手作り簡易魚道をつくりました!
森は海の恋人
河川の落差、ダムは水生生物の行き来を阻害します。
森が海の恋人(※NPO法人森は海の恋人)であるためには、川という仲人がいてこそです。川は森の栄養分を海へ運び、海から川に帰ってくるさけますを通じて森に豊富な栄養素を循環させるのです。
知床にはダムがあります
知床では、毎年のようにダムの改修や検討が行われていますが、改修には時間も莫大な予算もかかるので簡単には進みません。
知床には、いまだにいくつもダムがあるのです。そして魚はダムや落差を乗り越えることができません。
しれとこ100平方メートル運動は、2021年、イワウベツ川の上流、盤ノ川の落差工に魚道を架けました。
本番の作業は重機なし、手作りで2日間で作ることができました。
盤ノ川ダムの位置
ところでこの盤ノ川の魚道は、全体のうちどこに位置するのでしょうか。
埋め込んだ動画の中で使っている以下の図をご覧ください。
赤い四角がダムの位置、黄色い四角が改修済みのダムの位置を示しています。
斜里町のダムはNo.7ダム、No.3ダムの上流に位置しています。「勝利橋橋脚下ダム」という場所です。
赤い2つの林野庁ダムは未改修なので、町のダムまで魚が上ってくることはありません。
しかし、私たちの運動が直接手を入れられるのは上流の町道にかかる勝利橋橋脚下ダムだけです。
当時、林野庁のダムは、羅臼側を含めてどこのダムを回収するか検討中の段階でしたので、イワウベツ川で町も頑張っているので林野庁さんも一緒にやりましょう!と呼びかけたい意図もありました。
(2022年に林野庁ダムは設計をはじめ、翌年から着工し5年後には改修予定になりました)
そして本来なら、ダムのコンクリートを重機で削るなりしてしっかりと工事したいところですが、膨大な経費がかかるので町の財政では無理です。
そこで、手作り魚道の経験豊富な岩瀬晴夫さんに手を貸していただいて(手弁当ですみません!)魚道を作りました。
当時、処分に困っていた間伐材を埋め込み、有効活用しました。
その様子が、最初に掲載した動画です。
岩瀬さんから「これほど急流な場所で魚道をつくったことはない、経験になるからボランティアでもやる。そして知床で魚道づくりができる人が増えれば、自分が引退しても魚道づくりが続く」と熱いお言葉を伺う機会にもなりました。
岩瀬さんについては、しれとこの森通信2017/No.20をご覧ください。インタビューが掲載されています。
https://100m2.shiretoko.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/05/e04a341ecaa1fdb814f63141ac9dfa5a.pdf
10年もつと思っていた魚道は10日で壊れた
しかし急流、イワウベツ川で記録的な大雨が降り、10年もつと思われた魚道は10日で壊れてしまいました。
詳細はこちらのリンクからしれとこの森通信2022/No.25をご覧ください。
https://100m2.shiretoko.or.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/d6fcde0dbe2ea6986d21530f7cbebabb.pdf
2022年春、岩瀬さんに助言を求め、次はどう直そうか、壊れた原因は何かなど教えていただきました。
しかし、昨年度に予算は使ってしまったので、修繕資材の購入費をクラウドファンディングで募集しました。
返礼品ないのにクラウドファンディングで8割達成
正直、2~3割しか集まらないだろうな、と悲観的でした。
しかし、実際には約8割達成することができました!
※ふるさとチョイスを介さない寄付を含めています
ご寄付のほか、SNSでのシェア、口コミなどで応援いただいた結果です。ありがとうございました!こんなに生物多様性の改善、川、魚を応援したい人がたくさんいるという事実に勇気づけられました。がんばります!
さっそく2022年9月に魚道修繕を実施しまして、その様子は動画にもまとめました。
1日目は、昨年破損した個所を綺麗にして枠を作りました。
2日目は、魚道本体に玉石を詰めました。
魚道の中身を石にして、上流から大雨で石が転がってきたときに耐えられるようにしました。
3日目は、魚道の仕上げ(河床路)と転石はね工を作りました。
魚道に流れてくるであろう石をあらかじめ止めるための工作物です。
ありがとうございました!
以上、2022年の魚道修繕でした。
今後、魚道の推移を見守りながら、手直ししつつ、維持管理していければと思っています。
台風が来た時など、心配しながら見守っていきたいと思います。
この記事は以上です。ご覧いただきありがとうございました!
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