#9《登校拒否》付き添い登校
始業式から4日間学校へ行き、
その後土日を除いて4日間お休みした男の子くん。
2024.4.18(木)
毎朝、他の娘たちと同じように起こして、身支度や朝食をとることを促します。
無言でいつの間にかお休み承認してるみたいにしたくないのと、他の娘が羨ましがったりしても困るからです。
この日は
『ちょっと外出てみない?』
『行けるところまででいいから行ってみようよ。』
なんて軽く提案してみたら、まんざらでもない返事の男の子くん。
これはチャンスとばかりに、私は慌ててお化粧をしてお姉ちゃんたちに遅れること10分。
男の子くんと家を出ました。
家を出ると、男の子くんはやたら周りを気にします。
「こわい、こわい」
と連呼しながら。
初めは、私に構ってほしくて、ふざけてやっているのかな?と思うくらい異様でした。
でも、小学生が登校する時間帯からは少しだけ遅れているので、家の前の道に小学生はほとんどいません。
前から中学生が歩いてくると、私の後ろに隠れる。
後ろから声が聞こえるの私の前に来て、後ろから見えないように身体を重ねて前を歩く。
キョロキョロしながら、
「こわい、こわい」
と相変わらず連呼してる。
なんか、、、
《とっても変!!!この子本当にやばいかも?》
と思いました。
始業式の時(無理やり連れて行った)はこんなこと無かったし。
一体、何をそんなに恐れているの?
《とりあえず、外を普通に歩けるようにしなくちゃ。》
そう思いました。
大通りに出ると、時間帯が少し遅いと言っても何人か小学生がいました。
走ってる高学年、お父さんと歩いてる低学年、遅れているのに気がついていないのか普通に登校してる子。
それを目にすると、またまた足がすくむ男の子くん。
「もう帰ろうよ」
「行けるところまででしょ?」
せっかくランドセル背負って出発出来たのに、
先週何日かかけて持ってくるものとされていた、
粘土に粘土板に絵の具セット、
全部持って出発したのに、帰りたくない母。
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『佐藤さんに挨拶しに行こうよ♪』
佐藤さんとは、町内の役員さんでもあり、PTAの役員さんでもあり、私も子どもたちもよく知ってて、毎日信号のある交差点で旗振りをしてくださってるおじさん。
「あいさつぅ?あいさつしたらかえるよ?」
そんなやり取りをしていたら、
家の裏に住んでいる女の子が、両手に教科書やノートなど色々持ったまま、手を振りながら走ってきた。
とても活発でいつも元気いっぱいな明るい子。
人懐っこくていつも手を振ってきたり、話しかけてきたり、自転車を借りに来たり、我が家のゴミ箱が強風で飛んでいったりしたとにきは拾って届けてくれる。
そんな素敵な女の子。
明るく挨拶しながら、出発の遅れを取り戻すためにニコニコ走って行った。
ランドセルのロックが空いてパタパタしてるけど、いつものこと(笑)
我が家の男の子くんにも、ほんの少しでいいからその心意気を分けて欲しい。
『なんでランドセルに入れないで両手にたくさん持ってるんだろうね?本当に面白いね♪』
と言いながら、
その子のお陰で、私も男の子もケラケラ笑った。
『せっかく絵の具セットとか色々持ってきたんだからさ、学校に置いてこようよ?』
雰囲気が明るくなったついでに母の欲望を伝えてみる。
『まあ、とりあえず、佐藤さんのところ行こー!』
と大通りを歩いていると、後ろから六年生の男の子が。
さっきの活発な女の子のお兄ちゃん。
『えーーーー!こんな時間なのにどうして余裕で歩いてるの?笑笑笑』
あはは~と笑いながら走っていった。
小さなことなんて気にするな~とエールが送られてるようにさえ見える。
今の私には、裏に住む兄妹がキラキラ輝いて見える。
『さすが○○(名前)だね(笑)』と私。
「うん」とまた笑顔が出てきた男の子くん。
佐藤さんには怖がらずに挨拶できて、
「バイバイ、行ってきます。」
と、笑顔もあり。
頑張って外面よくしてるのか?
大人は大丈夫で、何か嫌なこと言ってくる気がする子どもが怖いのか?
「絵の具置いたら帰るからね。」
と、男の子くん。
『いいよ、いいよ、ここまで来れただけでもすごいのに、学校行けたらすごいよ。』
やはり、人と会うのが嫌みたい?
通学路は学校が近づくにつれて小学生がたくさんいるから、他の道から行きたいと。
知っている子のお家が見えたら「あっちから行こ」と、反対側の歩道へ。
何人か中学生が見えると「この道行くの?」と、不安そう。
その度に道を変え、少し遠回りして、ゆっくりゆっくりな歩みで、随分と遅れて学校に着きました。
2年生の教室は2階。
階段をのぼって、他のクラスの開いている扉の前は早歩きだったり、私の影に隠れながら通りすぎる。
もちろん、教室には入ることが出来ない男の子くん。
先生に廊下まで出てきてもらい、絵の具セットと粘土と粘土板を先生に託しました。
先生はとても優しく、頑張って学校に来れたことを誉めてくれ、男の子に会えたことを喜んでくれました。
また、面談することをおすすめしてくださり、お願いしてきました。
帰り道。
行きとは別人のようによくしゃべる。
歩くスピードも早い。
「今日学校行けてえらかった?」
と、嬉しそうに何度も何度も聞いてくる。
とってもいいお天気で、
私も昨日までと比べて一歩前進したことが心から嬉しかった。
筍を見つけたり、春風を感じたり、春の花をたくさん観察しながら、達成感に満ちた気持ちで帰りました。