見出し画像

ホンモノの金融教育とは何か。ヘンテコタウン2023を通して見つけた可能性

3月21日に幕を閉じたヘンテコタウン2023。
1月から始まったこのプロジェクトは
小学生起業家(通称ヘンテコプレナー)が
自分の「すき」や「やりたい!」を語り、
その夢をカタチにするもので
3ヶ月のゴールとしてお店をオープンさせました🏬

当日は約1500人の親子がパナソニックセンター東京に集まり
様々な体験やお買い物を楽しみました!✨

そんな今回のヘンテコタウン2023では
今までなかった新たな制度を導入しました!
それは、、、
『現金でのやり取り』です!

今までのヘンテコタウンでは「ピット」という
ヘンテコタウン内の仮想通貨で体験をしていました。
そんな中で今回なぜ、「現金でのやり取り」にこだわったのか
それによりこどもたちはどう変わったのでしょう。

1.なぜ現金でのやり取りにこだわったのか

従来の仮想通貨「ピット」を使っていた時は、
商品や体験のやり取りはもちろん、
お手伝いをしてくれたアルバイトさんにもピットでお給料を払い、
そのピットでまた街を楽しめるというものでした。
値下げをしたり、給料を増やしたり、銀行にお金を借りたり、、笑
仮想通貨でも金融教育としては成り立っていましたし、
こどもたち一人ひとりに学びの意味を成していました。

しかし、今回はより本格的に

お客さんに”モノ”や”サービス”を届けるとは何だろう?
”お金を払う””お金を稼ぐ”って何だろう?
働くって何だろう?

これらを自らの体験から学び取ってほしい
という思いから現金でのやり取りにすることを決めました。

そして今回は以下のルールで行いました。

  • 各チームに開業資金として5000円渡す

  • 材料費などは経費として開業資金から差し引く

  • 売り上げから経費を引いた額の10%を寄付する

  • 残りの90%を給与としてチームの人数で分割する


2.こどもたちはどう変わったのか

実際にこどもたちに「現金でやり取りする」ということを伝えた時、
「みんなが欲しいって思える売れるものを作らなきゃ!」
とこどもたちの目の色が変わりました。
特に毎年参加している高学年のこどもたちは
現金でのやり取りで生まれる楽しさと大変さを理解し、
「これは本気で売り上げたい!🔥」とギアが入った様子でした!

事前準備では値段設定にとても頭を悩ませるこどもたちの姿も、、。
日常生活の中で使う「お金」だからこそ
「この値段だとお客さんあんまり来てくれないかも」
「もう少し上げて利益を出そうよ」
生産者・消費者の両者の立場に立って考え、
どのグループも自然に議論が生まれていました。

そして迎えたヘンテコタウン当日。
売れ行き好調のチームもあれば
苦戦しているチームもありました。
でもどのチームも自分たちでつくりあげたサービスや商品に
価値を感じてもらうために接客を頑張っていたり、
臨機応変に新たな施策を打ったりしていました。
ヘンテコプレナー全員が「自分たちのお店」という自覚の元
自由と責任を楽しむ姿が印象的でした☺️


実際に当日参加していただいた大人の方からはこんな声をいただきました✨

最初は、そう簡単にお金は払わないぞ。という気持ちでいました。
寄付をするつもりはなかったのです。
お店をぐるりと見た後に、ふと、
長女にプレゼントを買おうかなと思いました。
その視点にたつと、ヘンテコ起業家が急に
頼もしいコンサルに早変わりです。笑
その色じゃダメ、こっちの方が良い、この形にするべき・・
5歳なんだからこうじゃないと・・
などなど、アドバイスの嵐でした。笑
長女の欲しいだろうものが、年齢が近いからこそわかるのです。
私は、気持ちよく「お金」を払いました。
その商品もさることながら、
ヘンテコ起業家たちのアドバイスに「価値」を感じました。

アットオフィスのCEO『「ヘンテコタウン2023」参加しました!』より

そしてヘンテコタウン終了後に給与として
各チームで分配しました。
ほとんど活動に参加できないメンバーがいたチームでは
本当にチームメンバーの数で分割するのがいいのか?
という議論が生まれました。
この議論が生まれたのも
こどもたちが本気でお店づくりに取り組んだ証拠とも言えるでしょう。
最終的には商品作りをどれだけやったとか、
お客さん呼び込んだとか、装飾したとか、
そんなの比べられないよねという結論になり平等に分割をしました。
もちろんこの議論に正解はありませんが、
「働く」ということをどう評価するのかというところまで
自然に学ぶことができていた様子でした。

3.こどもたちのお金の使い道

はじめて働いてお給料をもらうという体験をしたこどもたち。
ただもらって終わりにならないように
4月9日の通学コースでは3ヶ月の振り返りとお金の使い道について
こどもたちと話し合いました。
意外にもまだ使ってないというこどもが多く、
何に使おうかなと頭を悩ませていました。
お金も使い方として
「消費」「浪費」「投資」「寄付」「貯金」を学び、
どんな風に使いたいかをそれぞれ考えました!
「本を買って未来の自分に投資する!」という子や
「少しは浪費してもいいと思うからおもちゃ買いたい!」
など様々な意見が出ました!⭐️

そして利益の1割の寄付先もこどもたちと決めました。
「ヘンテコタウンはたくさんの人に
夢を応援してもらったから今度は私たちが誰かを応援する番だ!」

と言って目をキラキラさせながら寄付先を選んでいる姿が
素敵でした!👀
それぞれのリサーチや議論の結果
以下の団体に寄付をすることにしました!

寄付先団体

Good neighbors Japan
一匹でも犬・ねこを救う会

ヘンテコタウン2023を通してこどもたちは
働くとは何か
お金を使うとは
お金を稼ぐとは
一人ひとりが体験を通して考え、学びを深める期間となりました!!✨


いいなと思ったら応援しよう!