見出し画像

服を買いに行った時のこと

昨日、約半年ぶりにデパートに服を買いに行った。
冬のセールでおかしな買い方をして、その後後悔の念にさいなまれてから、購買意欲を掻き立てられるような場所には近寄らないようにしていた。
デパートにはトラップがたくさんあり、入ったら買わずにいられない仕掛けがたくさんあるので、私にとっては立ち入り禁止区域なのだ。

しかし、贔屓にしているセレクトショップからプレセールのお知らせが届いた。ほとんど全部の商品が30%オフになるはず。行きたいけど、行ったらやばいだろうな。仕事をしている時は月数万を服飾費に使うほどの買い物好きの私が、久々に行ったら反動でおかしなことになるのではないか。そんな気持ちもあった。

先日、贔屓にしているスタイリストがプロデュースしたカーディガンを発売して、割引価格でも2万円。カーディガン1枚にしては高い。今の私にとっては、さらに高価なものだ。割引期間が終わる日にどうしても欲しかったら買おうと思い、終わる日にスマホのリマインダーをセットした。

リマインダーが来た前の日あたりにプレセールの案内が来ていて「カーディガンも欲しいけど、両方買うのはは金銭的に難しい。そうだなぁ、プレセールだとカーディガン1枚の値段で2枚くらい買えるだろうな。今の自分の状態を冷静になって考えると、カーディガンはやめよう。カーディガンはどちらかというと、お仕事着で今のライフスタイルには合わなそうで、着る回数も少なくなりそうだし。どうしてもカーディガンが欲しくなったら、仕事した後にでも買えばいいし。」と自分を納得させた。

プレセールには行きたかったけど、手当金で暮らしていること、また負債がどんどんふくらんでいっていたのでこんな考えがぐるぐるしていた。「服を見るだけにしたいけど、お店の人は顔なじみで、行ったらいろいろ勧められるし、お店の人は私に似合うものや好みをわかってるし、顔なじみだからこそ、断りずらいんだよな。行きたいけどやめておこうかな。」

結局当日になり、せっかく行くなら初日にいいものを買って着倒すのが一番効率的だから、いいのがあったら1枚くらい買ってもいいよね?的な気持ちで、馴染の店員さんに「今日お店にいますか?」とLINEをした。

すると「本日店におりますのでお待ちしております!」との返事が。嬉しい反面、これ行ったら買っちゃうかもという気持ちが浮かんだけれど、連絡してしまったので、お店に向かった。

お店に行くと直接の担当でない複数の店員さんからも「いつもありがとうございます。」と挨拶される。働いていた頃は特にたくさん買っていたので、すっかり顔を覚えられている。「あぁ、もう後戻りはできないな。」と勝手に自分を追い詰める私。(これは絶対私の考えすぎ。笑)

そしていつも担当してくれている店員さんが来てくれた。「お久しぶりです!お元気でしたか?今日ご連絡いただけて嬉しかったです!!!」と大歓迎された。服を買いに来ているのだけど、私がメンタルで休職していることも伝えてるし、カウンセリングばりにいつも話を聞いてもらっている。彼女曰く「服にはその人の内面が現れるので、話を聞くのも接客にはとても大切なこと。」と以前言っていた。きっと私は服そのものだけでなく、この方の接客も買いに来ているんだと感じる。

そして店内を回りながら「気になるのはどんどん着てみましょう。着てみないとわからないですからね。」と気になったものをピックアップしていく。また、彼女は身長が高く手足が長い私の体型も把握しているため「あ、これは似合いそうだけど、あいうえおさんが着るには丈が足りないですね。あいうえおさんの服選びは丈がポイントですから!」となどと服選びのポイントを説明してくれる。

そして7、8点試着した。試着室もいつも、一番広いところを確保してくれるので、休み休み快適に試着できる。店員さんが言うとおり、服は着てみないとわからない。サイズ感もそうだけど、着る前はいいかも!と思っても、着てみると全体的にピンと来ないものがあったり、逆にぱっと見ピンと来なかったものも着てみると似合ったりするから試着は大事。

そして私は「ぱっと見よかったけど、着てみたらイマイチですね。」とか「着心地がイマイチ。」とか「嫌いじゃないけど、あんまり着なさそう。」など率直な感想を伝え、店員さんから見た印象を伝えてもらい、不要なものは容赦なく却下し戻してもらい、点数が絞っていく。

彼女も「せっかく買っても着なきゃ意味がないので、感想は正直に伝えてください。私はそういうの全然気にしないので。」と言ってくれるので助かる。

そして残ったのは、ワンピース1点、カーディガン1点、Tシャツ1点、パンツ1点、バッグ1点の計5点。

試着前に店員さんチェックが済んでいるので、残ったものは全部似合うもの、店員さん曰く全部買った方がいいやつ。

全てセール価格になるとはいえ、すべて購入すると税込みで45,000円くらいになる。そろそろ働こうと思ってはいるけど、やっぱり今の状態だとこれはきつい。

考えて考えて、1万超えのワンピースを諦めることにした。このワンピースを試着した時、他のお客さんや店員さんもこちらを見るほどで、その反応を見ると、きっと似合ってるんだなぁということがわかった。

ただ、金額もそうだけど、このワンピースは前が全開にならず、はおりものとして使うことができないので、いくら似合っていても着る回数が少なくなりそうな気がした。また、このワンピースを買うと、今持っているワンピースを着る回数が減り、コスパが悪くなるなと思ったのも理由の一つだ。(と言いながらも、今もまたそのワンピースのことは考えてしまう。笑)

結局カーディガン1点、Tシャツ1点、パンツ1点、バッグ1点の計5点を購入することにした。「ワンピースは諦めます。」と店員さんに伝えると「もし考える時間が必要なら、お取り置きもできますがいかがいたしますか?」と言われたけれど私は強い心を持って「いいえ、取り置きはしなくて大丈夫です。」と答えると「本当に大丈夫ですか?」と念を押されたので「大丈夫です。本当にご縁のあるお品なら、本当に欲しいと思った時に私の手元に来てくれるので。」と伝えると、店員さんは笑顔で「そうですね。」と言った。

この店員さんにオススメされて買ったものは絶対似合ってるし、人からも褒められることが多いのはわかっているのだけど、でもやっぱり、買った後にクレジットカードの請求やオンライン家計簿の購入記録を見て「あぁ、なんで私買ってしまったのだろう。」と自己嫌悪に陥ることが多かったので、そこは自分の欲を経済状態を鑑みてコントロールできたと思う。

それでも高価な買い物だったと思うけれど、今買ったものは9月末くらいまで着ることが出来ると思うので、3か月半フル活用できるなら、良いお買い物ではないかと思う。

私がおしゃれを意識し始めた頃はDCブランド全盛期で、売る方が偉いって感じで店員さんも高飛車な人がいたりで、試着して断ると露骨に嫌な顔をされたこともあった。HSPな私はそれがトラウマになって、断り切れず買ってしまった服がたくさんあった。

でも今はなかなか服が売れなくて、お店に行っただけでありがとう、試着しただけでありがとう、という世の中になったので、少し気が楽になったけど、でもまだ「断りずらいな」という空気を感じることはある。

以前はたくさん買うで快の感情を感じていたけれど、今回は自分の経済状況、その服を本当に活用するか、など自分なりに考えて、本当に必要な物だけを買った、ということで満足感の高い買い物ができて嬉しかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?