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詩歌

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詩、都々逸、短歌など。 意味のない呟き含む。
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#短歌

別人のようなあなたが香らせる寂しさ=コーヒー

人混みを煩わしいと思いつつ
どこかで揺れる心の風船

許さない
あなたの熱を
上げるのは
私一人で
充分でしょう

知ってるよ
液晶越しの
彼女とは
デートするくせ
リアルは やなの

立ったまま
既読ついたの
見ていても
僕の傘から
落ちる雨粒

情けなの? 
あなたが僕といる理由
そうではないと
信じたいのに

側にいて
こんな関係
初めてで
何していいか
わかんないけど

目の下が 黒く染まって 語ってる
介護の苦労 いつかの姿

体育館
明かりが消える
音消える
次第に冷える
室内さびし

あ、好きだ と
ふとした仕草
見て思う
見すぎ と視線で
告げる様すら

かえりたい
肉まん食べて
ほころんだ
あの花見つめた
帰りの夜道

秋の暮れ
虫の鳴き声
切なくて
遠い在りし日
思いを馳せる

帰りたい
夕陽の沈む
あの家へ
お腹空かせて
ただ帰るんだ

夕食を
食べた後には
寝転んで
食器洗うの
億劫になる