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#10 | フードトラック製作秘話



ごめんなさい。別に秘話と呼べるほどの大それたお話はないのですが、今回はどのようにトラックデザインや仕様を考えていったのか、どのように製作を進めていったのかのお話を少しできればと思います。




1. どのように仕様を決めたか


トラックのサイズやタンクの容量、シンクの数などですね!
まずはここが定まらないとデザインやメニュー云々の話にも進めない核となる部分です。

▶︎ トラックサイズ

世の中のキッチンカーと呼ばれる車には、ワゴンタイプから軽トラック、1〜2トントラックの大型車タイプなど、色々な種類がありまして。
(各種のメリット・デメリットはトラック製作会社さんのサイトなどでもご紹介されているので、詳しくはそちらをご参照ください。)

中には海外のスクールバス仕様のお店もあったり!これがとてもかっこいい…!(保管場所の確保が大変と伺ったことがありますが..)


私の場合は主に、

・予算感が合うか
・自分の運転スキルや都内の道路環境に見合うか
・実際のオペレーションや機器配置イメージ(メニュー提供だけではなく、準備・片付け等の作業も含めて)

を考慮したうえで、軽トラックにキッチンBOXを乗せた形の仕様を選択しました!

個人でお店をやられている方はこのタイプが圧倒的に多いんですかね?


▶︎ タンク容量

2021年6月に改正された食品衛生法で、40ℓ程度、80ℓ程度、200ℓ程度の3種類に全国で統一されたとのことで、自分のお店の提供メニューやオペレーションを踏まえて、どのタンクを設置するかを考える必要が出てきます。

引用元:https://foodtruck.co.jp/hajimete/food_sanitation_act/


現在の当店のメニュー構成から考えるとおそらく80ℓ程度のタンク搭載が妥当ではあるのですが、製作当時はまだ今後どう事業展開していくか分からない状況であったのと、200ℓだと車内での簡単な仕込み行為も可(それ以外はすでに営業許可を取得している仕込み場所での仕込みが必要)という条件を踏まえ、

「大は小を兼ねるっしょ!」

ということで私は贅沢に200ℓを選択してしまいました。


もちろん保健所の営業許可は圧倒的におりやすくなりますし、色々な融通もききやすいのは間違いないですが、軽トラサイズの車内ではなかなかに幅をとってしまうのと、給・排水もなかなかに不便(いちいち積み下ろしする作業が困難)ではあるので、そこはじっくり考えていただいたほうが良いかと。笑

給・排水時は、ホームセンターなどでも売っている小型の自動汲み上げポンプを活用して行う方法に落ち着きました。

タンクとシンクの間のスペースをうまく活用するのがミソですね。
いまだに模索中ですが…。


▶︎ シンクの数

これも基本は手洗い用と調理用の最低2槽シンクの設置が義務付けられているのですが、保健所の地域によって条件は異なるという噂を聞きつけて、どのエリアでも対応できるようにと、贅沢に3槽つけてしまいました!
(事前にご自身の営業する地域の条件は確認しておくことを推奨します。レバーも非接触タイプでないと保健所通らないのでお気をつけくださいね!)


営業中はシンクを使用しないタイミングも多いので、フタをして作業台としても活用しながら対応しております。
ダイソーで売っているアクリル棚の板のサイズがバチバチにフィットしてくれたので絶賛活用中です!(シンクサイズにもよるかと思いますが、ご参考までに。)


2. どのようにデザインを決めたか


もともとやりたい店舗イメージは頭の中にあったため、

・できる限り店舗の内装イメージを落とし込んだトラックデザインにしたい
・海外のおしゃれなフードトラックイメージを踏襲したい

というところを踏まえて、大好きな「Pinterest」のサイトやInstagramなどで海外のトラック画像を中心に参考にしながらイメージを固めていく作業をしてみました。

その中で、結構海外のお店だとトラック上部に看板やサインライトをどーんと構えているデザインが多く、私も遠くから見ても何のお店かを視認できるアイコニックなサインをつけたいな…と思ってしまい、費用をかけて特注でサインライトをつけてしまいました…!

STARBUCKSをはじめ、街中の色々なカフェを見てみても店頭にサイン掲げているお店は多いですしね。

なかなか機会がないのがなんですが、夜の出店時はいい感じに目立ってくれます!


では一体何の文字にするか…というのは正直悩みました。

確実なのは「COFFEE」だと思ったのですが、屋号にも「COFFEE」を入れてしまっているので流石にくどいかな..というのと、オペレーション上、ハンドドリップなどで一杯一杯丁寧にこだわっていれるコーヒーショップにもしきれないしな..という葛藤から思い留まり。


かといって、商品の種類にしてしまうと、仮にうまくいかなくてメニューを変更したいなってなった時にサインが足枷になるし…。


いっそのことやっぱりつけないという選択肢も含めて割と時間をかけて悩みましたが、全体的な見栄えも考えてもやはり商品名がしっくりくるなと思い、ワッフルと心中する覚悟で最終的に「WAFFLE」の文字を選び抜きました。


他店との差別化という意味でも、個人的にはこのサインをつけて良かったと思っています。

が、もし同様にサインや看板を上部につけようかな…と考えている方は要注意事項が1点ありまして。

軽貨物車の最大積載寸法の規定で、最大積載の高さが「地上高2,500mm」と決まっております。
走行時は基本的にサインは倒した状態にしてはいるのですが、サインを立てた時の状態で地上高2,500mm以内に抑えるようにしておく必要があるため、サインの分、BOXの高さを通常よりも低くした設計で製作をしていただきました。

私は低身長なほうなのでなんら不便は感じないのですが、身長167cmの友人で天井ギリギリに頭がくる感じになってしまったので、事前にしっかり確認しておくことをおすすめいたします…!


3. どのように製作会社を決めたか


この選択って本当難しいですよね。何を優先するか、何を取るかで選択は大きく変わってくるかと思います。

まずはベタに「キッチンカー製作」「キッチンカー製作 東京」「#キッチンカー製作」などで、ネットやSNSで情報収集するところから始めて。

国内で気になったデザインのお店はどこで製作されたものかと辿ってみたり。


最終的に私は、

・予算感
→ケチってはりぼてなものにはしたくないものの、運転資金なども見据えるとトラックに費用をかけすぎたくもないという葛藤のせめぎ合い

・デザインや仕様に関して、オリジナリティを出しやすいか
→既製品の購入ではなくカスタマイズが可能か

・自宅から遠くない距離に工場があるか
→何かトラブルなどがあった場合に、すぐに対処できるか

・カッティングシート貼りや車体塗装などもワンストップで行ってくれるか
→自分でやるのはもちろん無理だし、別途業者を探すのも面倒だし..。

という条件をもとに、Instagram上で見かけた埼玉県入間市に工場を構える「THREE STEP」様に依頼することに決めました。


上記の総合判断による結果ではありますが、イメージしていた色味にとても近かった「ミントシャーベット」カラーの塗装オプションがあったことが決め手だったかもしれません!

この色味を見つけた瞬間にイメージがむくむく湧いてきましたので、こちらにぜひ依頼したいという気持ちになりました。


自宅から工場まではやや距離はあるのですが、最初の頃の仕様や見積もりの相談などはリモートでもご対応いただけましたので、スムーズに製作まで移行することができましたし、何かアクシデントがあった場合にもすぐにご連絡してトラックを持っていって対処していただいたり…と、状況に応じて連携が取れやすいかどうかということがポイントとなってくるかもしれませんね。


4. 製作してみて感じた点


理想を言えばもっとこういうデザインにしたい、こういう設備もつけたいという欲はいっぱいあるのですが、全て叶えようと思ったらそれなりに費用もかかってしまうわけで。

限られた予算の中で取捨選択してデザイン・仕様を決めていくという作業は簡単ではなかったですよね..。

最後自分でお店として作り上げていく中で、創意工夫を凝らしていくスキルがめちゃくちゃ問われるな..と痛感しております。

また、普段屋根付きの駐車場で保管できているわけでもないので、雨風にさらされたり、トラック内が高温多湿や極寒の状況になったりしている中で、どうしたって色々とアクシデントや不調は生じてしまうので、そこを乗り切るための考える力も…。


いまだにどんなデザインや仕様が正解だったかなんて分かってはおりませんが、色々な経験を積み上げながら一つ一つ課題をクリアしていく作業もたまらなく楽しいので、日々少しずつでもアップデートさせながらより良いお店を目指してこのトラックと駆け抜けていきたいと思っております!!


<次回>
内装DIYDIY


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