ぐるぐるいらいらぱー

様々な電化製品のワイヤレス化進んでいるといえどもまだまだたくさんの線(コード)に囲まれて生活をしている。僕はそのコードたちに絡まれて絡まれて生きている。もうがんじがらめだ。
(以下コードは「やつ」とする)

例えばイヤホンのやつ。これが本当に良く絡む。友人からお前のイヤホンのコードいつも絡んでるなと言われたことが幾度となくある。
これが自分でも不思議で、ずさんな使い方をしているせいだろと言われれば返す言葉はないのだが、それにしても人並み外れて絡ましてしまう。やつに意志があると思えてならない。絡んだものよくよく観察すると、非常に複雑に絡みあっていて、どうやってここまでに至るのかただただ不思議に思うばかりだ。意図的つくりだすには困難で、もはや創作物といっていいかもしれない。ポケットを透明にして過程を観察したいくらいである。しかしやつは人に観察されている時はそんな動きを見せない。どうせそうに決まっている。

すべて綺麗に解いた状態でポケットにしまい、数時間後に取り出してみると、絡んでいたということがあった。もちろん一度も取り出していないし、いじってもいないのにだ。訳がわからない。
直すのが面倒になって、放っておいたことがあるのだが、そのあいだもめきめきと成長していき絡みはやがて玉を創造し、装着するとその玉が顎の下にくっつくというところまでいった。成長スピードとそのふてぶてしさは夏に生きる雑草に匹敵する。
気にかけてやるから(直すから)余計絡んでくるという依存体質なわけでもないらしく、やつはしっかり自立している。

イヤホンのやつだけではもちろんなく、スマートフォンの充電器、掃除機、ドライヤーのやつらも絡んでいるし、ギターとアンプを繋ぐシールドも絡んでしまう。
みんなそれほどに酷くないのを見ると、しっかりやつと付き合っているなと感心する。僕は真面目なお付き合いができていないらしい。
ある日バスに乗っていて、イヤホンのやつの絡みと格闘していた。思いのほか戦いが長びいたせいで少し気分が悪くなった。僕はバスに乗っているときに携帯を見たり本を読むとすぐ酔ってしまうのだ。
一息ついて、再び音楽を聴こうとするが音が聴こえなくなってしまった。少し手荒にほどいてしまったためか断線してしまったみたいだ。
多少の苛立ちを抱えてバスを降りて、停留所のすぐ近くのコンビニによって安価なイヤホンを購入した。
コンビニの外で箱を開封して装着する。
やっと音楽が聴けると思って歩き出してすぐにある異変に気がついた。(その時それほどまでして、音楽を聴きたかったのかは覚えてはいない。なぜあきらめなかったのか、、)
音楽は聴こえてくるのだが、その裏でなにやら雑音が鳴っている。それがひどく耳についてとても聴いていられない。どうやら不良品だったらしいく、すぐさまお店に戻って店員さんに事情を話すと、コンビニでは商品の交換は対応できないとのこと、取り替えはそのメーカーに直接電話してほしいとのことであった。買った商品が不良品であっても、その買ったお店でとりかえてもらえないなんて、どう考えてもおかしいではないか。なんだか社会がぐるぐるからまっているのを感じた。

もう一つは買う気には流石にならず、頭の中がぎぐるぐるもやもやと絡むのを感じながらその綺麗で真っ直ぐな、使えないイヤホンを持って店を出た。ため息はとぐろを巻いていた。

ぐるぐるいらいらぱー。

追記
イヤホンに関してはワイヤレスの人増えましたね。変えようかしらん。

サニーレタスを剥いていったらこうなる。
いいフォルム