらしい。 これは一体どういうことなのか? 具体的に何をすればいいのか? 藤沢さんの授業の言葉を借りて、解説していく。
1.投資って「こうしたら儲かりますよ」みたいな話でしょ?
「違います。そもそも人生自体が投資です」
投資とはある対象に原資を提供して、価値を生み出す財産に変換すること。例えば農家なら「種」を植えて、「樹木」という財産に変換し、「果実」を生み出す。そういったことの繰り返しだ。 藤沢さんによると、人生も同じだという。
例えば貸借対照表(バランスシート)を思い浮かべていただきたい。自分を投資の対象、原資だとすると? 資本(投入するもの)は時間、お金、生命。資産(価値を生み出す財産)は趣味、仕事、貯蓄、勉強になってくるとのこと。こう考えると、投資とは「何々の株を買えばいい」とか「投資信託を買えばいい」とかそういうものばかりじゃないということがおわかりいただけるだろう。
2.投資にはリスクがあるんでしょ? 危険(danger)でしょ?
「いいえ。実はリスクとデンジャーは大違い」
デンジャーとは人間の意思や行動に関係なく起こる、想定外の危険を意味する。例えば天変地異など。一方でリスクとは、人間が意識を持って行動した時に起こる大きさが予測できる危険 。
予測できるという点でも、人間の意思や行動に関連して起こるという点でも、二つは大きく異なる。リスクという危険は避けられないけど、概ね予想はつく種類のもの。つまりリスクは小さくできるのだ。
じゃあどうすれば、リスクを少なくできるのだろう?
人間にとって避けられないリスクは、生老病死。病気になりたくなかったら、バランスの良い食事、毎日の運動、継続のための健康管理が必要であることは周知の事実だ。「これって分散投資、積立投資、長期投資と同じでしょ?」と藤沢さんは語る。
3.投資のリターンってお金でしょ? いくら儲かったかでしょ?
「それだけではありません。投資先は株だけじゃないんです」
例えば、自分への投資。仕事に時間を投資することで、スキルが身についたり、社会に貢献できたり、素晴らしい仲間に出会えたり、自分の成長だけでなく、様々なリターンを得ることができる。
つまり投資とはお金に対するものだけじゃない。自分であったり、趣味であったり、子供であったり。お金だけじゃないリターンをどんどん増やしていくと、社会も豊かになっていく。このような投資思考を頭に置いておくと、きっと素敵な未来が待っているし、素敵な社会を作っていくことができる。
一度自分の人生を見直してみて、どんなリターンが欲しいのか、考えてみてはいかがだろうか。