できる事とやりたい事
できる事は増えていく
多分、人は経験を積んでいくと、できる事は増えていくんだと思います。ちょっとづつ経験は積み重ねられていくので、自分ではあまり気づかないような事かもしれません。でも、大学を卒業してすぐの時と比べてみれば、圧倒的に今の方が知識や経験があるのは間違いないと思います。
何の自慢にもなりませんが、私はこれまで7社ほどで働いた経験があるので、色々なタイプの会社の業態や仕事の仕方を知っている方だと思うので、ある意味これもスキルかもしれません。本当に会社によって同じ業種でもやり方は全く違ったりすので、そのあたりの弾力性みたいなものは、身に付いたかもしれません。
コロコロと会社が変わっているという印象を与えることもあるので、この事の良し悪しは自分ではわかりませんが、過去は変えられないので、これも自分の経験として活かしていくしかないですね。
やりたい事は減っていく?
誰でも新人のことは”できる事”はそれほど多くないのは当然ですが、代わりに”やりたい事”はいっぱいあったような気がします。知らないからこそ、何かを知りたいという意欲は高かったと思いますし、身近にいる”できる人”を目標にまずはその人のレベルに近づけるように頑張っていたような気がします。
できる事が増えていくと、ある程度軸ができてくると思うんですが、このできる事がやりたい事を阻害していく気もしています。特に転職する時などに顕著になるんですが、やはり自分をそれなりの価値をもって売り出そうと思ったらやってきたことがベースになるので、”できる事”を明確にすることになります。30代とかになってくると、ある程度の即戦力感は求められるので、”やりたい事”をそぎ落とし、”できる事”をクローズアップしていくことになります。職務経歴書なんかその典型例で、いかに”何ができるか”を明文化していく作業だと思っています。
そうなると、”やりたい事”は極力自分の中に留めておいて、いつかその機会が来る時を待つという感じになってしまいますね。
でも経験を積む中で、自分の中ではどんどんやりたい事が増えている感覚があります。新人の時の好奇心とは違って、その時には知らなかった事をしったり、知らなかった仕事をしてみたり、知らなかった国にいったりと、何かを知ると更にその先が知りたくなって、こういうやり方があるんじゃないか?とかこういう事ができるんじゃないか?とか思います。
なので、”やりたい事”は継続して蓄積中という感じです。減るどころか、増えていってしまっていますね。
個人だけではなくチームにも言える
これって結構チームの問題にも言えるような気がしています。
ある程度業務が固まっている、人の動きもないようなチームだと、やれる事をやることに何か満足感が出てきて、やりたい事とか新しい事が生まれなくなるという事もあると思います。
それ自体が良くないという訳ではなく、あくまで個人的な感覚ですが、”できない事”が無いという状況は、完璧な組織に見える半面、逃げの組織になるのではないかと思っています。
個人に置き換えるとすれば、「完璧に見える人=逃げの人」という感じでしょうか。逆に言うと、”逃げ”でやり切れる人はホントにすごい人かもです。
バランスですかね?
自分が凡人だとすると、ちょっと”逃げ”だけではやっていけそうな気がしません。”できる事”と”やりたい事”を、どうバランスを取りながらやっていくかをちゃんと考えないといけないなと思っています。
直近を振り返ると、9:1の割合で”できる事”に振っていたような気がします。理想で言うと9:1で”やりたい事”に振りたいところですが、さすがにこれまでの十数年を捨てるわけにもいかないので、せめて6:4位の感じです。これまでやってきたことをベースにしながらも、ちょっとだけも"やりたい事"の割合を増やしておきたいなと思っている今日この頃です。
”できる事”に重きを置いていた分、"やりたい事"が散らかっていて、これ本当にやりたかった事?みたいなこともいっぱいあるのに気づきました。本当の自分の軸になる”やりたい事”を、現実的に進める努力をしてみようと思っています。