見出し画像

100人カイギsummit2020 DAY6 -ニューノーマルのコミュニティを定義する -report

2020年11月7日に行われた 100人カイギsummit2020 レポート、トークテーマは『ニューノーマルのコミュニティを定義する

画像2

お話の内容をリアルタイムで可視化する、グラフィックレコード(Tomio Naritaさん作)とあわせてお読みください。

画像2

100人カイギsummit2020
 一般社団法人INTO THE FABRIC(所在地:東京都港区、代表者:高嶋大介、以下:ITF)の主催するコミュニティ、100人カイギ(※)は2020年11月2日(月)〜7日(土)の6日間、「100人カイギsummit2020」をオンラインで開催。
テーマは「つながる、その先」。
新型コロナウイルス感染拡大によって、これまで当たり前だった「人と出会うこと」に大きな変化が生まれ、コミュニティのあり方が問われています。 これからの時代、人と繋がる意味・価値を、多様な登壇者計43名とともに改めて考えるイベント。
WEBサイト

画像3

【登壇者】写真左より
坂井潤平さん : 株式会社ユーザベース 執行役員
鈴木美穂さん:NPO法人マギーズ東京 共同理事
豊田啓介さん : nois パートナー

ニューノーマルのコミュニティを簡単に表すと?

ニューノーマルの時代に新しく加わるものとして無視できないのが『オンラインの世界観』です。今回の対談のために、登壇者の3名は事前にこのテーマについて表す言葉を用意してきました。各登壇者の言葉と、感じていることをぜひご覧ください。

画像4

豊田さんの「オンラインの世界観」を表す言葉「離散化・流動化・多層化」

・離散化
リモートワークで働く人が増えましたが、それによる大きな変化のひとつは仕事をすることの基準がオフィスで働いているかどうかではなくなったこと。リモートワークの最中にひとつの仕事だけに時間を費やすのではなく、家にれば仕事の合間に料理や掃除をすることができるようになりました。

・流動化
好きな場所で仕事ができることで、仕事から物事を切り替えるタイムラグが減りました。それは、人の移動、所属の移動、機能の移動が身体の移動から切り離されたからです。

・多層化
流動化によりオフィスや店舗を貸しにくくなり、従来の不動産の価値に新しい層を加える必要が出てきました。メンバーに会う意義が、業務を進めるという意義ではなく、対話やコミュニケーションへと変化しています。

ニューノーマルので世界線では急いで正解を求めそうになりますが、今はあくまでも過渡期。今後据え置きのニューノーマルというものはありません。押さえておきたいのは、新しい流れができていく中で、従来のような大組織的な先入観や既存のシステムを当てはめようとしても、どうしてもズレが生じてくるということです。

いったん先入観を捨てて、ちょっと使ってみる。0か100でなく、少しだけ新しい要素を取り入れてみる。その上で変わらなければいけない部分・従来のスタイルでの良い部分を同列の選択肢に並べ、ニュートラルに選ぶことが必要なのかもしれません。

コロナ禍においては、そういった実験が許されやすい状況になったとも言えます。

画像5

鈴木さん「オンラインの世界観」を表す言葉「分人化」

”分人化”とは、ひとりの人間の中に“たくさんの人”を持てるという意味です。ひとつ大きな活動や経験だけがその人のアイデンティティーに見えてしまいがちです。私にとって、乳がんは人生経験の一部です。

私には、母であること、妻であること、世界一周の経験があることなど、たくさんの側面があります。場所を選ばない新しい価値観が手伝って、アイデンティティそのものが、ひとつの大きな所属意識から、“これもわたしそれもわたし”と色々なシーンでの立場や価値観の連なりとして自覚できるようになってきています。

複数拠点の人が増えたり、ひとつのコミュニティへの所属意識はよりカジュアルになっており、組織や社会もこの急速な変化を認めざるを得なくなっています。アフターコロナを迎えたからといって、100%以前の状態に戻ることはまずないでしょう。

そのなかでも、たとえば学校などの学びの場に関しては特に仕組みの変化が必要になってきます。子どもにも色々な学びのシーンや環境を与えようと考える保護者が増えてきても、従来の学校の仕組みはそれを叶えるものではありません。

所属の捉え方の変化によって、生き方・働き方・暮らし方なとあらゆるシーンで変化が生まれてきています。

場所をとらわれない価値観が育つことで、これまでは物理的・肉体的に自動でスイッチの切り替えができたところを、精神的なコントロールやフォローにより補う必要性が出てきそうです。

コミュニケーションが大切になってくるのは精神的な側面だけではありません。これまでは、その場にいさえすれば組織が束ねて流してくれていた情報を、各々が能動的に引き出していくようになります。

また分人化+同じ場所での流動的な作業移行が叶うと、今度は移動時間でものを考えたりリセットをすることができなくなります。情報や感情を整理する、インターバルの代替え案を用意する必要がありそうです。

画像6


坂井さんの「オンラインの世界観」を表す言葉「オンラインファースト・コンテンツの連続性」

・オンラインファースト
こちらはコミュニティ運営や制作をする側の視点からです。BtoBの世界は、ついこの前まで最初のご挨拶が完了するまで対面が必須である「オフラインファースト」でした。

それが、最初から最後までオンラインでやらざるを得なくなったことで、意外とできることが多いことを自覚することになりました。さらにはオンライン上であればコミュニケーションに気軽さが生まれることにも気付きました。仕事の後にもゆるくつながり続けられるので、インタラクティヴ性(双方向的なコミュニケーション)も上がっています。

・コンテンツの連続性
共通の関心に人が集まる場所がコミュニティであると仮定した時、過渡期の今は各コミュニティが単純に同列の選択肢にたくさん並んでいる状態になりました。情報過多の状況の中で、特定のコミュニティに入る理由やそこで何かを共有する動機は何なのか。

これまでコンテンツの機能が目的のメインだったのが、コミュニティ全体のストーリー性だけでなく、一人一人が自身のストーリーとして語りたくなる部分が求められるようになります。

コミュニティの一員である自分という捉え方から、コミュニティが自分の一面になると捉える方向に変化していることがわかります。

私の運営するマギーズ東京は現在はオンラインでの活動を進めていますが、もともと対面向けのコミュニティでした。イギリスが発祥の考え方として、「何度来ても良い安心できる場所」として最寄りにある場所に利用者が集まることを活動の第一歩としています。

オンラインになったことで、リアルの場に来るのが難しい人ともつながれるメリットが生まれましたが、対面の良さを再確認したというのが正直なところです。環境の中での癒し、対人での温もりの代替え案というのはなかなか見つかりそうにありません。

画像7

環境や組織が、ニューノーマルに合わせていく

この回を通し、豊田さんが「環境や組織がニューノーマルに合わせていくことの必要性を繰り返し話していたのがとても印象的でした。過渡期の最中、2025年の万博が最高の実験になるのではと考えているそうです。

大阪万博は、リアルの参加者=総合の参加者数ではない最初の万博になりえます。そうなれば、集客の定義自体が変わっていくでしょう。半年で2800万人の来場を予定していますが、これは人気ゲームであるfortniteのイベントで2日間の同時接続者数とほぼ同じ数であり、同等の価値となります。

リアルでの人の囲い込み(独占)により共有する時間と、隙間時間を含んだ時間のタイムデザインでは、数字の出方も変わって当然です。各組織の時間のとり方によって、時間を費やす側が求めることもますます多様化するはずです。

リアルで対面しないことで何ができるか、リアルで会うことの大切さはどこにあるのか、、、今後、組織と個人のニューノーマルに向けて、創る力と選ぶ力が試されのではないでしょうか。

100人カイギ2020 レポート
100人カイギsummit2020 -DAY6 約束どおり解散した100人カイギの今- report
100人カイギsummit2020 -DAY6 人とAIとコミュニティ- report

100人カイギsummit2021

今年も100人カイギsummit開催いたします!

画像8

今年のテーマは「つながるは、ひろがる」
イベントの詳細はイベントページをご覧ください!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?