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投資思考 - 日本一短くて熱い、投資の凄い授業 x 3 〜 20代104会議2回目レポート

104consortium 発起人、三菱UFJ信託銀行の塩谷さんからバトンを受け取り、今回はこのコンソーシアムの「お手伝いさん」こと、倉成が開催の模様をレポートします。

さて、いよいよ、この2回目から、レクチャーの本番が始まりました。

(ちなみに、開催日は6月28日。)

このコンソーシアムにずっと通底するものは、「お金だけでなく、無形のものも投資」ということではありますが、レクチャー1回目ですから、お金にまつわる投資についてから始めた方がわかりやすいだろう。

そう運営サイドの皆さんと話しつつも、しかし、その始まりをどこからやるか、そこが考え所でした。

相手は投資をしている人もいれば、していない人も混在する20代。しかも、金融業界からも、非金融業界からも集まっている。専門的だったり、技術的だったりしすぎても困る。

そこで、ちょっと思いついたことがあり。
身内で、藤沢久美さんを相手に、テストをしてみました。
身内と言っても大御所ですが。
zoomでいきなり、こう聞いてみたわけです。

「藤沢さん。今から10分で、僕に投資の授業をしてください。」
「ほー、また突然ですね。」と言いながら、藤沢さん、動じない。
「わかりました。じゃあ、いきますよ。
 まず、倉成さん、投資って…
 (後略)」

今はここで止めておきますが、
この10分の授業が、シンプルで、本質的で、とっても面白かった。

こんな感じで、投資のプロが、数人、超ショート授業を乱発してくれたら、
短くて、すごく濃い、かなり面白い時間になるんじゃないか。
よし、これを20代に提供しよう。

そうやって、迎えたのが、この2回目、だったのです。

タイトルは、ズバリこれ。
「投資思考 - 日本一短くて熱い、投資の凄い授業 x 3」

x3ということはつまり、3人にお願いしました。

その講師とは、
ウェルスナビCEOの柴山和久さん
セゾン投信会長の中野晴啓さん
ソフィアバンク代表の藤沢久美さん

投資といえばお名前がすぐ挙がる、こんな超一級!のこのお三方に、
お一人15分で投資の授業をしてもらえる、

なんて贅沢な授業。

(上では10分と書きましたが、せっかく来てもらうので、15分でお願いしました。それでもはじめは、たった15分!?と最初言われたが、そこをなんとか)

それ以外にももう1つルールを作ったのがこれ。
3人とも、当日まで、何を話すか示し合わせないこと。
つまり、ぶっつけ本番でやってもらいました。

話が被ったとしても、それもOK。
とにかく予定調和を避けることが大事だから。
やる方も、聞く方も、ドキドキしながらやった方が、絶対に作ってる感じがするから。

そうやって、3人に話してもらいながら、
その間、20代からはzoomのチャット欄に、
感想やら、合いの手やら、質問をどしどし書いてもらっておいて、
終わったら即、質問する、という流れで進行しました。


まず一人目、ウェルスナビCEO柴山和久さんの投資の授業15分。

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内容をかいつまんで書くと、
・「投資」とは、豊かな未来を創造するために資源を投じること

・少し詳しくすると、投資とは、
 目先の見返りよりも、将来の大きな成果のために
 リスク(不確実性)を理解した上で、資源(お金や時間)を投じること

・そのための3つのルールとして、
 ルール1:現在から過去を見るのではなく、現在から将来を見て、実現可能性を評価する。
 ルール2:短期ではなく、長期的に成果が得られるものに投資するよう意識する
     (人間の脳は短期的なものに反応しがちだから注意) 例:sns
 ルール3:若いうちは、自己投資を。

 と、投資とは?&そのための大事なルールをお話しいただきました。
 エッセンスが、濃い。


続いてお二人目、セゾン投信会長中野晴啓さんの投資の授業。
これももちろん15分。

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中野さんは、ホワイトボードに図式を書くスタイルで、その内容は、柴山さんと全く違うアプローチで「金融メカニズムの変化」からの投資についての授業。

まずは、金融の本質のお話。
・「余ってるところから、不足しているところ(必要な人)へ」お金をつなぐ。それが金融。

・そして、なぜ今投資か?それは金融メカニズムが変わったから。
昔は、「生活者が銀行に預金し、銀行が日本経済に融資という形でお金を回し、
日本経済から金利という形で銀行へ、銀行から利息で生活者へお金が戻る。」
その循環だった。

それが現在はうまく行かなくなり、
「生活者から投資信託がお金を預かり、日本&世界経済へ投資し、
 そのリターンを配当という形で生活者へお金を戻す。」

つまり、本質的には一緒だけど、
「貯蓄から投資へ」という違う回し方が必要になったんだよ。と。

・そして最後に「21世紀日本の活性化の鍵は、僕たちのお金、行動力にかかっている」
 という熱いメッセージをいただきました。


そして、最後3人目、藤沢久美さんの15分の投資の授業。
これがまさに、最初に書いた、僕がお願いしてやってみてもらった授業でした。

投資の投は投げる。では、資は何?

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その問いかけに、20代にチャット欄に書き込んでもらいながら進みます。
(さて、あなたの答えは?)

正解は資本。
投資とは「ある対象に資本(原資)を提供して、価値を生み出す財産に変換してもらうこと」。
そんな風に、藤沢さんの場合は、「投資」の言葉の意味の解読から始まりました。

そして、面白いのが、「人生は投資」と話されて、
普段の生活でやっていることを、投資とつないで教えてもらうくだり。

例えば、健康で言えば、分散投資なんかも、みんな毎日やっていると。
なぜならば、バランス良い食事がそうである。
30品目食べるのが良いというのは分散である。。
毎日の運動は積立投資と言えるし、継続的な健康管理は長期投資であると。

(テストでやったときは、結婚は投資、なんて話もあったがそれも面白かったなあ)

     
そんな具合で、投資のプロ中のプロに、15分 x 3 で教えてもらって。
これはもう、本当にその場に居合わせて良かったと思いました。

当日僕はファシリテーターだったから、3人の話がもろ被りだったらどうしよう、なんて内心、当然、思っていたけれど、三者三様。

同じ山を登っているとはいえ、全く違う登山口からの登頂で、
全く違う景色を見せてもらえてとても良かった。

そんな話を聞いた後に、オンラインで参加の20代からたくさんの質問をもらい、
例えば

Q、(長期投資について)だいたいどれくらいの長さを長期って言うんでしょうか?

Q,金融の世界でよく見る問いですが、先生方にお聞きしたいです!「今10万円もらえるか、1年後に11万円もらえる」としたら、どちらを選択しますか?時間、リスクなどいろいろ考慮すべきことがあって、何気に難しい問題だと思ってます。

Q,健康管理として生命保険はみんな入っているのに、投資はなぜ広まらないのでしょうか。NISAとかiDeCoとか制度作りは広まっているのに浸透していないのが不思議な思いをしています。。

Q, :講義によって投資の本質はポジティブ、前向きなものだと伝わってきたものの、やはりリスク=ネガティブなイメージが広まってしまっているなと思います。どうしたら変えていけるでしょう?

Q,自己投資の評価の仕方は?

Q,おすすめの投資の本は?

Q,分散、積立、長期の優先順位は?

などなど、この質問にリアルタイムでお三方に答えてもらいつつ、議論もしつつ、「投資思考」について双方向で深めていきました。

このやりとりについても、どこまでも書いていきたい気になってしまうくらい、投資に対しての好奇心と、知的好奇心をくすぐられる時間で。これを見て面白いと思った方にはやはり、参加してもらうしかないですね。。

最後に2つだけ、この日の個人的にメモったポイントご紹介したいと思います。

1つ目は、柴山さんの若いうちに自己投資をした方がいい、と言うスライドとともに説明された言葉。

「自分の成長は、世界の成長よりも期待リターンが高い」

経済成長率は年に3-4%、資本のリターンは年4-6%、だけど自己投資のリターンは数百%!
なるほど。確かに。これはとっても素敵な言葉だなと思いました。数百%どころか、無限大ですからね。

2つ目は、藤沢さんが紹介されたリスクに関する小考察。
投資にはリスクがあります、とよく言われ、リスク=危険と訳されるけれど、同時に、危険はデンジャーとも訳される。この2つ、どう違うの??

デンジャー=人間の意思や行動に関係なく起こる想定外の危険(天変地異とか)
リスク=人間が意思を持って行動したときに起きる、大きさがだいたいわかる危険
リスクという危険は避けられないけど、概ね予想はつく。
つまりリスクは小さくできるんだよ。と言う話。

投資では、本来「不確実性があります」と言うことを言いたくて、リスクという言葉が選ばれているはずで。そのために、あまりにもネガティブなイメージがついてしまっている。

元コピーライターの僕としては、その説明の言葉を、もっと的確な、できれば日本語に直すことで、誤解なく、投資について多くの人に経験してもらうことができそうだな、とチャンスの兆しを感じたりしたわけです。

こんな2時間を隣で聞かれていたForbes JAPANの藤吉編集長曰く、

「若いときに聞いとけばよかった。投資は、時間と計画ですよね。反省することしきりで。早く教えて欲しかったなあ。」

全く同感。参加した20代はこんな話をこんなに若い時から、聞けて羨ましい。そして、お三方の言葉から、そして投資について語る時の表情から、「投資って、ワクワクするものだよ」と教えてもらったのが、一番の収穫、だったんじゃないでしょうか。

これがまだレクチャー1回目とは。
未知の投資の思考や知恵との出会い。楽しみです。


(最後は、いつもお決まりの、右手で1、左手で4、顔を0に見立てて、
 「ハイ104(投資)」のポーズ。)

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