すき焼き
今日の夕飯はすき焼きだった。
特になんの日でもないが、すき焼きだった。
なんとなくすき焼きの気分だったから。
でも、なんでもない日に食べるすき焼きは、なんだかとてつもない贅沢をしている気分になる。
大層なお肉でもない。
1パックなん百円、アメリカ産の薄切りロースで作るすき焼き。
それなのに、すごく贅沢な気がして、なんでもない日なのにこんな贅沢していいのかしら、と悪いことをしている気持ちにさえなる。
すき焼き=特別な日のもの
みたいな価値観ってあるじゃない?
ドラマとかでよく見かける。
お誕生日はすき焼き!みたいな。
あれに支配されすぎてて、そうなるのだろうかなんて思ったり。
別に黒毛和牛の特上肉でもないのに。
そう考えながら、家族とすき焼きをつつきあった。
甘辛い割り下の染みたお肉とお野菜を、といた生卵に浸して食べる。
結局はあの割り下と生卵さえあれば、どんなお肉でも美味しい。
幸せが口いっぱいに広がる。
なんでもない日にすき焼きなんて贅沢すぎだわ、なんて最初は思っていたけど、結局は〆のうどんまでしっかり楽しんで、満腹、満足。
なんでもない日でも、夕飯がすき焼きってだけでなんか特別な日に昇格できるのでは。
今日はすき焼きだったから、特別な日。