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写真を撮られたくないのって、わがままなん?

孫の写真や動画を、何回も見てしまう。

「みてね」というアプリがあり、娘夫婦が撮った写真や動画を、ジジババも共有できるようになっている。
そのアプリで、フォトブックを作ったり、DVDを作ったり、アニバーサリーブックなんかも作れるらしい。

まさしく、ほぼほぼ、ジジババがターゲットにされているアプリである。

「みてね」と言われたら、見るに決まってる。
言われんでも、見るに決まってる。

げんに夫は、毎回、「みるよ。」と言いながら「みてね」のアプリを開いている。

そんなジジババに、フォトブックやDVDの課金を促すのは、めちゃくちゃたやすいことのはず。
夫なんて、いちころである。

でも、我が家には、「一回課金したら終わりやで!」という恐ろしい呪文があり、夫がころっといきそうになると、その呪文を唱えることにしている。
そのおかげで、(時々こっそりとやらかしてはいるようやけど)課金による家計ひっ迫には至らずにすんでいる。
いまのところ。


しかし、しかしである。
「みてね」にあるのは、孫の写真ばかりじゃない。
孫と一緒にいる人も、当然写っている。
当たり前やけど。

孫と遊んでいる時に、勝手にとられている写真に、いちいち文句を言うのも大人げないので、そのままにしてるけど、実は、写真を撮られるのが大嫌いな私。

容姿に自信がないのは、まあ、あらためて言うことでもないし、皺やシミを今更かくせるとも思っていない。
まあ、しゃあない。
もっとお手入れをしておけばよかったとは思うけど、そんなん思いつつも、いまだに適当なお手入れしかしないんやから、ほんまにしょうがない。
そういう見た目のことじゃない。

何が嫌って、
自分の表情を見るのがめっちゃ嫌なのである。

写されることを意識して、しらじらしい表情をしているのも嫌やけど、
ふとした時の、自分の表情を見るのが嫌なのだ。

なぜなら、普段の生活の中で、いろんな思いを出さずにいてるつもりやのに、案外、バレバレなんやということが、写真を見るとよくわかるから。
こんなにたくさん自分が写っている写真を見るまでは、「スマートにこなしてますよ風(ふう)」にいけてると思ってたのに。

だいたが、せこいのである。
スマートにこなしてるなんて思わせようってのが、せこい。
ほんまに、せこい。
そのせこさが、はっきりと、写真によって視覚化されるから、嫌なのだ。



自然体で自分を出せない(と思っている)私。
というか、出したらあかんと思ってる。
カオナシのあの表情を、貫けたらいいなあと思ってるくらい。

そう思ってしまうのは、まあ、自分が腹黒ってことを知ってるから。

腹黒の人が、自然体になったら、えらいことになりそうやし、
おのずと、思いを顔に出さんとこうって、している(つもり)。

それが、100%失敗してるのを、写真で確認させられる。
なんや中途半端な笑顔やったり、
冷めた目つきやったり、
片眉があがり、ちょっとした怒りが出ていたり。
腹にいちもつも、にもつもあるのが、まるわかり。
これは、なんとも情けない。
なさけなすぎる。
大失敗だらけである。

だから、日ごろから、私の写真を撮らんとってと、夫には伝えてある。

話はそれるが、腹が白い人は、写真も自然体なんかなあ。
腹が白くなったことがないから、よくわからない。
でも、腹が白い人って、周りの人に安心感を与える。
なんでも、話せる気がする。
妙な駆け引きなんかがないから、こちらも素でいられる。
腹が白い人は、もうそれだけで、人としてすごい。
と、思ってる。


話を戻す。

先日、夫が、自分で撮った孫の写真のスライドショーを、得々と見せてきた。
何枚もスライドしていくうちに、ふいっと、私の写真が出てきてしまった。

それも、めちゃくちゃ疲れた顔で、マッサージチェアに座り、白雪姫の魔法使いのような老婆と化した私。
さては、いつかの旅行の時に、盗み撮りしたんやな。

もう、がっかりである。
私って、こんなんなん?
いくら疲れてるからとはいえ、あんまりな表情。

顎あがってるし。
口あいてるし。
身体「く」の字になってるし。
あとは、毒りんごのかごを持つだけや。

「だから、勝手に写真を撮らんとって!って言ってるやん。なんで、こんなに落ち込ませんの!」
と、思わずめちゃくちゃな八つ当たりをする。
「あんなに言うてたのに~~~~。きぃ~~~~~。」
となる。

あれ?

結局、なんやかんや言うても、自分の見た目を認めるのが嫌やっただけのような・・・・・。


これはこれで、かなり情けない・・・・・。とほほ。



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