投資周りのNOWなTOPICを一気に知る120分
皆さん、こんにちは。
今回は、運営メンバーの合田(ゴウダ)が、第4回目についてレポートします。
第4回のテーマは「投資周りのNOWなTOPICを一気に知る120分」と題し、前回とは打って変わって、金融にフォーカスした内容。
金融投資の近時のナウい(死語?)トピックスを20代の参加者にお伝えし、投資が持つ経済的な側面以外の顔を知ってもらい、より投資に関心を持ってもらうことが今回の目的。
それでは早速レポートしていきます。
まずは、冒頭で運営側から、三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野さんによる、金融の歴史を振り返る講座。新しいことを知るためには、まずは歴史のお勉強からスタート。温故知新。
冒頭で日本(東京)とアメリカ(ニューヨーク)の過去の株価推移の説明。
日本は、バブル経済期の1989年12月末に38,915円という最高値を記録したが、その後に下落、多少のデコボコはあるものの、今日現在も当時の水準に回復していない。
一方で、アメリカはというと、基本的に右肩上がりで、現在も過去最高水準を更新中。見比べるとその違いは一目瞭然。
上野さんによると、1989年の世界時価総額ランキングにおいて、トップ10のうち日本企業が7社を占めていたが、2021年現在は、日本企業は0社、代わりに、アメリカ企業が7社を占めているとのこと。あのトヨタ自動車ですらトップに入っていない。
バブル崩壊により日本では投資が減退し株価が低迷し続けた裏で、米国では投資が活発になり、GAFAに代表されるような比較的新しい会社が台頭、その結果が日米逆転という結果に、如実に表れている。
最後に上野さんが言う。「投資には企業の価値ひいては国力を上げる力がある。それを覚えておいてほしい。」と。私たち一人一人の小さな投資が、束になれば、国全体の底上げになるということだ。そう聞くと、自分たちまた次の世代の人たちのためにも、投資が必要なことが実感できる。
ちなみに、日本の株式市場に、最高値を付けたあたりから毎月5万円投資したら、1900万円の元手が3,594万円になるそうだ。株価は回復していないけど、長期に亘って投資することで、株価変動を平準化しプラスに働くらしい。この方法であれば、少額でも投資できるしまた投資結果も出せそうだ。
上野さんに続いて登壇したのは、信託銀行4社からの20代参加者。金融機関で働く20代が、ちょっと小難しい金融の話を、わかりやすく他の20代参加者に伝えてみよう、という試み。
取り上げるテーマは、「バブル」「リーマンショック」「最近の話題ESG投資」。また、自分たちが働いている「信託銀行」についても説明してもらった。
説明者は、5分の持ち時間を、思い思いのプレゼン資料を用いながら、自分の言葉でわかりやすく伝えようと、アノ手コノ手を繰り出していたのが印象的。
例えばドラえもん。誰もが知る国民的アニメの登場人物に例えて、説明している者もいた。私は20年近く金融の世界で働いているが、ドラえもんの例は初めて聞いたので、斬新だった。
また、別のプレゼンでは、映画好きなのか、映画のセリフを織り交ぜながら説明する者もいた。
少し古い映画なので、20代の人たちにどこまで伝わったかはわからないが、私をはじめ運営側の年配層にはストンとくる説明だった。
4人の説明に対しては、20代の参加者からも、「よく理解できた」「わかりやすかった」と上々の評判であった。自分だったら、ここまでの評価を得られただろうか。
どうしても金融で働く人たちは難しく専門用語で説明しがちだが、これでは専門外の人には伝わらないはずだ。どうすればわかりやく伝わるか、20代の斬新な説明を聞いて、あらためて考えさせられた。
次に登壇したのは、三井住友信託銀行の稲葉さん。
投資のナウいトピックである「ESG投資」の専門家である稲葉さんから、ESG投資をわかりやすく説明してもらい、投資の社会的使命・役割を20代参加者に実感してもらうことが目的。
最近よく耳にするESG投資、何と全世界では3,800兆円という規模になっており、ここ4年間だけで1,300兆円も増えているそうだ。そのうち約8割は欧米であるが、日本でも、7年前は0.7兆円程度だったものが、2020年に330兆円へと急拡大しており、存在感が高まっている模様。
とりわけ、昨今は、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)のうち、気候変動が最注目テーマとなっており、この分野での投資が拡大しているらしい。
投資による社会的価値の創出という考え方は以前から存在していたが、今は第三世代に属しているとのこと。これまではESGにも配慮するという考え方であったが、今は、「インパクト投資」といって、経済的価値に並び、社会に対するプラスとなる「ポジティブインパクト」の拡大、マイナスとなる「ネガティブインパクト」の抑制、を追及することが主流となっているそうだ。
インパクト投資の投資家は、企業とのエンゲージメント(対話)や議決権行使を通じて、企業に行動を求めるのが特徴で、例えば、化石燃料から再生エネルギーへの切り替え促進、新疆ウイグルの人権問題への配慮、などの事例が紹介されていた。
ESG投資が広まる中で、企業は行動しないと投資家からの投資を得られないし、株主から経営に対してNOを突き付けられてしまう。
「投資家の力が非常に強まっており、投資は社会を大きく変えていく力を持っている」、
と稲葉さんは投資の力を20代に力強く説明していた。
このメッセージは、参加していた20代に強く響いたのではないだろうか。
このあと20代はブレイクアウトルームへ。今日の講義を踏まえて、自分たちでNowな投資を話し合い、シェアしてもらった。
20代からは、自分たちがしている金融・社会・自己成長・趣味等、様々な投資の事例を紹介。
この後、中野さん・藤沢さんから、ご自分の中でのNowな投資と全体総括コメントがあり、第4回は終了。
ちなみに、中野さんは以前からインパクト投資に注目されているそうで、藤沢さんはアフリカのスタートアップ企業への投資に目下関心が高いそうだ。
私のレポートは以上になります。
なお、次回は大物ゲストを招いた神回です。
次のレポートを乞うご期待!