つまりは皆、イカれどM野郎ってこと
第109代早稲田大学広告研究会代表 亀田壮太
第零章 はじめに
初めての人は初めまして。汗と涙の伝道師カメダです。ワズヘル(後述)として100ハイを走ってから早いこともう2年。青二歳のひよっこ坊主だった僕も大学3年目が終わろうとしています。まあ卒業まであと2年あるんですけどね。今回は100ハイ経験者の深刻な高齢化に伴い、経験したことのない子たちに100ハイの良さを知ってもらおうと筆をとった次第でございます。こーーーんなおもろいことが早稲田にあるのかと楽しみにしてもらえたら幸甚に存じます。
目次
序章 100ハイとは
100ハイとは。本庄からスタートし、およそ100キロの道のりを歩き走り、早稲田大学に辿り着くという行事だ。聞いた感じはシンプルだが実は様々なドラマが繰り広げられている。100ハイは6区間に分かれて構成されており、区によって様々な困難が立ちはだかる。その中でも比較的第一区は優しい方だ。平坦な道且つそれほど長くない。最初の区だけにまずは参加者にどんな雰囲気かを知ってもらうという意図があるのだろう。私は広研の枠で出場させてもらったのだが、代々続く名誉役職「ワズヘル」を務めさせていただいた。この役職は黄金のヘルメットを被り、常に100ハイの先頭集団(戦闘集団?)にいなければならない。広研1年生の中で最も早く学注ができ、出世ルートとも言われている。このヘルメットは学生運動のコスプレの名残りだとも言われているが詳細は不明である。
第二章 好調な滑り出しからの渇き絶望
どの区もスタートとゴールは全力のダッシュだ。坂道もダッシュ。信号前でもダッシュ。置いていかれまいと先頭がダッシュすると皆ダッシュするのだ。その異様な光景はさながら肉食動物から逃げるヌーの群れだ。先輩たちの助けもあり1区は順調に到着した。一般参加者の中では見事一番になることができた。この調子で行こうと思っていたカメダは早々に絶望させられる。
第2区はとてつもなく辛い。その辛さは単なる長さにあらず。途中の水分補給は参加者が自力で用意しなければならない。広研では途中のコンビニに先輩が寄り、購入後ダッシュで先頭まで持ってきて後輩たちに飲ませてくれるのだ。2区は真っ昼間の中、コンビニが少ない道をひたすらに歩き続ける。途中のどが乾いても水分を手に入れる術がないのだ。ワクワクしていた100ハイが急に地獄になった瞬間だ。一年生は道も知らないため、いつこの地獄が終わるかわからない。覚悟しておきなさい。
第三章 人の心を持たないバケモノ(昂揚会)
先導する昂揚会員は基本的に二人いる。旗手を務める1年生と道を案内するその先輩だ。一番前を先輩が歩く。そのためその先輩のペースが先頭のペースとなる。今まで一緒に先頭を走ってきたのなら可能な限りの自分の早いペースで進んでも納得はいく。だがしかし、毎区間で今まで先頭にいなかった体力ビンビンのやつが現れ先導するのだ。「俺らはキツいペースでここまで来たのになんで元気なお前に合わせんねん」と先頭集団は皆ブチ切れる。前を進むあの後頭部を何度カチ割ってやろうと考えたことか(特に三区)。とりあえず怒っていてもしゃーないので頑張ってついて行く。俺はまだ許していない。
最終章 洗脳
と、過激なことを言いつつ後半になると先頭ではサークルの壁を超えて励まし合う光景が見られる。早稲田には面白い人間が多くいるのでこのような出会いは大事にしたほうがいい。昨年度早稲田王になったちんちこさんともここで出会っている。
どんな長い旅もいつか終わりが来る。終盤に差し掛かるとブチ切れる体力もない。しかし不思議なことに高田馬場になった途端元気が湧く。この街の素晴らしいところは街全体が早稲田大学と同じ空気であること。最後は早稲田大学校歌を歌いながら馬場を闊歩するのだが、道行くサラリーマンやまだ明るい時間から飲んでいるどうしようもないおっさん、応援に来た早大生みんなが一緒に歌ってくれる。その中心に参加者として歌えたことはめちゃくちゃ誇らしい気分になる。
南門通りの手前で恒例の最後のダッシュがある。正直体力は底をついていたはずだが、みんな頭がおかしくなり走ってしまう。途中で「誰だこんなバカな行事考えたやつ。二度と参加するか」と怒り狂っていたが、なぜだろう。ゴールし終わった俺の目は涙で溢れ、相方と抱き合っていた。
今年僕が参加するかどうか。言うまでもない!
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