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<第4回>(続編)コメ・ジャンキー必見!コメ高騰の裏にある日本経済のリアル
今回は前回の続き。
最近のコメ高騰と経済について引き続き書きます。
前回<第3回>ではコメ高騰の要因の一端である「店頭でのコメ品薄現象」について書きました。
今回は「店舗でのコメ品薄現象」よりも厄介な【日本のコメ施策の闇】について書きたいと思います!
日本のコメが抱える2つの構造問題
⑴シン・減反政策
「減反政策」とは国がコメの生産量を調整し値段が落ちないよう価格操作する為の政策だ。「それ授業で習った!」と思われる人もいるのではないでしょうか?
<減反政策の概要>
✅1971〜2018年まで実施
✅①農家の保護②国の財政維持、の2点が目的
[戦後間もない日本]
食料不足により国はコメの生産を推奨。じゃんじゃんコメが出来る!
↓
[戦後からの復興・経済成長期]
食生活の多様化。パン、麺類の普及により「絶対コメ!」という人が減り生産されたコメが余り始める。
↓
[国がコメ農家を支える!期]
余ったコメが売れなければ農家の皆が生活出来ない!という事で「余ったコメは国が買い取るぜ!」と国は太っ腹な時期。
↓
[減反政策期]
コメの過剰生産はコメの供給過多(売るコメがいっぱいありすぎて値が下がる状態)を招き、農家の収入減少に繋がる。それを防ぐ為に国が買い支えるが財政難になりかねない(国のお金がなくなる)。
だから減反政策!コメの生産量を調整し価格が下がらないように出来るし国も余ったコメを買い支える必要がないので財政難にならない!
↓
[減反政策終了]
コメや農家を守りすぎて農業の国際的な競争力低下気味に!「いつまでも甘やかしちゃいかん!」という事で減反政策終了〜!のハズだった・・・。
✅減反政策リボーン!
2018年に終わったはずの減反政策は復活していた・・・。
国は補助金を農家に出し、コメの生産量を調整している。
⑵4種類のコメ
前述したように、国は補助金を使いコメの生産量調整を行なっている。
このシン・減反政策には“コメの種類”が大きく関わっている。
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日本には↑のように4種類のコメがある。どのコメを作るかは農家が決めて良いのだが主食用米“以外”を作る場合、補助金が貰える仕組みになっている。
ということは「主食用米以外を作った方が補助金貰えるから儲かる!」と考える農家が増え、皆が食べるコメ(主食用米)は少なくなる!
しかもこの4種類のコメ、種類を勝手に変えられない(例えば、主食用米が不足しているので備蓄米を主食用米に回す、みたいな事が出来ないって事)。だから最近話題になってる備蓄米の問題がある。「こんなにコメの値段上がってるから早く政府は備蓄米出せよ!」→コメの種類が違うから政府も出したくても出せない!
これが日本のコメが抱える2つの構造問題です。
✅シン・減反政策により皆が食べるコメ(主食用米)の生産量は調整されている!
✅4種類のコメは勝手に変えられない(備蓄米、加工用米が沢山あっても主食用米に流用出来ない!)
その為、日本のコメ価格高騰が起こってしまったのです!
次回<第5回>では“コメの流通の闇“について書きます。
日本のコメ。まだまだ闇は深い・・・・。