フェスゴは太もも
まずは、上記写真のピンボケぶりをお詫びします。
せっかくの美味しいパンなのに・・・・・。
平安神宮前にある公園で、人目も忘れて、食べることだけに集中してしまった美味しさ。
食べるって、こういうことか。
食べるって、こんなにも一生懸命になれることなんか。
食べながら癒される。
食べることを大切にしようって思える出会いやったわ。
思わず、「美味しい」って、何度も言いながら食べてしまった。
公園で、1人、目をつぶりながらサンドイッチを食すおばさん。
不気味やったかなあ~~~。
でも、いいねん。
ようやく、食べることができたサンドイッチやもん。
何度も、お店に足を運んでは、
パンがすべて売り切れやったり、
臨時休業やったりして、
なかなか食べられへんかったサンドイッチ。
今回は、いつもの通院が、めちゃくちゃ早くに終わったので、
オープン前からお店の前で並ぶことができたわけで。
11時のオープン前に並べるなんて、なんてすてき。
というのも、お薬が変更され、これまで点滴で2時間半かかって投与していたものが、皮下注射で8分ほどで終了となったから。
フェスゴという新しいお薬。
内容は、これまでの、ハーセプチン&パージェタとほぼ変わらないらしいので、この時間短縮はもう利点しかない。
副作用については、ほぼこれまでと変わらないだろうというのが、ドクターと薬剤師さんの見解。
でも、こればっかりは、たとえプロフェッショナルのお二人のお言葉であっても、鵜吞みにはできない。
なんせ、お薬が認可されてから、まだ数か月?やったかで、
お二人のお言葉には、必ず
「たぶん大丈夫でしょう~。」
「じゃないかなあ~。」
「と思いますよ~。」
がついてくる。
そりゃあ、人それぞれ、もっている体質が異なるので、そうとしか言いようがないやろ。
わかってる。
やってみるしかないのは、わかってる。
わかってるけど、いちおう、確認したいねん。
そして、自分の思いを聞いといてほしいねん。
「副作用について、人それぞれやってことはわかってるんですけど、
やってみなくちゃわからないってことも、よくわかっているんですけど、
わたしとしては、
脱毛と下痢は絶対嫌なんです!!!」
と、とりあえず、これは伝えた。
ドクターも薬剤師さんも、
にっこりうなずいて、
「はあ。」
と言うだけやったけど。
それでも、十分に気が済んで、フェスゴを皮下注射で受ける。
太ももに、1秒間に3ccずつ注入されていく。
太ももなんで、スカートをたくしあげて、余計なものが見えないように、太もも以外は、バスタオルで隠す。
ちょっとセクシーでないかい?
と思ったのは一瞬。
ストップウォッチを、太もものそばの台の上に置いて、ひたすら真剣に注射器を動かす看護師さんを見ていたら、
理科の実験にしか見えない。
「ちょっとセクシーな感じですよね。」
なんて、しょうもないことを言って、苦笑いをもらわんですんでよかった。
以前、常に面白いことを言って、笑いをとっていたおじさんが言ってた。
「若いころは、もっと、ドッカンドッカンうけとったんや。
あちこちで爆笑や。
それが、だんだん、その笑いが少なくなってきて、
苦笑となり、そして、それが、いつしか失笑へと変わってきたんや。」
確かに、苦笑も、そして失笑も、いただきたくはないな。
まあ、そんなことを思っているうちに、8分経過。
30分ほど病院に滞在して、様子に変化がなければ、治療終了。
10時半には、すべて完了。
いつもなら、13時はしっかりと過ぎてしまうのに。
ものすごい解放感に包まれる。
いやあ、時間の拘束って、けっこうなストレスやってんなあ。
しかも、化学療法室のブースで、ポツンと一人で過ごし、
カーテンの向こうには、同じように化学療法をしている人々が、ずらずらずらり~~。
そんな状況にも、どこか滅入るものを感じてたんやろなあ。
思いがけないほどの、解放感にどっぷりとひたってしまった。
そこから、思いついて出かけたのが、このパン屋さんである。
開店は11時。
開店前から並ぶこと、2番目。
「開けま~す。」
という声で、お店は開かれる。
お店の中には、1人ずつしか入れないほどの、小さなお店。
でも、2番目だったおかげで、1番目の方がパンを選んでいる間、
硝子戸の外から、パンをしっかりと物色することができた。
パンの説明文字が小さくて読めない時は、ちょっとだけ、顔をつっこんで、
文字だけ読んだりして。
もうすでに、不気味なおばさんしてたわ。
それでも、この解放感を存分に味わうお供に、最高のサンドイッチに出会えたから、許してな。
優しい味のチキン
酸味しっかりのキャロットラペ
この酸味はレモンやな
噛みしめるたびに、味がしみ出すカンパーニュ
お野菜も新鮮
サンドイッチと、うれしさを分かち合うなんてできるんやなあ。
ごちそうさまでした。
夕方から、しゃがむのも苦しいくらい、太ももが痛くなってきたけど、
サンドイッチを思い出して、耐えたわたし。
サンドイッチは、痛みにも対応してくれたわ。