【物語の仕組み2】優れたあなたの秘密を知りたい from『いもいも』
本記事では、『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』(以下、『いもいも』)に見られた「物語の仕組み」を整理・収集します。
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『いもいも』では、祐(永久野誓)が「勝者」、舞が「敗者」。
2人が直接対決したわけではないが、舞が永遠野誓の作品を読み、「自分よりも優れている」と感じたことで物語が動き出す。
『いもいも』では、舞は、祐を「自分よりも優れたラノベ作家」と認め、「あなたを丸ごと研究させてもらうわ!」と宣言。
それ以降、祐につきまとい、祐の家を訪問し、尾行し、無断でカバンを開け、さらにゴミ箱を漁る……ストーカーである。
『いもいも』では、物語の冒頭、祐と舞は単なるクラスメイトで交流がない。
ところが、舞が祐に接近し、あれこれあって……古くからの友人のように行動を共にすることになる。
『いもいも』では、祐は「永久野誓の正体は涼花」という秘密を抱えている。
舞にバレぬよう、祐と涼花が四苦八苦する様子がコメディタッチに描かれている。
補足
『いもいも』では、舞は「これからあなたの秘密を探る!」と宣言してから祐に接近した。これとは別に、敗者が勝者にバレぬようこっそりと行動を起こすパターンもあり得る。
また、『いもいも』では、祐の秘密はバレずに終わった。ただ、敗者が勝者の秘密に触れ、物語が大きく動き出すパターンも考えられる。
例えば……ある学生が歯ぎしりをしている。彼は熱心に勉強に励んでいるものの、定期テストでは万年2位。どうしても1位に勝てない。何か秘密があるに違いない。素晴らしい家庭教師に教わっているとか、実はカンニングをしているとか、事前にテスト用紙を盗み出しているとか。
彼は意を決して尾行を始める。
しばらくして気づく……あの男……まさか!彼は知ってはいけない秘密に触れてしまった!魔手が伸びる!逃げるのだ!
……といった具合。
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
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<コンテンツ>
・3:【ストーリー深読み】なぜ祐はラノベ作家になれないのか?
・5:【キャラ分析】『いもいも』の氷室舞と『エヴァ』のアスカの比較人間学
・7:【物語の仕組み1】秘密があるから距離が縮まる from『いもいも』
・8:【物語の仕組み2】優れたあなたの秘密を知りたい from『いもいも』
・9:【物語の仕組み3】秀才は天才に苛立っている from『いもいも』
(担当:三葉)
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