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憑依されると、御札が消える--身代わり札に守られて生きる知人の話

僕が出会ってきたなかで特に霊感の強いK子さんから聞いた不思議なお話。


極度の憑依体質というK子さんは、小さい頃から数々の霊障に出会ってきました。もっとも古い霊体験の記憶は、彼女のおばあちゃんとの出来事だったといいます。

「幼稚園生のころ、家の隣にあった物置小屋でよく遊んでて。ある日、小屋の扉を開けたら、小屋の梁におばあちゃんがチョコンと座ってた。当時おばあちゃんは病気で入院してたから、『お家に帰ってきたんだ!』と喜んだ瞬間、フッと消えてしまったの。当時は訳が分からず、めちゃくちゃ怖かったな。今考えれば、梁に座っていること自体おかしなことなのにね」


人一倍想像力が豊かなK子さん。道路脇に添えられた花を見れば、「事故で誰か亡くなったのかな?」「生前はどんな人だったのかな?」、墓地の前を通るときには、「どんな人が亡くなったのかな?」「遺族の方はお線香を上げに来ているかな?」と無意識に想像を巡らせてしまいます。


そして霊に取り憑かれるときは決まって、そういった想像をしてしまった直後。すぐに体調が悪くなったり、気持ちの浮き沈みが激しくなったり、明らかにおかしなことが起きてしまうのだそうです。

日常生活にも支障をきたすようになった高校生の頃からは、親戚の霊媒師の叔母さんからもらった数珠とお札を持ち歩くようになりました。


「これはK子ちゃんを悪い霊から守るものだから、肌身離さず持っているんだよ」


叔母さんの言いつけを守り、巾着袋に入れてバッグの小ポケットにいつも忍ばせていました。そうするようになってからは、不思議と憑依される回数は明らかに減っていったといいます。


とはいえ、共感や想像は抑えようと思っても簡単に抑えられるものではありません。偶然、お墓の前や交通事故現場を通りかかったときに「あ、これ、憑依されるかも」と思う瞬間が時々あるそうです。

そんなとき、必ずと言っていいほど不可思議な現象が起きるといいます。


「お札が消えてるの。巾着袋に入れて、バッグに入れてあるのにさ。取り出したりすることなんて絶対にないのに」


このことを霊媒師の叔母さんに相談すると、「お札が身代わりになってくれているんだよ」と言われ、また新たなお札を渡されるのだそうです。


現在27歳のK子さん。今では幽霊を見ることはなくなったそうですが、気持ち悪い場所は敏感に察知できるといいます。


ちょうど先日、最近嫌な感じがした場所がないかと聞いてみると、どうやら彼女が働いている会社のビルの地下がそうらしい。何があっても絶対に足を踏み入れたくないと思うぐらい、禍々しいなにかを感じてしまうのだそうです。


そこで僕が、事故物件公示サイトの「大島てる」でその物件を探してみると、なんと「平成○○年○月○日 地下1Fにて首吊り自殺」との記述が。

この事実をK子さんには伝えていません。

ただ、彼女が「最近、身代わり札がよく消えるんだよね。変な場所なんて行ってないのに」とボヤくようになっていたのを思い出しました。

たしか、彼女がその会社に転職した時期ぐらいから。

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