
マーケティングと図書館|本を借りるだけじゃ勿体ない!
商品やサービスをもっと沢山売りたい、多くの人に知って貰いたい。そう多くの人が願っているものの、日々移り変わる時代の中でマーケティング(販売戦略)を適切に行うのも至難の業です。出来るだけお金をかけず、有益なマーケティングの手段のひとつとして、図書館に行きませんか?
■マーケティングとは?
小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」でも有名な経営学者ピーター・ドラッカー氏は、
「マーケティングの理想は、販売を不要にするものである。」
と述べています。

お客様に「買ってください!」とプッシュしなくても、お客様から自然に買いたくなる状態をつくるためには、お客様のニーズに合った商品を、適切なターゲットに向けて発信していくことが大事です。
★マーケティング(販売戦略)とは
(1)市場調査(マーケティングリサーチ)
(2)広告宣伝活動
(3)効果検証
(4)商品企画
を行って商品を販売すること
大手の企業であれば、自社で蓄積してきたビッグデータを元に分析し、自社の顧客を元に効果検証を行い、商品企画に繋げることが出来ますが、個人や小さな企業だと簡単には出来ません。そして外注するとお金がかかる…。
中小企業や零細企業のマーケティングで、出来る限りコストをかけずに行う方法として、私がお勧めしたいのが図書館の活用です!
■図書館、本を読まなくても。
図書館に行こう!と言うと
忙しいから有益な本や人気の本をAmazonでポチって自宅に届けてもらう方がいい。
と仰る方がいらっしゃいます。
最近はネットでポチっと購入すれば翌日には手元に届きますので、便利なのはもちろん理解できます。
しかし人々の意識や好み、人気や行動など時代と共に変化し、景気や社会の動向にも左右されます。その変化や流れを調査することこそがマーケティングなので、日々移り変わるのが当然なのです。
そう、マーケティングに最適なのは、地道に空気を感じ、調査すること。その場として図書館は非常に適しています。本を借りて読む以外の活用法、ぜひ使ってみてください。

■図書館の活用法
A.図書館に入ってすぐに誰でもできること
①最近新しく入った図書一覧のリストを確認
→最近人気、もしくはリクエストの多かった書籍である
②図書館のトレンドコーナーをチェック(スタッフの方が作った素敵なコーナーがよくある)
→季節・時事情報・流行にあわせたコーナーと、それに関する書籍が置かれている場合が多い


③ 返却されたばかりの本をチェック
→図書館によっては、返却されて本棚に戻される前に、一旦置いておく返却本置き場がある。それをその場からすぐに借りることもできる。誰かが最近借りた本のトレンドが分かる。

B.図書館で本を借りてできること
① 雑誌でも旅行本でも料理本でもなんでもOK、自分の興味のある本を手に取って借りる。
→その際に、なぜその本が気になったのか?
自問自答する。
*置いてある場所がよかったのか
*タイトルの付け方が良かったのか
*本の色やフォントに目を奪われたのか
*本の分厚さがちょうど良かったのか
②借りようと思えなかった本についても同様に考察する

③もし家族がいれば、自宅に帰った後に借りた本を並べて、どれが一番好きなデザイン・読みたくなる本かを問うてみる。
④もし子どもがいれば、絵本を沢山借りてきて、一番にどの本をよみたいのか問うてみる。

図書館、
行ってみたくなりませんか?
■自宅でできるマーケティング
この写真は、私が近所の図書館から借りてきた絵本です。うちの子どもたち2人にこうやって全ての絵本を見せて、どれを最初に読んでほしいかと聞きました。

すると子どもたち2人とも、同じ絵本を選んだんです。どれだったと思いますか?
答えは、
上の段の左から2番目、「はなくそゆうかいじけん」です!

子どもって鼻くそとかウンチとか大好きですよね…。
そんなマーケティングの調査が生かされて誕生したのが「うんこドリル」ですよね!子どもの興味関心を勉強に活かせるよう作られましたが、まさに子どもを対象としたマーケティングがうまくいった例だと思います。

子どものように、アンケート調査をするのが難しい対象こそ、こういった図書館を利用したマーケティングが有効だと感じています。
■いつもと目線を変えてみる。
こういった方法に慣れてくると、私たちの生活のすべてがマーケティングに活用できるようになってきます。
・スーパーやコンビニの棚の陳列で何が売りたいのか、売れそうだと思っているのかがわかる
・見切り品コーナーでは、バイヤーさんの思惑が外れて売れなかったなどのストーリーが見える
・セット商品では、心理効果を生かして売ろうとする企業の意図が見える
・総菜コーナーの品ぞろえ、量を見れば、近隣に住んでいる住人の年齢層や世帯数が見える
その日々の積み重ねこそが、次の判断や決断のタイミングに活かせるのではないでしょうか。
■その他マーケティングの知識として
最後に、様々な購入方法・チャネルの使い方の違いについてまとめてみました。
最近は、ECサイトやSNSからも様々な商品を購入できるようになり、あらゆる方法で購入ができるようにする「オムニチャネル」が主流になりつつあります。
★オムニチャネルとは★
顧客が購買できるあらゆるチャネル(販路、顧客接点)から購買ができるよう、流通経路をつなげること。テレビ、ラジオ、ダイレクトメール、カタログ、といった従来の販路に加えて、実店舗やECサイトはもちろん、メールマガジンやテレアポ、TwitterやInstagramをはじめとするSNSなど、すべての販路と流通経路がシームレスで繋がることを強調した小売り戦略である。いくつかの販路を組み合わせて提供する取り組みはマルチチャネルと呼ばれるが、オムニチャネルはあり得る全ての販路を統合することに焦点が置かれている。
タイの小売り大手セントラル・リテール・コーポレーション(CRC)や米ナイキでも、オムニチャネルに切り替えて経営戦略を練っていくという様子が下記の記事より見受けられます。
このオムニチャネルと他の手法との違いもおさらいしたいと思います。
★マルチチャネル★
商品の販売機会を増やすために複数のチャネルを用意すること。ただし、各チャネルは独立しており、別々に売上アップを目指している。それに対してオムニチャネルではチャネルを統合し、全体の売上向上を実現する。
★クロスチャネル★
マルチチャネルにより誕生した各チャネルを連携させること。オムニチャネルはクロスチャンネルをさらに発展させたものであり、各チャネルのつながりを強めて総合的なアプローチを行う。
★O2O(Online to Offline)★
オンラインからオフラインへ送客するための手法。実店舗の顧客を増やすため、インターネット上のサービスを活用する。それに対してオムニチャネルは、オンラインとオフラインのチャネルを区別せず両方で顧客獲得を目指す。
知識はチカラです。
コストをかけるばかりではなく、図書館などの公共のサービスを上手く活用することで地道にコツコツ、継続して積み重ねることで、ぜひご自身の事業やサービスも最適な方法で販路を拡大してみてください!
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マーケティングと図書館
本を借りるだけじゃ勿体ない!
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株式会社minitts
代表取締役 中村朱美
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Thanks!!
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