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夏へ倣え

少しお外に出ただけで吹き出す汗は不快で、普段涼しいところばかりいるものだからここぞとばかりに出てくるわ出てくるわ。
僕はもともと汗をかかない子供だった筈で、
走ったって汗をかかないものだから、部活動の先生からサボっていると思われているくらいであったのに、。
いつのまにか年をとって、体の中の何かが変わって(老朽して)なんやかんやあって汗っかきになってしまったようだ。運動不足が原因として大きいかもしれぬ。
もう目の前には、下敷きであおいだり、制汗剤をふったりする友達はいなくて、只々ビイルを飲み下したいそんな愚考を巡らしている上に、汗の方が出てくる場所、時間帯を少しでも思い遣ってくれればいいのにと、とんだ体たらくぶり。
一日の最後に、耳の穴からでも栓を引っこ抜くみたいにして、その日中の汗をじょぼじょぼと出せたら楽ちんだな。あらよっと頭を傾いで汗を出す。おお今日は汗をかいなあなんて風に。

くだらない事を考えていたばっかりに、眉の上に溜まっていた汗がなだれこんで仕返しをされる。すぐさま目を瞑ってから瞼を擦って汗を追い出す。
汗が目にしみて、ぱちくりさせながら目を開けると、陽が照りつけるアスファルトにとまったアゲハ蝶があついあついとパタパタいわせて忙しなく飛んでいる。
行先を追っていると今度は日陰にやってきて白線の上で休んでる。やっと羽休めできたかと思ったらチリンチリンが通る。
彼はまたもや追いやられてとうとうこちらにやってきた。
僕のまわりをぐるりと螺旋してひらしらと飛んで、そして屋根の上へ。

わあ綺麗な雲。 

ずんぐりとした白いかたまりが、どっしり蒼い空を背にしてかまえている。その対比が美しくて、どきりとした。
日傘をさしているのはスーツを着た中年男性で、駆けていく小学生低学年ぐらいの女の子はキャペリンハットをかぶっている。小さな子でもとびっきり洒落てて、流石に親の趣味だろうと思うけれど、自分が小さい頃は、おさがりのサイズが合っていない服を着ていたな。まわりの子も概ねそうだった気がする。そりゃあ瀟酒な子も中にはいたにはいたのだろうけれど、最近はどんな子でもふぁっしょなぶるである。
それとも、おしゃれな子ばかりに目がいくだけであろうか。


一列に整列させて「まえへならえ」と先生が号令をかける。懐かしい。前の人に倣って整列せよという意味なのだが、なんだか今の僕は夏に倣えていないような気がしてならない。
列からはみ出してしまっているみたいだ。




そんな事を考えているうちに貴方に呼ばれた。






追記

気づけば8月ももう終わり、、
駆け込みで2本どちらも京都での公演がきまっています。
9月はなんと仙台、はじめまして。
僕を知ってくれてる人がいるのかどうかもあやしい土地へ歌いにいかせてもらいます。


8月26日 京都二条 ナノボロフェスタ

8月27日京都九条 HOTEL SHE KYOTO
TSUZUMI OHMURA 「HELLO SMILYS」

BOB(the)House
藤澤信次郎(浪漫革命)
高山燦基

9月3日 仙台チキポト
犬飼黒須とさっぱりポン酢サワーズ
ツーマン

9月18日 大阪雲州堂 
たけとんぼLP発売記念公演

たけとんぼ
地球から2ミリ浮いている人たち
いちやなぎ

9月 23日 大阪十三BARねじ
山内弘太さんツーマン


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