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第6回20代104会議「20代のみなさん、教えて!いまの20代はどうなってる? + 20代に投資を促す方法ワークショップ」①

2023年1月25日、都内某所で『20代に投資を促す方法ワークショップ』が行われた。 主催は「投資で未来を変えていく」ために活動を続ける異業種連合、104(トーシ)コンソーシアム。20代にヒントを与えてくれる『104(トーシ)会議』というイベントを毎月開催している。

今回で第6回となる104(トーシ)会議

『20代に投資を促す方法ワークショップ』と言っても、そもそも『20代』は何を考えているのだろうか? 多様性が進む昨今、上の世代に限らず、20代も全体を把握するのは難しいのではないだろうか。
 
そこで、まず「今の日本の20代はこうなっている」という洞察について、7社の20代に発表してもらった。人材系に勤める方は働く意識、金融系の方は投資の傾向……といったように、それぞれ色が出ていて興味深い。

1.デジタルネイティブ

まず、自ら触れる媒体が紙からデジタルになってきたという。物心ついた頃から「新しい製品が出てくるというよりは、既にある製品がバージョンアップされていく」という環境のもとで育ってきたと発表者はいう。商品やサービスの使い方を迷った際は、自分で取扱説明書を読むことはあまりしないのだという。それよりも、どんどん触っていきながら、対象物へ親しみを持っていく。どうしてもわからない場合は動画で調べることもあるのだとか。

「自分が使ったことのないものでも、ある程度答えることができる」って面白い。

次に情報媒体の変化。上の世代は、ラジオ・新聞。テレビのように、一方的に情報を受信するばかりだった。しかし20代は対照的に、SNS などを使って情報を発信する側にまわっている。 Webで無料の情報を集めることもできる。 有料コンテンツへ足が遠のいていることも特徴だという。

2.はたらく意識

転職サイト 『doda』のデータを元に、詳細なレポートとともに説明してくれた。

まず20代が仕事を選ぶ際に重視しているものは「スキル/知識、社会貢献、教育制度」。 これらは最近、顕著に上昇している。一方で減少しているものは「休み、人間関係、収入」。確かに一昔前の企業が売りにしていたものって、後者の3つだったかもしれない。

次に、転職への意識について。20代は、なんと社会人一年目から既に転職について考えているらしい。一年目のうちに転職サイトに登録する傾向があるのだという。転職サイトの登録者も、ここ10年間でなんと26倍にまで伸びている。

グラフで見ると、改めてすごい

これまではキャリアを積んで昇格や昇進を目指す、企業持続型の会社が多かった。一方、いまの20代は転職や副業も視野に入れている。だから企業に育成環境があるか? 市場で通用するスキルを身に着けるための裁量があるか? という点が重視されるようになってきているのだと言う。

昔は就『社』、今は就『職』

余談だが、社会人一年目で転職サイトに登録する『数』は伸びているものの、実際に転職をした率は横ばいだという。実行に移さない理由が何かあるのかもしれない。

3.ひとくくりにできない

「ひとくくちにできない」については同じ企業に勤めるお二人が、4つの項目(テレビ、結婚、 TikTok、 お金持ちになることへの欲求)を基に分析。 それぞれの項目について意外と二人で意見が分かれるシーンが多かった。
 
テレビが大好き!という意見に対し、会場では「家にテレビがない」という声もちらほら。 唯一二人で意見が合致したのは、TtikTokについて。なんと二人ともやってないのだというから驚き。 TikTok は10代が中心なのだろうか。

お題がおもしろい!

「お金持ちになりたい?」という問いに対して、意外にも片方の発表者の答えは『NO』。「なりたくないわけじゃないけど……お金持ちになるための努力を、もっと別のところに使いたい」と語る。分散投資のために、意識も分散しちゃうのが嫌なのだと言う。20代とは、一括りにできない世代なのかもしれない。

タイパ=タイムパフォーマンス、らしい。

4.ワークライフバランス

今の20代は「ワークライフバランスの言葉の定義が、上の世代とちょっとずれてる」と、指摘。ワークとライフという言葉が二項対立になっていて、片方の時間を使っている時は、片方の時間を使えない。上の世代はそう考えている傾向があるのだという。

たしかに「バランス」だもんね。

上の図ではワーク=組織、ライフ=個人という風に置き換えて考える。しかし20代は、そう考えない。ライフは人生で、その中にワークがあるのだという。

「ワークというのは、組織の中に閉じこもっていなくてもできる」と語る。リモートワークや副業解禁の会社が増えてきて、この考え方も20代以外の層にも当たり前の考えになってきている。
 
一方で会場からは「フリーランスが増えてきたからこそ、企業に属する良さも出てきたかも」「フリーランスもフリーランスで、『良いよな』と言われるのも辛い」 などフリーランスとしても難しさを語る声も出ていた。

5.合理的

発表者は「とにかく合理的になっている」という。
例えば、車。車は24時間使うものではなく、一家に一台必ずなくてはいけないものでもない。使える時に使えればいいや、という考え方からカーシェアの利用が、なんとここ10年で5倍までに伸びている。また、コスパというキーワードを検索される回数も多くなった。

街中でよく見かける、カーシェアのパーキングやステッカー

これは20代の処分所得の減少もあるだろう。最近戻りつつあるが、20代はお金がない。だからこそ合理的にならざるを得ないのではないか、と発表者は分析する。

インフレも原因のうちのひとつ

コストパフォーマンスの他に、タイムパフォーマンスを重視したサービスが人気だ。具体的には、証券会社ならネット証券。手数料も安く、家でスマホで完結する。映画や YouTube を見る時は、倍速再生で。効率的に豊富な栄養素を摂ることができる『BASE FOOD』などのパンもよく見かける。
 
「今の20代って忙しそう。 情報が多すぎて、合理性がないと処理しきれないのかも」という声も会場からは上がった。

6.推し活地獄

発表者は金融専門を生かした金融関係……と思いきや、なんと『推し活地獄』! ご自身のお知り合いに該当する方がいるのだと言う。

一度に一回は出てくる、パワーワード

推し活とは、推しへの貢ぎがどんどん増えていき、ギリギリ生活できるくらいまでつぎ込んでいくこと。貯蓄や投資なんてもちろんできない。チケットの購入や良い席に行くための金額は、青天井だからだ。
 
実は8割のZ世代には推しがいる。会場でも「誰か一人というわけではないけど、韓流ドラマが大好き」という声も上がった。

推し対象にYoutuberがあるって、今っぽい

「未来なんかのことより今を考えたい」という傾向はある意味20台らしいのかもしれない。趣味を楽しむことが重視されていて、未来より大事になっていることの象徴といえよう。推し活が明日への活力になるのは良いことだが、投資できる分を残しておいて、残りを推しへまわせるとベストかもしれない。

7.横並びバイアス

まず20代の証券投資への考え方について。若年層の投資への関心は高くなってきている。図表から分かるとおり、投資をしたことのある人の割合は目に見えて上がってきている。

世代別にみても、二十代が顕著

一方で金融リテラシーが同じように伸びているかと言うと、そうでもないのだという。これは下の図の客観的評価と自己評価のギャップから判断している。客観的評価は金融知識の問題を解いてもらい、採点によって計測された。

このギャップは若年層が一番大きい。お金の使い方や金融知識について、わかったつもりになってしまっているのだ。

よく分からないまま商品を買っている

原因として、横並び行動バイアスが高いことが推測される。20代は「あの子がやってるなら」という 同調性思考が他の世代よりも強い傾向がある。SNSを鵜呑みにしてしまうことも要因の一つとして挙げられる。「周りがやっていると焦ってしまうかも」という声も会場からは聞こえた。

「若い世代だけじゃなくて、今のご時世もそうなのかな」という感想も。

今回は7社の20代たちが感じる『いまの20代はどうなっている?』を、お送りした。どの発表も今日のためだけに、よく出来た資料を作り込んでくれていた。洞察も理路整然、明確であって、20代のポテンシャルの高さを感じずにはいられない。

 次回以降は他の11名が感じる『これは今の日本の20代を表しているな』と思うものについて発表されたものをお送りする。後に本題の『20代に投資を促す方法ワークショップ』ついても解説していくので、ぜひフォローをして見逃さないで欲しい。

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