「将来なんて言葉は知らないっ」
これは、れんげ荘の住人であるクマガイさんの言葉である。
きっぱりとそう言い、
顔中を皺だらけにして、にこっと笑った。そうだ。
群ようこさんの「おたがいさま れんげ荘物語」に出てくるクマガイさん。
私はとてもクマガイさんが好き。
とってもかっこいいのだ。
そして、とってもうらやましいのだ。
どうすればこの域に達することができるのか。
そうなん。
余計なことを考えるから不安になる。
不安から抜けきれない。
いくら断捨離をしても(タンスをいくつも解体した・・・。)
いくら遺言を書いても(まだ書けてないけど・・・。)
ちっとも不安は消えない。
むしろ、もっともっと気になることが出てきて、さらに不安を増大させる。
老後のお金のことも心配だけど、
でも、いったいいくらあれば安心するんだろう。
宝くじのCMを見ると、10億円なんて言葉が聞こえてくる。
10億円あれば、安心するんかなあ。
でも、そんなにあったら、今度は相続税のことなんかを心配するのかも。
考えたところで、すっきりせんなあ。
10億円あるわけちゃうから、すっきりせんのはあたりまえか。
クマガイさんのように、毎日を生き続ける。
そんな風に思えたらいいなあ。
梅雨の合間の晴れ間の今日に、洗濯と布団干しを思いっきりできたことは、まあまあ気持ちよかったけど。
でも、そんなクマガイさんに、
幸せそうに見えるって言われる主人公が一番うらやましいかも。