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【50歳からのベイビーステップ】 ~1番手放すのが怖かったもの。1番わたしが求めていたもの~
こんにちは!100歳図書館の事務局メンバー【ライター担当】えっちゃんこと柴田 惠津子です!
今回ご紹介する人生最高の1枚の写真
50歳からのベイビーステップ
~ 1番手放すのが怖かったもの。1番わたしが求めていたもの。~
アメリカにある大峡谷、グランド・キャニオンの雄大な自然のなかで佇んでいる女性は、どんなストーリーをお持ちなのでしょうか。
お写真の持ち主は、椿姫 よよこさんです。(写真左)
シングルマザーとしてひたすらに仕事と子育てに明け暮れる日々を過ごし、50歳になったとき、自分自身の人生をやり直そうと、一念発起してサラリーマンを「卒業」されました。
その転換期によよこさんが訪れたのが、アメリカのグランド・キャニオン(写真)なのだそうです。
現在は、幸せなパートナーとご家族に囲まれて暮らしているよよこさん。彼女が1番望んでいた人生へのベイビーステップ(小さな1歩)をどのようにふみ出されたのでしょうか。
よよこさんが人生で1番求めていた幸せとは……。
還暦を前にしたよよこさんから、この「特別な写真」にまつわるご経験を聞かせていただきます。
お写真に込められたよよこさんの想いを2021年3月7日 「つながる100歳図書館」で語っていただきました。
この記事では、そのエッセンスをまとめてご紹介していきます。
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小さいころから見てきた悪夢。何かからずっと逃げていた
- こちらは、いつごろ撮影されたお写真でしょうか。
2017年の7月、55歳のときですね。6月にサラリーマンをやめて、1週間後にアメリカに行きました。ビザの関係で短期留学したのですが、そのときの写真のうちの1枚です。
仕事を辞める3ヶ月ほど前に、当時暮らしていた大阪で英会話を習っていました。そのとき、語学留学のお話があったんです。ちょうど会社を退職するタイミングでもあったので、導かれるように渡米を決めました。
- お仕事を全て辞めて渡米するという、かなり思いきった決断をされたのですね。グランド・キャニオンに行ったとき、デジャブのような不思議な体験をされたとか。
わたし、幼いときから、悪夢にうなされることがよくありました。夢のなかは戦場で、囚われの身になっていまして、何かに追われて一生懸命逃げているんですよ。渡米して訪れたここグランド・キャニオン(写真)が、まさかの、悪夢で見ていた場所と合致したんです。
だから、グランド・キャニオンの美しい峡谷を眺めることができるデザート・ビューという展望台を登ったときも、わたしは足が上がらず、息も苦しくなり、やっとの思いで頂上に上がりました。階段が険しいとかってわけではなく。それが夢の中なのか、現実なのか……。
でも、この日を境に、わたしは怖い夢を見なくなりました。
- そのお話を伺っていると、よよこさんは軽やかに、ちゃんと行くべきところに行かれたように感じられますね。
はい。こういうことってあるんだ、って。でも「人を変えるより自分を変えるほうが楽」ってよく言いますけど、そう簡単なものじゃない!
ほんとに変えたい!って覚悟しないと変われないと思ったし、軽やかに見えるかもですけど、結構怖いですよね。
仕事を辞めたら収入なくなっちゃうし。退職金なんて大したことないし。そこを超えるってことが……すごく……。
50歳。手放すと決めた砂漠のような人生
- 渡米前のよよこさんは、どんな日々を送っていたのでしょうか。
シングルマザーをしながら、銀行員、グラフィックのデザイン、診療所の事務など、数字を追いかけるように、仕事をバリバリこなす日々を過ごしていましたよ。
でも、あるとき上司から「職場では個性はいらんから」と言われてしまったことを境に、生活費を稼ぐためだけに淡々と働いている時期も長くありました。
娘が20歳になったとき、わたしは50歳だったのですが、ふと「ちょっと待てよ。わたしの人生、こんなんでええんかな?」って、本気で思ったんです。
ふり返ると、砂漠のような人生を送っていたんですよね。常に心の奥が乾いていて、何のために生まれてきたんだろう、と思っていました。
わたし、男尊女卑が強い家庭で育てられまして、幼いころは、男の子としての教育を受けてきたんです。親には「女は勉強しなくてもいい」と言われたり、どんなにがんばってもほめてもらえなかったりするという、女性であることを全否定されるような日々を過ごしましたね。
それから、大好きな人と結婚できたものの、結局、離婚することになりまして、シングルマザーとして子育てをしながら働いてきました。
ちょうどわたしの更年期と娘の反抗期ががっちゃんこしたのもあって、娘とは毎日ケンカばかり。「おかんみたいな生き方せぇへん」などと言われてしまうこともありましたね。
周りの方々にも、「いつ寝ているんですか?」、「いつ食べているんですか?」と心配されることもありましたし、「アンドロイド」、「サイボーグ」なんて言われることもありましたので、乾ききった人生を送っていたんだと思います。
写真のころに一度仕事を辞めることは、無収入になることでもありますし、正直、1番怖いことでした。でも、本気で、自分の人生を変えたかったですし、やり直したいと思ったんです。
- 小さなころから、ご自身のお気持ちを押さえながら生きてこられたのですね。とてもお辛い状況だと思いますが、お話くださりありがとうございます。よよこさんのリアルなお話から、男女の格差の問題などの社会課題を考えさせられる機会にもなりますし、50歳になってから、自分の幸せを考え直し、行動していくよよこさんのご経験や想いに、勇気と希望をいただける方もいらっしゃるのではと思いました。
わたしが1番求めていたものは、ここにある
実は……この写真を撮影してくれた人が、現在のパートナーなんです。
当時アメリカで働いていた彼が、ツアーガイドとしてグランド・キャニオンに同行してくれました。その場所で(悪夢のデジャブのせいで)わたしの体調が優れなくなったのですが、彼も同じ感覚だったらしく、共感してくれたんです。
(こういう話もあるんだね、くらいでサラっと聞いてもらえばいいのですが……)実は、わたしたちの過去世では、彼もわたしの悪夢のなかで、同志だった登場人物だったんです。
- なんと……そんなことがあったとは! グランド・キャニオンは、パートナーさんとよよこさんにとって「特別な場所」になったんですね。新たなパートナーさんと出会い、1番望んでいた人生を歩みはじめている今だからこその気づきや今後に向けた目標などがあれば教えてください。
※よよこさんは、このころのアメリカへの短期留学から帰国してから、今のパートナーさんとの新しい暮らしが始まったそうです
パートナーについては、周りの方から「こんなに大事にされて幸せだね」と言っていただけることもあり、たしかに、そうだなぁって。
1番自分が求めていたものだったんだろうな。
彼と出会って、いろいろ大変なこともあったんですけど、すっごい毎日幸せです。
そして、家族のみんなの心が豊かになって、外でいいお仕事ができれば、社会全体もよくなっていくんじゃないかなと考えています。
お家で元気をチャージして、朝「行ってきます」って笑顔で出かけて、「ただいま」って無事に帰ってくるという、こういうシンプルなことが大事だということを伝えていきたいです。
やっぱり、家庭が1番大事なんだなぁって思いますね。
- 最後に、人生に悩みを抱えている方に向けて、よよこさんからメッセージをお願いします。
変わりたくても変われない、やりたいことがあっても1歩ふみ出せない、などで悩まれている方は、きっと、すごく辛い状況だと思います。
でも、自分の想いとタイミングが、わたしのように、カチャって合うときがやってくるときもあるはずなので、それまで焦らないで過ごすことも大事にしてほしいなと思います。
ベイビーステップで、ちょっとずつ、ちょっとずつ。
朝起きたらカーテンを開ける、新しいズボンに履き替える、といったほんの小さなアクションでもいいと思うんです。昨日の自分とは違うことを、何か1つでも取り組んでみたときには、自分をほめてあげてくださいね。
でも、動きたくないなぁというときは、動かなくていいよ、ってわたしは言ってあげたいです。
そういう時期も肥やしになっていくと思いますし、人生に無駄なことは何1つないですよ。
- よよこさん、素敵なお話をありがとうございました。自分の幸せとは何か、改めて考えてみたくなりました。焦らずに、自分のタイミングを大切に、ベイビーステップを積み重ねていきたいと思います。
執筆:柴田 惠津子
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椿姫 よよこ(つばき よよこ)さん プロフィール
1962年12月27日生まれ。神奈川県横浜市在住。シングルマザーをしながら、銀行員、グラフィックのデザイン、診療所での事務などの仕事を経験。2017年、55歳のときに脱サラ。アメリカ・ロサンゼルスへの短期移住や語学留学を経て、現在は新たなパートナーと日本で暮らしながら、人生相談系のカウンセリング、音声配信、小説執筆などを行う。2021年3月7日、100歳図書館に登壇
好きな言葉:
あなたもわたしも世の中も、ハッピー、ラッキー、スマイリー。まずは半径1メートルから!
わたしは日に日にあらゆる面で、ますますよくなってゆきます
(フランスの薬剤師 エミール・クーエより)
音声配信:
ヒマラヤラジオ
『椿姫よよこの「心のもやもや ちょっと話してスッキリしよか。」』
https://www.himalaya.com/album/2914798
小説:
『日の出診療所、外来・望月です!』
KADOKAWAの小説投稿サイト「カクヨム」のWeb小説コンテストで最終選考作品に選出
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