脳卒中リハビリ研究所:『利用者、家族が通所サービスに期待すること』~自己満足のサービスをしていませんか?
10年ぐらい前に、高知県通所サービス事業所連絡協議会主催の『利用者、家族が通所サービスに期待すること』~「自己満足のサービスをしていませんか?」~と題して開かれました。
コーディネーターをされる高知県リハビリテーション研究会の宮本会長から取り巻きに出て来てとお誘いが有り参加しました!
目的も『利用者がご利用中に、困ったこと、困っていること、疑問に思っていること、不満に思っていること、腹立たしかったけど言えなかったことなど、利用者様から語っていただきます。』
『現在のサービスに満足できているか、事業所に何を望んでいるのかを自由に語っていただきます。』
当事者と関係者の「心の距離」が思った以上に深く遠くに感じました。
もちろん、主催の高知県通所サービス事業所連絡協議会側からの意見はしないで、ただ聴くのみに徹するという企画だからです。
1時間30分の当事者のトークを受けてサービス事業所のみで話し合われるという、画期的な企画です。
9人の当事者や家族がフリートークで発表されましたが、本当に言葉にされる複雑な心境が痛いほど分かります。
脳卒中当事者の先輩たちも言葉を選びながらも、当事者の思いを伝えなければという使命感が伝わってきます。
9人の発表者とこの企画を献立られた関係者の方々に畏敬の念を抱きました。
当事者と関係者の「心の距離」が思ったのは、ケアプランの作成の話の時に、当事者が「あんなもの読めるかえ!」的な発言があった時に、これは私の勝手な推測ですが、会場が「それぐらいは自分のことだから当事者も真剣に考えてもらいたい!」と、思っているのでは?という空気を感じました。
そこで私もお話させていただいたのですが、「サービス事業所の皆さんは、ご自分の生命保険の定款はお読みになられていますか?」
大切な内容であるのもかかわらず、小さな文字で、しかも読んで契約をしましたという証明までします。
一般の方が生命保険の定款に感じるような感覚と全く同じようにケアプランに感じます。
私なども目の焦点が左右ずれており、細かい文字は本当に苦手です。
それと、当事者の方は頷けると思いますが、文字を見ることは本当に疲れますよね。
テレビは見てられるが、本を読むというか文字を追うことが苦痛となります。
本当に当事者が理解し真剣に考えれる計画書には、どんな点に配慮したら良いか?考えていただけると助かります!
また、当事者家族から「当事者と赤ちゃん言葉で接することを止めて欲しい」と発言がありました。
これは当事者の方々と接していると本当に多い意見です。
後遺症が重いと幼い子供のような行動もあり、スタッフの方々もついその口調になってしまうのだとは思います。
しかし、倒れるまではそれぞれに責任のある仕事をされて頑張ってきてたんです。
高齢者の先輩たちも同じです。
基本に「尊敬の念」があって、当事者と家族や友達感覚で接することが大事ではないでしょうか?
当事者や家族は、事業者の方に本当に言いたいことの数パーセントしか言えてないです。
ましてや、アンケートに書いて提出する・・・それで、本音はとうてい無理でしょう!
このような勉強会を開くことで、両者の溝が浅く、狭くなり「ともに」笑顔になれる事業所を育てるパートナーになれると信じています。
こんな両者の溝を埋めるような研修会が多く開かれることを望みます!
また、『多死社会』という黒船は、当事者や患者の意識改革が無ければ、ますます悲惨になるでしょう!
その『黒船が来たぞ~』と誰かが叫ばなければ・・・・・
今考えると10年前にこのような研修会を段どられた皆さんに頭が下がります<(_ _)>
最後まで読んでいただき感謝です!
今日も元気と笑顔で頑張りマス(^-^)/