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【物語の仕組み3】秀才は天才に苛立っている from『いもいも』
本記事では、『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』(以下、『いもいも』)に見られた「物語の仕組み」を整理・収集します。
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『いもいも』では、アヘ顔Wピースが「天才」、春菜が「秀才」に該当する。
アヘ顔Wピースは、鬼畜凌辱ものを愛するイラストレーター。
一方、春菜は人気同人サークルで活躍するイラストレーター。
春菜は、アヘ顔Wピースの天賦の才に敬意を抱いている……が、アヘ顔Wピースが一般受けしない作品ばかり描いていることに強い不満を感じている。
『いもいも』では、アヘ顔Wピースと春菜の同人誌対決後、エピローグで「実は春菜がアヘ顔Wピースを尊敬していた」「それゆえに、一般受けしないイラストばかり描いていることに苛立っていた」ことが説明される。
『いもいも』では、祐がアヘ顔Wパースに『非・鬼畜凌辱系のイラスト』を描かせようとするシーンがある。
アヘ顔Wピースは指示に従おうとするが、絵のクオリティは低下し、彼女は思わず泣き出してしまう。
その後、祐は謝罪。アヘ顔Wピースは大好きな鬼畜凌辱系のイラストを描き、春菜との戦いに勝利する。
補足
フィクションの世界には様々な天才が登場するが、彼らを分類する方法の1つとして「『好きなことを楽しんでいる』時にのみ才能を発揮できる』という制限がかかっているか否か」という視点がある。
『いもいも』に登場するアヘ顔Wピースは、この制限がかかっているタイプの天才。
比較的近しいのは『ハチミツとクローバー』のはぐちゃん(花本はぐみ)だろうか。
ちなみに、歴史上の偉人もこの視点で語られることが少なくない。例えば、「エジソンは通常の学校教育に馴染めずに小学校を中退したが、発明王になった」など。どうやらこのタイプの天才は、完全無欠型よりも世間受けするようだ。
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
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<コンテンツ>
・3:【ストーリー深読み】なぜ祐はラノベ作家になれないのか?
・5:【キャラ分析】『いもいも』の氷室舞と『エヴァ』のアスカの比較人間学
・7:【物語の仕組み1】秘密があるから距離が縮まる from『いもいも』
・8:【物語の仕組み2】優れたあなたの秘密を知りたい from『いもいも』
・9:【物語の仕組み3】秀才は天才に苛立っている from『いもいも』
(担当:三葉)
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