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ある感情の組み合わせ

気のおけない人たちと好きな話で盛り上がって、これ以上ないくらい楽しくて、ああずっとこんな幸せが続けばいいなと思うとき、同時にどうしようもない寂しさと孤独感が足元にひんやり流れていることがある。

人に囲まれているときほど孤独なのはなぜだろう。幸せなときほど寂しいと思うのは。

笑えば笑うほどこの感情は本当に自分のものなのかと考えてしまうし、楽しければ楽しいほど本当に自分はこれが好きなのかと疑ってしまう。

自分の中に別の誰かがいるのだろうか。

人と会ってお喋りして、楽しいのに落ち込んでしまう。楽しかったよ、またねと言われて、嬉しいのに怖くなる。

どうか誰かがこの気持ちに名前をつけていてほしいと思う。名前を持った、説明できる感情として処理してしまいたい。絡まった感情も、ほどけば単純な組み合わせなはずだから。

楽しいときには楽しいという気持ちだけがあるのだと思っていた。実際は楽しい気持ちに何か別の気持ちがぶらさがっている。
ありふれたいくつかの感情が、まれな組み合わせで現れて、私をこんなに複雑な気持ちにさせている。

そんな複雑な感情もいずれ忘れてしまって、あのときは楽しかったねと話すようになる。そしてまた楽しくなって、盛り上がるなかで寂しさと孤独を思い出すのだろう。

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千十九
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