初めて見た宝塚で1人の男役に出会ってしまった「あの日」の話。

「あの日」、、それは一昨年の10月末に遡る。


私が宝塚を初めて観劇した日。
私はその日、一瞬にしてある1人の男役さんに心を奪われた。

終演後、プログラムを広げ指差しながら
「この人!!!!!好き!!!!!」
と、興奮したことをよく覚えている。

今日2月28日はその人物が主演を務めた舞台『ELPIDIO〜希望という名の男〜』のBlu-ray発売日。
(おめでとうございます!!!!!)


彼女との(一方的な)再会を果たした今、
この記念すべき日に、その最初の出会いについてここに書きとめておこうと思う。
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あの日。
その人が舞台上に現れた瞬間に、ビビっと身体が反応し体温が上がった。気がした。

鳳月杏 さま

上手く言語化できないが、
"好き"が、舞台上で演じ、歌い、踊っていることを本能的に認識した。

今までLIVEや舞台などを通して生で芸能人を見たことはあるが、そんな風に感じたのは初めてだったように思う。


月組博多座公演 

『川霧の橋/Dream Chaser』


母に誘われて行ったこの公演。私は、いわゆる”付き添い”だった。

この日、宝塚観劇が人生初だった私。
その知識はどれくらいかというと、

  • 有名なOGの方を何人か知っている

  • 『ベルサイユのばら』

  • 音楽学校の試験がすごい(密着番組を見るのは好きだった)

程度だった。

そう、今の宝塚や月組に関しては何の知識もなかったのだ。
トップコンビのプレお披露目公演という、特別公演だったことも後日知ったくらい……(小声)


とにかく、まさかこの公演で好きな人を見つけ、1年以上経った今日その人の主演作のBlu-rayを発売日の朝から流しているなんて、この時は想像もしなかった。
あの日、観劇前の自分に言っても信じないと思う。

話を戻すが、
そんな何も知らない世界に丸腰(?)で飛び込んだ私は、開演前にプログラムにひと通り目を通して
(初心者で知識がないゆえに、めくってもめくって美〜〜!!!程度の情報量しか頭に入らず、あらすじもさらっと読んだ程度で)
一幕に臨んだ。


川霧の橋

冒頭火事の場面で「怖い話……?」と若干不安になったのもつかの間、

ぼーっとしていたわけではないのに、「!?」っとなるような声の響きが伝わってきた。
「誰!!!!!好き!!!!!(ちょろい)」
と、その姿、その御顔を見る前に心を掴まれた。

その後もとてつもなく心地よい声が聞こえてくる度に双眼鏡を構えた。しばらく見るうちに、その声が全て同じ人物から発せられていることに気づいた時は驚愕した。

どうやらその声の主は「半次」という名前の人らしかった。

最初こそ、その声と歌、姿に惚れたが、
その人が演じる「半次」は、人を想い人のために動く一途な男で、
初観劇で好きになるには十分すぎるほど、魅力的な役だった。

幕が下りると、
半さんは!?どうなったの!!!!!(理解不足)
と脳内で1人暴れた。
(てっきり清吉をどうにかする場面があるのかと……え、思いませんでした???←)

ともかく、初めて見た宝塚で、約95分という時間で、私の心は半さん(と演じている人)のことでいっぱいになった。


幕間

開演前にさらっと見たプログラムをもう一度開き、その半さんを演じたのが「鳳月杏」さんということを知った私は、
「鳳月さんを追いかけるぞ…!」と意気込んで2幕に臨んだ。


Dream Chaser

いざ幕が開くと、「追いかけるぞ…!」と意気込む必要はなかったことを思い知らされた。そして自分の中に湧いた好きという感情が、役以上に鳳月さんという人自身に芽生えていたものだということを理解した。

私の目と耳は終始勝手に彼女を追いかけていた。先程のお芝居とはガラッと変わり、そのキラキラと眩しい世界に圧倒されたが、 ショーはほとんど鳳月さんしか見ていなかったように記憶している。

(まあ、記憶はないが←)


つい2時間前まで誰ひとり知らなかった初心者の女が、
”初”観劇で、たったひとりのタカラジェンヌ・鳳月杏を追い続けた。

今振り返るとその行動は異常だが、その異常さに気づいたのは、昨年12月の全国ツアーで自分の視野の広さを知った時だった。(遅い)


以前「ちなつさんは毎回地方でファンを大量発生させて帰ってくる」という呟きを見たことがある気がしなくもないが(どっちだよ)、
同じ体験をした人が他にもたくさんいるんだろうな、、、そしてこれからも……と期待せずにはいられない。


なぜこんなにも惹かれるのだろうか。その魅力は何だろうか。

ちなつさんの魅力

これまで言葉にならない言葉で呟いてはきたが、
この機会にきちんと言葉で記したいと思う。

正直、全部。
と言いたいくらいたくさんの魅力の持ち主であること自体がまず魅力だと思う。そのため突出して何が良いと言うことは難しく、オールラウンダータイプという方がしっくりくる。

よくスタイル!脚!腰位置!と言ってしまうが(反省)、そこには「全てが良くて言葉にしたいが、また伸びた?と錯覚してしまうほどの衝撃の脚の長さという視覚情報がいつも1番に脳に届いてしまう」という人間のそれ故の発言であることを理解してほしい。

しかし、今日も椅子から立ち上がった時と段差を上り下りする時の
脚の長さには新鮮に驚いた(ELPIDIO)←

もちろんそのスタイルも、ビジュアルも、舞台上ではないちなつさんも、大好きなところは沢山ある。知れば知るほど、好きになっている。


前置きが長すぎたが、

17年。1人の赤ちゃんが高校生になるほどの年月。言葉にするととてつもないがその時間の中で、経験と努力が積み重ねられてきたことを随所に確かに感じられるところが、彼女の最大の魅力だと思う。

  • 難しいことを簡単に見せる力

  • 手足の先、表情まで全てに意識が行き届いていて、計算されている様

  • 隙のなさと余裕(余白)の両立

  • 勝手に出ている色気

  • 笑いを起こす間の取り方

  • 自他のハプニング対応力

  • 周りを見て自分はどうすべきかを考える力

  • 真ん中にも、脇にもなれる力。俯瞰する力。

  • 性別にとらわれず、「個人」として演じる姿勢

  • 役の人生を感じられるお芝居。続きが見たいお芝居をするところ。

  • 新しいことを任され、挑戦する姿

  • 何においても予想を超えてくる、エンターテインメント性(主にショー、パレード)

などなど……
舞台上だけでもこれだけ好きな部分、尊敬する部分がある。
(またじっくり考えれば増えるかもしれない)

もちろんその御顔をはじめ、鳳月杏という人間を構成している全てが好きだ。言うまでもない。しかしそんなことを語りだすとキリがないので、ここを掘り下げるのはまた別の機会にする。(Twitterにでも垂れ流そう←)


私にとって彼女は "好き" そのものなのだ。

しかし彼女も同じ人間であり、時間は有限。時計の針を巻き戻しても過ぎた時間は返らない(言いたいだけ)。


この時を、その姿を、この目にできる限り焼き付けるべく
先日、宝塚大劇場にて『応天の門/Deep Sea』を観劇した。

希望という名の男役・鳳月杏

主演作のタイトルが発表された時から、冗談っぽくそう言っていたが、
先日ようやく初めてのムラ観劇を遂げた私は、かなり、本気でそう思った。

また改めて書こうと思うが、
あまりのかっこよさに幕が降りた瞬間に、上体が形を保てず崩れた(1幕2幕ともに)。ギャツビーの観劇が叶わなかったため1年以上待ち焦がれていたが、その期待を軽々と超え、好きを更新した。

残された時間を思いしんみりしてしまっていたが、観劇後にはそんな不安もすっかり吹き飛んでいた。


そうこうしているうちに、ディナーショーのタイトルが発表された。
『Gemini』
次はいったいどんな姿を見せてくれるのだろうか。そんなわくわく、どきどきが止まらない。


そんな人に出会えた、大切な「あの日」を、私は忘れない。

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2023.02.28
『ELPIDIO』 Blu-ray発売に寄せて

まっちゃ






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